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MY BEST MUSIC OF THE YEAR【2015年編】

2015年、この頃の僕は25歳。
新卒で入った会社の仕事にも慣れてきて、一番忙しかった頃です。

当時えげつないブラック企業に勤めていたので、僕の月の残業時間は150時間オーバーが基本。
プライベートの時間はほとんどなく、大体の時間は会社で過ごしていました。

そんな、一番音楽を聴けていなかった時期の「MY BEST MUSIC OF THE YEAR」
ああ、この曲2015年だったんだ…的なノスタルジーとは無縁な視点で選びました。

MY BEST MUSIC OF THE YEAR(2015)

金賞(1曲)

ヒロイン/back number

back numberの名曲は数多かれど、これほどまでに等身大で情けない曲は他にないでしょう。
ただ、それこそが彼らの持ち味。ある意味、この時点での彼らの集大成とも言える楽曲。

何が最高って、曲の中で何の出来事さえ起きていないこと
「君の毎日に僕は似合わないかな」というモノローグも「意外と積もったねとメールを送ろうとして打ちかけのままポケットに入れた」のも、全部1人の話ですから。
「高嶺の花子さん」
も相当ひどかったですけど、想い人にメールの一つも打てないっていうのが実に情けなくて良い。今は偉そうにボロクソ言ってますけど、誰にでもあるのよこういう時期。

それでいて、曲は劇的に良くて。
特にDメロ〜落ちサビの流れは神がかってますね。
タイトルである「ヒロイン」というワードの種明かしというか、魅せ方が本当うまいですよね。
個人的には、この曲が彼らの最高傑作だと思っています。
タイアップで使用されていたCM「JR SKI SKI」も、この年のバージョンが一番好きだった。


銀賞(2曲)

シュガーソングとビターステップ/UNISON SQUARE GARDEN

シンプルかつ軽やかなカッティングが印象的なギターのイントロから始まる、ダンサブルなナンバー。
スリーピースバンドらしい、隙間を活かしたような演奏がなんともオシャレでクセになる。
徹底的にノリと語感を重視した歌詞も印象的。「超天変地異」とか「ランブリングコースター」とか、どっからこの単語嵌めようと思ったんだというボキャブラ天国っぷり。
それでいて、曲全体を通して聴くと社会人応援歌とも捉えられそうな内容に仕上がっているのが何とも好バランス。
ボーカルの斎藤宏介の軽快な歌いっぷりも素晴らしく、メロディ・サウンド・リリック・ボーカルと四身一体な楽曲。

愛を叫べ/嵐

アイドルが新郎としての立場ではなく、新婦の友人としての視点で歌う結婚式ソングというのが何とも新鮮。
しかしながら、年齢といいキャラクターといい歌詞コンセプトが嵐に奇跡的にハマっている。
久々に売れ線ド真ん中の一発で覚えられるサビメロ、「愛を叫べ」というアホみたいなタイトル(褒めてる)、デュワデュワ言い出しそうなコーラス強めのアレンジといい、THE結婚式ソングしている潔さが良いです。
嵐後期の代表曲的なポジションにいくかと思ったんですが、売上的にはそこまで跳ねず。個人的にはお気に入りの曲です。

銅賞(3曲)

クリスマスソング/back number

金賞も彼らの楽曲だったので外そうか迷ったんですけど、ここまで良い曲だと無視もできないよね。
個人的には「ヒロイン」の方が完成度が上と思っているんですけど、この曲も彼らが作ってきた失恋ソングの一つの到達点と言えます。
まず、「クリスマスソング」っていうジャンルを包括するような曲名がスゴい。
男性の失恋ソングにおいてはカリスマ的存在
と言うか、弱者男性の代弁者としての圧倒的な自信を感じます。
歌詞においては、「でもこんなこと伝えたら格好悪いし 長くなるだけだからまとめるよ 君が好きだ」の部分が秀逸。
このグダグダ管を巻く感じの童貞感と、男らしくスパッと言ってみたものの多分相手には聞こえてない感じがするのが実にback numberで良き。


有頂天/B'z

骨太なサウンドとキャッチーなサビメロ、2番のサビを大胆に飛ばす変則的な構成。全開のB'zらしさに圧倒される、強烈なパンチ力を持った楽曲。
展開の多いメロディといい嫌というほど耳に残るギターリフといい、久しぶりにTAKの長所が余すところなく出ている印象。
音数が少なくクソシンプルなのに、こんなにカッコ良いリフを作れるのはやはり神。
また、サビで被さってくるストリングスのアレンジが絶妙。この曲をシンプルなゴリゴリロックで終わらせないことに一役買っている。
そして、この曲をソツなく歌いこなし『有頂天』というイズム炸裂のタイトルをつけちゃう稲葉。
普通に考えたらこの曲に絶対こんなタイトルつけねえだろ、ってとこまで含めてTHE・B'zって感じで堪らないです。

トリセツ/西野カナ

『会いたくて 会いたくて』と双璧を成すカナやんの最高傑作のひとつ。
タイトルから歌詞の内容に至るまで、やっぱセンスしか感じないんですよね。煽ってるとかではなくて。
まず、この曲を作るに当たって西野カナ本人がスタッフとか色んな人に”私の取扱説明書”を書かせた、っていう話がすごいと思うんですよ。
やり方がもうマーケティングというか。多分普通の作詞のやり方じゃない。笑
でも、これが彼女なりのテクニックというか、より多くの人の共感を得られるような工夫というか。その要素をしっかり絞って歌詞に載せて、これだけのヒット曲を作れちゃうのは彼女のクリエイターとしての底力なんじゃないかなあと。


佳作(5曲)

私以外私じゃないの/ゲスの極み乙女

「こんなファルセット全開の女々しいボーカルのバンド、流行るかい」逆張り発言していたのも今や昔。
メロディメーカーとしての抜群の才能はもちろんのこと、当たり前のことをタイトルにして関心を引くセンスに加え、蓋を開けてみると至極全うに自分と向き合うことを歌い上げた真面目な歌詞と、1曲の中にギャップをつくるのが非常にうまい。ついでにベースラインもカッコ良い。
川谷絵音は計算してヒット曲を作れる、稀代のプロデューサーであることを実感させられる。


SUN/星野源

サビで高音を張り上げるわけじゃないのに、何故か耳に残る印象的なメロディ。老若男女が一発で理解できる、単語数を絞って作られた単純明快な歌詞。
どこか牧歌的な雰囲気がありながら、計算され尽くしたことがわかるのが実に星野源らしい。聴いていて癒される曲って、中々作るの難しそうだしね。
「恋」が生まれなければ、きっとこれが代表曲だったんだろうな。


新宝島/サカナクション

アレンジ、メロディ、歌詞、PVの世界観まで絶対にサカナクションじゃないと組み上げられなさそうな楽曲。
ついでに、Youtubeの再生数が今回紹介する楽曲内でトップ。
何気にこれもすごいこと。
前述の星野源「SUN」を上回るほどに言葉数が絞られた歌詞ながら、言葉の載せ方をひねることで退屈さを感じさせないテクニカルさが秀逸。

君がくれた夏/家入レオ

ドラマ「恋仲」に合わせた歌詞の世界観と、若い女の子にしか歌えなさそうな雰囲気が良いですよね。
こういう純朴な歌詞を、他の人が歌ってもどこかウソっぽくなりそうというか。彼女の真っすぐで強い歌声も相まって、説得力があります。
やっぱ胸キュンソングって、リアルな世代が歌ってなんぼ。その破壊力を改めて知らされる一曲。


オー!リバル/ポルノグラフィティ

掉尾を飾るのはベテラン2人組によるこちら。
「アゲハ蝶」しかり「サウダージ」しかり、こういうラテンっぽいテンションの曲を普通に聞かせちゃうのが彼らの強さ。これはやっぱり岡野昭仁の歌声によるところも大きいんでしょうね。
「ジョバイロ」以来、久々に彼ららしさを存分に感じることができる一曲でした。



というわけで、お盆休み初日に2015年編を書いてみました。
この辺から、邦楽復活の兆候を感じますね。
一番音楽を聴いていなかった時期のに、選ぶのがまったく苦じゃなかったのが自分でも意外でした。

次回は2016年編。
大分最近によってきましたね。

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