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【HR×Tech最前線】未踏の地に挑戦するデータサイエンティストがつくる「未来の働く」とは

今回は、大好評だったオンラインセミナー【未踏の地に挑戦するデータサイエンティストがつくる「未来の働く」とは】の内容をレポートします!

本セミナーではテクノロジーを駆使して「はたらく」新たなあり方を模索し続けるリンクアンドモチベーション社ZENKIGENのデータサイエンティストが、「働く×データ解析」 の未来についてトークセッションを行いました。

特に下記の課題をお持ちの方にはとても参考になる内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。

・急成長市場でデータサイエンティスト(AIエンジニア)として挑戦したい方
・「人・働く」×「データ」に興味のある方
・データサイエンティスト(AIエンジニア)としてのキャリアに悩まれている方

はじめに

まずはじめに、HRの現状について簡単に見ていきます。

2000年代初頭から加速したインターネット革命ですが、現在はそのインターネット革命を凌ぐ「AI革命期」のど真ん中にいると言っても過言ではありません。
実際に多くの著名人が、「AI革命によって多くの産業が再定義される」「ビッグデータこそ重要である」と発言しています。

こうした社会の大きな流れがある中で、昨今HR領域の大きな話題は「人的資本」です。
「人的資本経営」においては、働く「人」こそが企業価値を生み出す源泉であると捉え、そこに対して発生する費用をコストではなく投資として認識します。
経営環境の変化が激しい現代では、継続的な企業価値の向上のためには経営戦略において人的資本をいかに正確に把握し、投資効率を最大化するか(人の可能性を最大化するか)が重要であるとされているのです。

「経営環境の変化」についてはここ2年半で特に皆さんも実感がお有りかと思います。
予期せぬコロナ禍となり、私たちの働き方は大きく変わりました。
本セミナーではこうした環境の変化がどのように働き方に影響し、今後どのように変わっていくのか、
データ、そしてHR業界にいるゲストならではの視点からも深ぼっていきたいと思います。

登壇者紹介

セッションテーマ①

『多くのHR Techが存在しますが、他社様のSaaSとの違いはどこにありますか?』

小荷田:
ZENKIGENの特徴としては、「扱う情報」と「分析技術」が挙げられるかと思います。
弊社プロダクトの採用DXサービス「harutaka(ハルタカ)」では“面接”、1on1改善サポートAI「revii(リービー)」では“1on1”というように、実際にコミュニケーションをしている映像データをコンピュータービジョンや音声解析、自然言語処理などの技術を用いて解析しており、HR Techの中でも技術的に難易度の高いものを扱っています。現在、多くのHRTechプロダクトは、既存の人事業務を簡素化・効率化していくというところに、価値を置いているプロダクトが多いように感じます。一方、弊社が現在提供しているサービスは、面接や1on1におけるコミュニケーションの改善を促すなど、"既存の効率化"ではなく"根本的な改善"、つまり、コミュニケーションの取り方自体を提案するものとなっています。言い換えると、人間の業務を代替する方向ではなく、人間の能力や可能性を少しでも拡張する方向にAIを使用しています。
こうした思想やプロダクトの方向性がユニークなポジショニングを実現しているのかなと思っています。

あえて、人間の能力を拡張する方向にいくのはなぜでしょうか?

小荷田:
テクノロジーの使い方として、無駄な業務を縮小し、効率化することは良いと思いますが、それだけをやっていくとAIが人の仕事を奪い、いずれ人間が必要ない世界になっていきます。私個人としては、そういったAIの使い方ではなく、人間ができることを増やしていく使い方の方が建設的だと考えているからです。

リンクアンドモチベーション社はいかがですか?

東山:
リンクアンドモチベーションは社名にもあるように、モチベーションを扱っている会社であるため、業務の簡素化を図る多くのHR系SaaSとは違いがあると思います。弊社のサービスも必ずなくてはならないという「must have」なサービスではないので難易度が高いように感じます。
しかし、これがあったら"より良くなる"という方向性で「モチベーション」という目に見えないものに価値を見出しているところが特徴的だと思っています。
(組織改善クラウド「モチベーションクラウド」の概要はこちら

セッションテーマ②

『コロナ禍で「働く」への認識が大きく変わりました。「データ」という切り口でどう捉えていますか?』

東山:
この表はコロナ前後でどのように働き方が変わったのかを表したアンケートになっています。(※1)
データという切り口でみると、2つの変化があると感じます。
1つは、基本的にミーティングなどの形態が変わり、動画や音声で残せるようになっていること。もう1つは、チャットツールの使用がより顕著になったことですね。取得できるデータがとても増えている状態なので、データ活用の観点でもHR領域として強制的な後押しをもらえている状態だと感じています。

小荷田さんは取得できるデータが増えたことによる変化はありますか?

小荷田:
1番大きな変化は「面接」ですね。コロナ禍前の面接は、面接官と応募者だけの密室空間で行われていて、ブラックボックス化されていましたよね。それが今ではオンラインで録画ができるようになったことで、面接官によって面接の能力差が大きく、質問事項にもばらつきがあるということが判明してきています。加えて、熟達面接官には優れたノウハウがあったことも明らかになっているので、面接官と一言で言っても、習熟度に大きな差があり、応募者にとって人生の転機にもなる面接の結果が、担当する面接官によって左右されていたということになります。そこはまさに東山さんのおっしゃる通り、データ取得の恩恵を受けたことになります。
これからは面接がデジタライズされることによって、質の偏りは是正されていくので、きちんと公平な就活というものがあと2〜3年で実現されてくるんじゃないかなと思います。

​​

ここで小荷田さんからもデータがあるということですが。

小荷田:
僕も1枚面白いなと思ったデータを持ってきました。
こちらは最近発表されたMicrosoft社によるハイブリッドワークの意識調査レポートです。(※2)
従業員に「テレワークによって自分の仕事は生産的になりましたか」と聞くと、87%が「生産的になった」と回答した一方で、チームをマネジメントするリーダーに「自分のチームは生産的ですか」と聞くと、12%しか「はい」と答えていないという、逆転現象が起きている主観的なデータです。

これを見ると、会議や報告などはデジタル化ができて効率化していると思いますが、デジタル化しきれなかったものが実はたくさんあるのではないかと思っています。

リーダーとしてマネジメントする立場だと思いますが、お二人はこのアンケートに答えるとするなら、正直自分のチームが生産的であると言えますか?

東山:
個人の仕事に集中して取り組める環境にはなっていますが、チームリーダーという立場からするとチームが生産的だとは言い切ることはできませんね。若いメンバーが多いチームなので、例えば今までであれば若手のAさんにアドバイスしたとき、隣にいる若手のBさんも分からないことだから同時に聞いているということがありました。しかし、このように同じ空間にいるからこそ学べるという機会がほとんどなくなった今、Aさんにこれを教えて、Bさんからも同じことを相談されているからBさんにも教えるということがたくさん発生しており、生産性が低いなと感じますね。そのため、リーダーは共通化する事項をまとめて、みんなに伝えることを意識しないと業務がやりづらいなと感じますね。

小荷田:
僕は自分のチームが生産的ではあると思いますが、今までのピラミッド型だとどうしてもうまくいかないので、コロナ禍になってからは3人くらいずつのチームで動いてもらう形に変えて、自律的で効率的な組織を形成しました。そのため、チームとしては生産的ですが、僕がリーダーとして何かをやっているというよりは、各チームが自主的に動いてくれていることで成り立っています。ZENKIGENではこの形がリモートワークの最適解かなと思っていますね。

東山さんチームの組織体制はいかがですか?

東山:
僕たちはピラミッド型ですね。小荷田さん達のように、自主的で自律的な組織にしたいと思っていますが、自由にやってもらう許容範囲や粒間を揃えるのはなかなか難しいなと感じていますね。

確かに、チームメンバーの習熟度によってマネジメント手法は少し変わってきますよね。

セッションテーマ③

『今後、直面するであろう「課題」をデータサイエンスでどう乗り越えていきますか?』

東山:
テレワークの普及により、これまで取得できていたデータは一方で取れなくなっていると感じます。先ほど、データが取れるようになって追い風だと言いましたが、個人的には対面の中でもっとリッチに取れていた人間としてのデータが欠落しているように感じています。そのため、インプット情報の変化によりアウトプットであるコミュニケーションにおいて、大きな齟齬が生じている場面がたくさんあるのかなと感じます。この課題を乗り越えていくには、取得が困難になったデータに着目し、そのことによる弊害が何かを考えるところからだと思っています。

小荷田:
被せる形にはなりますが、テレワークの普及により、Web会議ではいつしか自分の発話ターンを待つ習慣ができ、自分の顔がずっと見えているというデジタルの世界でしか起こらない不自然なコミュニケーションにも皆さん慣れてきています。しかしながら、情報が欠落した状態で伝達されているのも事実だと思います。ここは課題ですね。とはいえ、デジタルでしかできない強みも明らかになっていますので、両者をどのように混ぜていくとより良いコミュニケーションになるのか、コミュニケーションを扱っている会社として挑戦していきたいです。

解決の糸口としてはいかがですか?

東山:
まず人間が慣れるもの、そしてどうしても慣れないものが何なのか、きちんと基礎研究なども含めてやっていくのがいいと思いますね。

ZENKIGENではラボ組織があり、基礎研究や学会発表の取り組みをしていると思いますが、この課題に対してどのようにアプローチをとられているのか具体的にありますか?

小荷田:
産業心理学や社会学など人文科学系の方々とのコラボレーションも少しずつ増やしています。彼らは心理的安全性の尺度を既に作っていたり、良い組織の運営とはどういうものなのか研究から答えをもっていたりします。ただ、それを実際にデータドリブンで証明することやソリューションとして用いることまではできていなかったので、そこをラボ組織として社会実装できないか試行錯誤しています。
コミュニケーションはまだあまり解明されていないので、研究すればするほど、面白いことがわかってきています。それを解いていき、東山さんがおっしゃっていた、どこまでが人間は慣れるのか、どこから先が人間は到達しえないのかをうまく見極めながら、科学知を作ることに取り組んでいきたいですね。
ビジネスサイドとアカデミックはデータがあればうまくコラボレーションできると思っているので、今後は益々研究が進んでいくと思います。これからデータサイエンスなしに発展するということはあまり考えられないので、よりデータサイエンティストが鍵になってくると思っています。


最後に

2社ともデータサイエンティストを積極採用しております!

今回ご登壇いただいたお二人とカジュアルにお話ししてみたい方なども大歓迎です!
下記のリンクもしくはQRコードからぜひお気軽にご連絡ください。

▼ZENKIGEN|データサイエンティスト募集要項

▼リンクアンドモチベーション社|募集職種一覧

▼当日の資料はこちら


最後までお読みいただきありがとうございました!

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(※1)コロナ後も変化が定着すること1位は「働き方」-株式会社インテージhttps://www.intage.co.jp/news_events/news/2022/20220405.html
(※2)ハイブリッドワークは仕事の一形態に過ぎない。私たちは間違っていないか-マイクロソフト株式会社
https://news.microsoft.com/ja-jp/features/220927-work-trend-index-hybrid-work-is-just-work/


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