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シン・現代詩レッスン16
テキストは寺山修司『戦後詩―ユリシーズの不在』。詩の虚構性を記号的体験と言う。詩が現実通りでなくても成り立つのは文学であるからである。それを否定して、リアリズムに固執するのは非礼だと言うのだ。そこはよくわからないが、寺山修司は記号(言葉)的体験を現実へ持ち帰ることによって詩は有効なのであり、その逆ではないという。つまり現実を記号的体験へ持ち込む(リアリズム)詩は何が駄目なのか、よくわからん。
「
シン・俳句レッスン122
ドクダミ
「どくだみ」、俳句では否定的なことばを嫌うので「十薬」とか使われるようだ。同じ日本を代表するハーブなのに蓬は文学になり(『源氏物語』「蓬生」が有名)、歌にも読まれたりするのだが、十薬は少ないようだ(歌はあった)。どくだみ茶はほとんどハーブティというより薬湯としてのイメージだ。また「蓬餅」は厄を払うものとされているのに、どくだみはそういう効用はないのだろう。花は可憐で綺麗なだけに名前がネ
シン・現代詩レッスン15
テキストは寺山修司『戦後詩―ユリシーズの不在』は前回と同じ。前回作った「空回りするモルモット」(仮題)は安永稔和の詩「鳥」に似ているな。めちゃくちゃ否定されていた。彼は書くことによって、鳥になったつもりだがその飛行行為は、ことごとく「飛びそこねた詩人」であると言われてる。人生に意味があると思っているからいけないのだろうか?別の世界(想像世界)が見えているとも言っている。そこまで辿り着ければいいのか
もっとみる「コンパートメントNo.6」はシャネルの5番より香ばしい
『コンパートメントNo.6』(2021年/フィンランド,ロシア,エストニア,ドイツ/107分)【監督】ユホ・クオスマネン 【キャスト】セイディ・ハーラ,ユーリー・ボリソフ,ディナーラ・ドルカーロワ,ユリア・アウグ,リディア・コスティナ,トミ・アラタロ
オープニングの音楽とクレジット・タイトルに惹かれる。やはり音楽がいいと映画も良く感じられるのだ。オープニングはホームパーティ会場のシーンから。明る