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Stress and 4R

今回のタイトルは「ストレスと4R」にしました。

この「4R」が何なのかと、ストレスとの関連性がわからないと内容が見えてこないので、順を追って説明します。

今回のコロナ禍に伴うストレスは初体験ですが、広義のストレス自体は誰もが日頃から体感しています。

まず、ストレスはあまりにも身近でよく使われる言葉です。

一般的には(外部から)プレッシャーや刺激(ストレッサー)がかかると、(内部から)ストレスを感じる(自分の身体や心に負荷がかかり、「歪み」が生じる)というところでしょうか?

ストレスの原因はいろいろありますが、何と言っても一番は「人間関係」でしょう!

受験英語を勉強していた時に覚えた今となっては懐かしい表現がこれです。

Stress is building up.(ストレスがたまる)⇒溜まって爆発しないように要注意ですね!

We live in a stressful world.(ストレスの多い世界に住んでいる)⇒そもそもストレスを感じるのは当然のことなので、それにどう対処するかが人によって大きな違いがあります。

ちなみに心理学ではストレスフルな状況に対して、いかにうまくそれを乗り切るかという対処のことを「ストレス・コーピング(ストレス対処法)」と言います。
copingとはストレスを評価し、対処しようとすることです。
*「cope」は、〔困難な事などを〕うまく処理する、 (なんとか)うまくやっていくという意味の動詞です。

社会人になってからは、ストレスマネジメントを学びました。マネジャーにはストレス耐性やストレスとうまく付き合うことが求められたからです。

We can't get rid of stress. We should manage stress.(ストレスをなくすことはできない、管理すべきだ)

メンタルヘルス対策で、心身症などを予防するために、会社では全員が定期的に「ストレスチェック」を受けていました。

ここでは「ストレス」について心理学医学の知見に深入りしませんが、特に心理学は何かと役に立つ学問のひとつです。
文系・理系に関係なく興味があれば、心理学の領域は広いですが、気軽に学んでみたらいいと思います。

本稿の一環したテーマは「Mindset(マインドセット)」ですが、「ストレス」とは不可分の関係にあるので、この点については、機会があれば、あらためて詳しく書きたいと思います。

振り出しに戻って、ここでの「4R」とは何なのかということです。

ごみの減量リサイクルを進めるために、私達の日々の暮らしの中で、4つのRに取り組むことを「4R活動」といいますが、具体的には下記の通りです。

1)Refuse(リフューズ)・・・ごみを発生させない
2)Reduce(リデュース)・・・ごみとなるものを減らす
3)Reuse(リユース)・・・捨てないで繰り返し使う
4)Recycle(リサイクル)・・・資源として再生する

これが「ストレス」となんの関係があるのかと疑問に思われるでしょうが、
ここからが本論です。

ストレス」を「こころのごみ」のようなものと捉えると、「4R活動」からアイデアを借りてくることによって、その付き合い方対処法につながるアイデアが、得られるのではないかということです。

これは「アナロジー(類推)」といわれる思考法を活用することです。

まず「ごみ」と「ストレス」は何かと共通点があるように思います。

どちらも放っておくと、好ましくないものが溜まってきて大変困ったことになりますが、マイナス面だけではないところもあります。

たまにテレビで「ゴミ屋敷」のことが取り上げられます。
これには当事者の心理面も大いに関係しているのですが、ここまで極端でなくても、適時・適切に、ごみ処理ストレス解消しないと大変な事態になりかねません。

4Rに対応させて、順番に考察してみます。

1)Refuse(リフューズ)・・・ごみを発生させない!

7月1日から全国的にレジ袋の有料化がスタートします。コンビニでは3円から5円という料金が発表されました。

買い物にマイバックを持参することなどで、レジ袋というごみを発生させないことを本来の目的としています。

では、そもそもストレスを発生させないことはできるでしょうか?

自分にストレスをもたらすものがあっても、まったく関係をシャットアウトしたり、スルーすることができるのであれば可能かもしれません。

例えば、会社の上司と部下の間で、ストレス関係がある場合、仕事中はむずかしいかもしれませんが、プライベートでは可能です。

友人関係の場合、その友達関係をなくす覚悟で断ち切れば、一応、ストレスの発生源ではなくなります。

昨今、SNSでの誹謗・中傷が大きな問題になっています。
年配の世代から、SNSで発信するから誹謗・中傷されることもあるわけだから、本当に嫌ならSNSをやめるか、誹謗・中傷は見ないあるいはスルーすればいいとよく言われます。
しかし、ことはそう単純ではなくて、基本的には「いいね」とポジティブな反応をする人たちの方が多くてそれを見たいけれど、その反面ネガティブな反応をする人たちの数は少なくても、内容のインパクトが強いところに悩まされます。

つらい経験があっても、自分のこころが折れてしまわないようにこころをカバーしてくれる「マイバッグ」があればいいですね!

2)Reduce(リデュース)・・・ごみとなるものを減らす!

ごみを減らすためにできることはなんでしょうか?

例えば、食品ロスの削減や、燃やす紙ごみとリサイクルできる紙の分別でごみを減らすことができます。新聞・雑誌・段ボールなどは古紙の回収日に出します。

では、ストレスはどうしたら減らすことができるのでしょうか?

コロナ禍で、おとなは在宅勤務、こどもは休校で、家族全員が自宅でステイホームを余儀なくされる期間が続きました。家庭内でそれぞれがストレスをかかえて大変でしたが、ようやく出勤や登校が始まって少しはホッとしているところかもしれません。

この間、芸能人やアスリート、芸人など、いろいろな人が動画で楽しませてくれたので、少しストレスレベルが下がりました。

次の秋冬にはまた、新型コロナウイルスにプラスしてインフルエンザが大流行して同じような事態にならないとも限りません。

家庭ごみの場合、通常は日々の生活の中で発生するので、想定内の量ですが、仮に大震災などが発生すると考えられないくらい大量の粗大ごみが出ます。

ストレスの場合も、進学・就職・転職・結婚・老化などのように、ひとの成長の過程で出会うある程度予想がつくストレスのもとがあり、また、一方で、事故・災害・病気・死別のように予期できないストレスの発生源もあります。

家庭ごみは、日頃から事前に、可燃物、不燃物、廃プラ・ペット、古紙・古着などに分別して指定日にそれぞれ回収してもらいます。

いろいろあるストレスも、突発的なもの以外であれば、事前に分別・整理しておけば、心の準備ができてストレスレベルが下がるはずです。
ごみは指定業者が回収してくれるように、ストレスに関してもサポートしてくれる人(家族・友人・知人などの身近な人や専門家)が必要な場合があります。

3)Reuse(リユース)・・・捨てないで繰り返し使う!

本人には不要になっても、まだまだ使えて欲しい人がいるモノ(例えば、ベビー用品など)を誰かに譲ったりして再利用されれば、ごみを減らすことができます。

ストレスの場合はどうでしょうか?

ウイルスに対する抗体を持っていれば、何度ウイルスが侵入しても感染しないように、特定のストレスに対する対処法が身についていれば、あまり問題は発生しません。当人だけではなく、他の人にもその対処法が有効であれば広めることで、全体のストレスレベルは下がります。

4)Recycle(リサイクル)・・・資源として再生する!

排出された廃棄物から資源を再度回収して利用することで、長期的な資源確保のための手段と、本来処理されるべき廃棄物量の減少(減量化)を目的としています。

紙類の場合は、ティッシュペーパーやトイレットペーパーなどに再生利用されたりしているのが身近な例です。

ストレスの場合は資源や再利用というような捉え方はできるのでしょうか?

「ストレスは健康や家庭生活や仕事に悪影響を及ぼす」という一面的な考え方ではなく、「ストレスは役に立つ」「ストレスはある意味で不可欠」「ストレスをエネルギーに変える」というような広い視野で見直す必要があります。

事故などの緊急事態に際して「火事場の馬鹿力」と言われるような驚異的な身体能力が発揮されることがあります。これにはアドレナリンコルチゾールなどのストレスホルモンが関係しているようです。

ストレスの少ない生活を送っている人たちが、意外にもあまり幸せを感じていないという研究結果があるようです。例えば、それまで忙しく仕事をしていた人が退職して急にやることがなくなってうつ病を発症するリスクが高まるようなことです。

仕事、育児、人間関係、介護、健康問題などがストレス源として上位にきますが、ストレスを感じるのは、人生がうまくいっていないのではなく、自分にとって大事な活動や人間関係に真剣に取り組んでいる証拠です。

つまり、心配事が多くて、ストレスも多い人たちの方が、人生に生きがいを感じているので、ストレスも必要ということになります。

ストレスをパフォーマンスや生産性を向上させる力にできれば資源として活用できるわけです。

避けようのないストレスは当然ありますが、必要以上にそれと闘ったり回避したりせずに、ストレスの良い面も認識して、受け入れられるところは受け入れて孤立せず、周りの人とつながっていれば厄介なことも乗り越えていけるだろうと考えています。

今回は、アナロジー思考を使って、既知ゴミ問題を参照元にして未知ストレス問題について類推して考えました。

好きで詳しい得意分野があれば、それを元に、自分としては未知のいろいろな問題に応用できますが、意外と無意識に使っている人たちが多いかもしれません。






























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