見出し画像

【週末投稿】四季がある日本のバナナ #30(ネット情報の危うさ)

今まで日本では経済栽培(採算の取れる栽培)としてのバナナは皆無だったが、地球温暖化、気温の上昇、農家の老齢化、地域特産物を強化したい等の理由により、最近は本州でバナナの温室栽培が各地にぽつぽつと始まり、国産高級バナナとしての流通を狙っている事業者が増えてきた様だ。

これらは喜ばしい事なのだが、苗の入手元がどうにもあやしい。
それは事業者のバナナに関するリサーチ不足であると指摘したい所であるが、バナナ経営に関するコンサルができる所もない実情を考えると、致し方ないと思う。

国内で耐寒性のあるバナナを開発したという「ある業者」が、NHKを使って認知度を広げてしまった。そしてそこから苗を入手して地域の特産として事業を開始している所がままある様に感じている。温室によるバナナ栽培であれば、どこの馬の骨かわからない所から苗を入手しても、病気にかかっていなければ、最低気温を守り、水管理をしていれば放置していても収穫までうまくいくのがバナナである。そのため、どの業者から苗を入手しても実際は実害がない。これが悩ましいのである。

「ある業者」のリリースだけを聴くと、画期的な品種開発の様に見えるのだが、評価データの開示がホームページを見ても皆無に思え、夢ばかり語っている様に思える。そしてバナナに深い知識がある愛好家に対しては、個人レベルでの苗の入手は拒絶されている様なので、外部評価が出来なく、なおさら怪しいのである。

バナナ愛好家が日本で育成すべく近年10数年かけて、品種の選定や、輸入、育苗、越冬対策のノウハウを論議して最近ようやく Namwa やそれらの亜種である IceCream 、Orinocoなどのバナナ越冬成功事例が広まり、収穫までたどり着いたわけであり、ホームページに占めるようなバラ色の広報には個人的には納得できないのである。

バナナエッセイを今まで書いてきて、不満ネタを書くのは忍びないのだが、「耐寒性のあるバナナを開発した」とか、「バナナ育成に投資しませんか」など残念な話題が増えているのが耐えがたく感じる。変化の激しい最近の日本は容易にネットにアクセスできる為に、肌身で学習や経験することが少なくなりつつあり、安易な情報で事業方針をジャッジする事の危うさを感じるのである。

まぁ、温室でバナナ栽培するには先ほども話した通り、どこの馬の骨かわからない所から苗を入手しても、病気に掛かっていなければ結果オーライで収穫できるはずなので、国産温室栽培のノウハウを構築、共有して頂けれこれからの国産バナナを切磋琢磨する事ができるであろう。

私の分野は、個人の自宅で手間をかけずにバナナを楽しく収穫するための、ノウハウが中心となる訳で、すみわけが出来ている訳なのである。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?