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【週末投稿】四季がある日本のバナナ #4(耳学問は危険なり)

バナナに興味を持つと、いろいろな種類が気になるものだ。
まずは、店に並んだバナナの名前が気になる。

フィリピンバナナ、台湾バナナ、インカバナナ、高原バナナ、甘熟王、ホムトンバナナ、モンキーバナナ、ラカタンバナナなど様々な名称で売られている。

これらはその地域で収穫されたものをブランド化したものや、栽培方法に由来するもの、熟成方法大きさや形などに由来するものから、品種名の方言を商品名として使っているものまである。混沌としているのだ。

日本の多くのバナナは、Cavendish と呼ばれる品種であり、ラカタンバナナは Lacatan と呼ばれる品種である。ホムトンバナナは HomTong と記載し Gros Michel という品種のローカル名「らしい」。
モンキーバナナはセニョリータと呼ばれる事もあるが、品種を示している訳ではない。海外では実の形状から Lady Finger と呼ばれる事もある。
よくよく調べると、Sucrierと呼ばれる何らかの品種らしい。

さらにLacatanという品種名は、海外で別の品種と混同される事があり、分類上も注釈付きで表記されている事が多い。

結局、熱帯地方から遠く離れた私たちは現場の人間でもないし、植物学者でもないので情報に踊らされ易いのである。

そうは言ってもバナナマニアにとっては、インターネットで知り得た情報でバナナ苗を入手して育てているのが現状である。

バナナに関する学術書はインターネットで調べられるのだが、「謎バナナ苗」が市場に出回っる事があり、日本に居ながらではその経緯を調べる事が困難だ。これが悩ましい。「はったり」と思いながらもその新しい品種の可能性に期待して購入してしまう事もある。それでも謎バナナ苗を育てるのは楽しいが、数年後に結実しようやく他の品種と比較でき、真実が判るという訳だ。

売る側は儲けたいので、もしかしたら同じ品種でも新しい名前やキャッチを生み出して売っている可能性も無いとは言えないだろう。
実際に日本のバナナ育成愛好家の努力により、結実結果からいくつかの商品名のバナナが同じ品種と思われる結論に達した例が報告されている。

植物学上、バナナの品種は "Musa ××××" という記載方法を採る。
バナナを育成するものは、この表記で品種情報をやりとりする事が多い。
インターネットで調べる場合、国によっては "Musa" という接頭語を使わず、”Pisang”、 "Kluai" とか "chuối" という接頭語が用いられる場合がある。いずれもバナナを示している。

また、同じ品種でも矮性と言う背丈が小さいものがある。これらは "Dwarf" とか、"Khom" という単語を品種名に付加する事で形態を示す事がある。

同じ品種でも国別に呼び方が違い、それらをまとめた資料などもインターネットに沢山見つける事が出来る。

同じ品種でもたくさんの呼び名や商品名があり、「そんなバナナ」とか「バナナの皮で滑った」などのお笑い的にも扱われるバナナ。
私たち人間に最も親しみがある熱帯植物であるからなのでしょう。

次回は、日本のバナナ栽培の状況についてお伝えします。
あなたも家で栽培したくなるかもしれませんよ。


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