【週末投稿】つれづれ有用植物#234(キク科ツワブキ属:ツワブキ)
海沿いの草原や崖、林の縁に見られる常緑の多年草です。
葉は革質でつやがあり、草姿はフキを小型にしたような形です。
フキの葉柄には穴が空いていますが、ツワブキにはこの穴がありません。
常緑性で花の少ない晩秋から初冬に開花するので、観賞用に栽培され庭などに植えられているご家庭もありますから、界隈で身近に見られるかもしれません。
江戸時代から愛好家らにより品種改良が行われ、数多くの品種が作り出た古典園芸植物でもあります。班入りや縮れた葉(獅子葉)をもつ種もあるんですよ。
花は株の中心から出てきます。
花茎の先端が枝分かれして、直径 5 cm 前後のキクに似た黄色い頭状花を、まばらに数個まとめて咲かせます。
花色は黄色のほか、クリームホワイト、朱色、レモン色などの園芸品種があり、八重咲種もあります。
地下には短いワサビ状の根茎が連なり、大きな株になり増えて行きます。
葉柄・花・蕾・花茎・葉が食用に利用されます。
採取は葉が開く前のよく伸びた、 3 ~ 6月 ごろに褐色の綿毛に包まれているころの若い葉柄(軸)を収穫します。
採取した状態はアクの苦味や渋味が強烈であるほか、水溶性の有害なアクがあるため、アク抜き処理を済ませて無害化し、安全になったものを調理に使用する必要があります。
あく抜きの方法として、軽く表皮を湯通しした後に水溶性のアクが溶出しやすくする為に表皮を剥き、4 ~ 5 cm 程度の長さにカットして、数時間から一晩しっかり流水に晒す作業が必要です。
西日本の一部地域ではフキと同じように葉柄を食用として食文化が発達しています。
さらに民間薬としても利用されています。
主に茎葉を 8 ~ 9月 ごろに採取して天日乾燥したものを生薬として、催吐、排膿、皮膚病を目的に利用されている様です。
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人々の熱い想いがあって、多くの園芸種が生み出されました。
本州の太平洋側では富木島兼以南、日本海側では石川県から西の地域及び、四国や九州及び南西諸島に分布しており、日本国外では朝鮮及び鬱陵島、済州島などの島嶼や中国東南部及び台湾に分布している様です。
森林の比較的明かりが入る所に自生している所もありますので、山菜採りで捜してみるのも良いかもしれませんね。
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