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ジャニー喜多川氏の性的虐待を「性嗜好異常」で片付けるべきでない

ジャニー喜多川の性的虐待騒動でインターネット、ソーシャルメディア、伝統的マスメディアがから騒ぎを起こしている。
ジャニー喜多川が起こした性的虐待は、当然財産権(人権)侵害であり許されざる行為であるが、私はこのパニックを巡る風潮に一言異論を唱えたい。

大前提 ~織田信長と森蘭丸は良いが、なぜジャニー喜多川とジャニーズJrの関係はダメなの?~

そもそも、伝統的に西洋ではペドフィリアは差別されていたが、日本に宗教的な考えに基づくペドフィリア差別は少ない。織田信長と森蘭丸の例を提示せずとも、若衆道や、陰間茶屋など日本では同性愛に類似したセクシュアリティは存在する(余談だが、祇園祭を彩る稚児も元々は男色の側面があったとされる)。だが、ジャニー喜多川案件では、「若衆道」のワの字も出る事は無かったし、古代ギリシアの男色文化が紹介されることもなかった。知識人も、メディアも、Xの民も皆勉強不足なので、安易に西洋諸国で見られる伝統的なキリスト教的思想に染まってしまったのだ。
勿論、ジャニー喜多川の犯した「行為」は、現在では殆どの西側諸国では犯罪とされ、処罰される。
それでも、言い方を変えたなら、其れは「男色」であり、「通過儀礼」なのだ。

人間のセクシュアリティの専門家が、居ない!


https://www.asahicom.jp/pdf/hokokusho_20230829.pdf

もう一つ批判すべきなのが、メンバーの中に人間のセクシュアリティの専門家がいない事だ。
「外部専門家による再発防止特別チーム」の面々は、林眞琴、飛鳥井望、齋藤梓の3名だ。林氏は検察官、法務官僚、弁護士と言った法曹界隈の人であり(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/林眞琴)、飛鳥井氏はPTSDが専門の精神科医だ。齋藤氏も、やはり性暴力とPTSDが専門であり(https://www.nippyo.co.jp/shop/author/5031.html)、WBPC問題でこれから問題になるかもしれない、『一般社団法人Spring』と関わりがある曰く付きの人のようだ(https://researchmap.jp/azusa_saitohttps://www.nhk.or.jp/minplus/0026/topic076.html)。その中に、人間のセクシュアリティについて訓練を受けたと公表している人間は恐らく存在しない。アメリカやブラジルではそう言った訓練を行う機関は存在する(日本でも一応存在する)が、この場合は日本で人間のセクシュアリティに関しての訓練を行う公的な団体である日本性科学会のセックス・カウンセラー、セックス・セラピストの資格を持った方はこの中には居ないのだ。人類の記録として、その影響は計り知れないと思う。人間のセクシュアリティに対する認識不足は、この文に顕著に現れている。

このように20歳頃から80歳代半ばまでの間、性加害が間断なく頻繁かつ常習的に繰り返された事実は、ジャニー氏に顕著な性嗜好異常(パラフィリア)が存在していたことを強く裏付けるものである。性嗜好異常とは、性愛の表現型が異常な、強烈かつ持続的な性的関心を特徴とするものであるが、もっぱら未熟な思春期少年を性愛対象としたジャニー氏の性的関心と同意なき性行為の強要が長年続いたことは、被害者の年齢層(中心は13~15歳)がいわゆる小児性愛(13歳以下)に比べ定義上は若干高くなるものの、まさに性嗜好異常の一型とみなすことができるものである。

https://www.asahicom.jp/pdf/hokokusho_20230829.pdf#page33

調査報告書を書いた人物はエフェボフィリア(13~17歳の思春期の少年少女に惹かれる性的指向)の存在すら知らなかったのだろう。
エフェボフィリアは、英語版Wikipediaに記事がある程の列記とした概念である。

英語版Wikipediaでは、青年期半ばから後半の、通例15歳から18歳に惹かれる旨の記述がある。ジャニー喜多川は故人なので推測する事しか出来ないが、恐らくジャニー喜多川もエフェボフィリアだったのだろう。最も、ジャニー喜多川を狭義の「ペドフィリア」と呼ぶかは議論が分かれる所だが。

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