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「ビジネスにおいてなぜ数字が大切か」4月に読んだ本まとめ

4月に読んだ本は4月にまとめよう!と思っていたものの、もう5月中旬。

暑かったり、寒かったりで、どんな服を着ればいいかわからず、えいや!で服を選ぶ毎日です。季節の変わり目になると、「去年の今頃はどれくらいの暑さだったかな…」と記憶をたどりますが、何も覚えておらずに諦めてしまいます。

さて、4月は本を5冊読みました。(毎月10冊は読みたい!と意気込むものの、なかなか難しいですね…。)4月は「効率」「プロジェクトマネジメント」をキーワードに本を読んでいたような気がします。いろんな角度からその2つを捉え直すと、「数値」というものに対する認識がガラリと変わった気がします。

5冊の本紹介で、私の思考変遷を少しでも感じていただけたら幸いです。

プロジェクトマネジメント的生活のススメ

人生はプロジェクトだらけです。たとえば、カレーを作るのも1つのプロジェクトです。「おいしいカレーを作るには」「もっと早く完成させるためには」など、実生活でもプロジェクトをマネジメントをすることは実践しているし、コツを掴めばもっと多くのプロジェクトを効率的に管理できるようになります。

そんな導入が書かれている本なので、「プロジェクトマネジメント?何だか難しそう」と思う人でも、手に取りやすい一冊かなと思います。

特に学びになったのは「Part5 本質思考と本質把握能力」という章です。

目に見えているものだけが「本質」とは限らない。みる角度、明るさ、通しているフィルターによって、見方は変わるし、自分に見えていない部分も重要だと心得る。

自分にとっては明らかに正しいと思っていることを相手が受け入れてくれない時、きっと自分が気づいていない他の場所に問題の本質がある。自分にとって明らかなことを受け入れられない理由がきっとある、それを理解しない限り、そのすれ違いは解消しない。

クライアントに企画の提案をしたとき、メンバーに改善案を提示したとき、相手が“言語化できない何か”が障壁になることは多いです。そのなかで、相手の違和感を無視するのではなく、しっかり対話をして擦り合わせていくことが、プロジェクトをうまく前に進ませる大事なコツなのだと、上記の引用を読んで感じました。

プロジェクト会議 成功の技法

2冊目は、プロジェクトといっても会議にフォーカスした本です。毎日会議をする人も多いと思うのですが、「いい会議とはどんな会議か?」をきちんと答えられる人は少ないのではないでしょうか。

会議といっても、アジェンダ作成、ファシリテーション、タイムマネジメント、議事録、意思決定の擦り合わせ、アイデアの発散・収束などなど、さまざまな要素が入っています。また、会議の種類も、キックオフ、定例会議、マイルストーン会議などなど。この本は会議の種類を分類しつつ、それぞれの要素で気をつけるべき点を説明しています。

腕のいい演出家の手によるよい塩梅の会議に参加した人は幸せです。なぜならその人は、プロジェクトのなかで自らが果たすべき役割がどういったものかを認識できるからです、認識だけでなく、納得もできます。
自分はそのためにここにいるんだと、前向きな確信をもつこともできます。そうなれた人は過不足ない認識材料をもとに行動できるようになります。

「ダメな会議の特徴」や「短時間で意思疎通を整える」など、細かなハッとポイントがたくさん詰まった一冊ですが、個人的に響いたのは上記の引用部分です。

ファシリテーションやアジェンダ作成など、たくさんの要素に気を配らないといけない「会議」というものに苦手意識を持っているのですが、「会議=演出」と思えば少しは気が楽になりました。

会議をマネジメントするには「できるようにならないといけないこと」は多いですが、全てはメンバーに「前向きな確信を持たせるため」と考えると、なんだか会議が楽しい場に思えてきました。

数値化の鬼 ーー 「仕事ができる人」に共通する、たった1つの思考法

プロジェクトを前に進んでいるかを確認するためには、かならず「数値」と向き合う必要があります。「先月と比べて何%売上が上がっているか?」「1時間で作業がどれくらいできるようになったか」など、文系理系関係なく、ビジネスにかかわる人は数値に向き合わないといけません。

ド文系の私がずっと避けていた数値ですが、なぜ避けていたかというと数値にすることで、「いかに自分ができていないか」に向き合わざるを得なくなるからです。たとえば、「執筆した原稿に対して編集者さんからの赤入れがいくつあるか?」を数えて、1000個あると結構ダメージを受けます。。。また、他人がAの作業を30分でできるのに、私はAの作業が1時間かかってしまうなど、数値化することで相対化することも可能です。

しかし、この本は私の「数値化への漠然とした恐怖」を緩和してくれました。

数字の「プレッシャー」についても、よく質問されます。
「数字のことを考えさせない方が、のびのび働けるのでは?」という意見です。こいれも大きな勘違いです。
不適切な数字の目標を掲げ、「なんでこんなこともできないんだ!」と怒鳴ったりするからプレッシャーになるのです。つまり、「感情」を絡めることが問題なのであって、数字そのものがプレッシャーを与えるわけではありません。

上記の引用箇所を読み、私は感情と数値を絡ませてしまっていたなと気づきました。また、本の中にはどう数値と仲良くなっていくかが詰まっているので、数値に対して苦手意識がある方はぜひ読んでみてください。

複雑系入門―知のフロンティアへの冒険

「複雑系」とは、「システムを構成する要素の振る舞いのルールが、全体の文脈によって動的に変化してしまうシステム」を指します。

さまざまな企業のメディアで記事の執筆を担当しているなかで、「生きている」システムを理解することは必須になっています。

「生きている」システムは、ふつうのシステムの場合と異なり、要素に分解して調べることによって全体を理解するという従来の方法では理解できない。『複雑系』科学は、まさにこの「従来の化学の方法では扱えない領域」を『複雑系』の概念で開拓しようとする試みなのである。(図1.2)

上記の引用と図をみて、私たちが理解しようとしている「社会」とは、複雑系がいくつも重なりできたものだと思いました。その中でも、「数学」とは物理・科学のさらに下である最下層に位置しています。ということは、私たちが社会を理解するためには、数学というものが根本にあるのです。(ここが『数値化の鬼』と共通する部分で、個人的に数字の大切さを見にしみた箇所でもあります)

この本では、Part1で複雑系科学とはどのようなものなのかが紹介され、Part2から具体的な複雑系の事例について紹介されています。Part2からは計算式が多くでてくるため、私はザーッと流し読みしたのですが……。Part1だけでも十分勉強になる本なので、ぜひ読んでみてください。

人間の経済

4月は「プロジェクトマネジメント」や「数値」をキーワードに本を読みましたが、この『人間の経済』は2・3月に読んだ本の延長戦となる一冊です。

「経済」というキーワードに怯えて、なかなか1ページ目を開けれなかったのですが、中身はとても読みやすい一冊でした。

この本は、人間と経済のあるべき関係を追求し続けた著者 宇沢弘文さんが、自らの軌跡とともに経済を語ったもになります。宇沢さんは1927年に生まれ、2014年に他界された方です。戦後の高度経済成長のなか、経済優先で決められる政策が人々の生活にどのように影響したか。「自由」「医療」「教育」「大学」「農の営み」などのテーマに分かれて章立てられています。

経済は人間のために
湛山とちがって、ケインズには湛山のようなノーブルな心があまり感じられません、つまり、人間が人間らしく生きていくときに経済は非常に重要である、と考えるのがケインズだとすれば、湛山は、経済はあくまで人間が人間らしく生きていくためのものという考えです、経済よりも、人間のほうに明確に重きを置いているのです。

さまざまな政策や法律が整備された後に生まれた私にとって、どの章も面白かったのですが、特に本の特色を表しているのが上記の引用だと感じます。日本のジャーナリスト兼政治家の石橋湛山さんとイギリスの経済学者のジョン・メイナード・ケインズの経済に対する考えの違いを記した部分。

「何のために経済があるのか?」という問いは、この本で初めて自分のなかに生まれました。「GDPマイナス」「経済成長」などが多くのメディアで取り上げられますが、「本当にそれは人のためになるのか?」を問いていきたいと思わせてくれた一冊でした。




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