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世界最先端8社の大戦略 「デジタル×グリーン×エクイティ」の時代

現在進行中のデジタルトランスフォーメーションは、顧客中心主義が生命線です。そこから、顧客のみならず、従業員、取引先、地域社会といったすべてのステイクホルダーを大切にする人間中心主義という考え方へ。その次に来るのが「人×地球環境」中心主義です。
デジタルは基本的に、「もっと便利になる」ための手段です。小手先のデジタル化では意味がなく、企業の本質を進化させるデジタル化が必要であることを忘れてはいけない。また、単独ではなく、デジタル×グリーン(地球環境を守る)×エクイティ(すべての人がともに成長する)の三位一体でパーパス(社会における企業の存在意義)の実現に向けて推進していく必要があります。

■掲載事例
第1章 ウォルマート――「時代遅れの世界一企業」が大変身
第2章 テスラ――「地球を救済する」という野望と使命
第3章 アップル――「脱炭素」と「公平」でも先進対応
第4章 セールスフォース――「世界最強のSaaS企業」7つの理由
第5章 マイクロソフト――クラウド大逆襲の次は「アンビエントコンピューティング」
第6章 ペロトン――フィットネスの巨大プラットフォーム
第7章 DBS銀行――「世界一のデジタルバンク」が挑む次なる変革
第8章 アマゾン――「ベゾス後」は製造業とヘルスケアのDX覇権を握る

■デジタルシフトに求められる「5つのシンカ」
①「本質」のシンカ…事業そのもの、企業そのものの本質を進化させる。(ポジショニングマップの右上にいく)
②「CX」のシンカ…「より自然に」、シームレスに。
③「データ分析」のシンカ…ビッグデータ×AIにより「ユーザー1人ひとり」 の行動パターンや心理パターンを把握し、サービスを最適化(察する)
④「つなげる」のシンカ…「どうすれば顧客とつながることができるのか」「つなげた先にどのようにサービスを展開できるのか」
⑤「経営スピード」のシンカ…同期化。各部門が同時にスピードアップを図る。

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画像引用元:https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00312/061000003/

■大胆なデジタルシフト戦略策定「12のポイント」
①より優れた商品サービス提供に至るまで、すべての階層において優れた戦略になること
②本質的で、インパクトがあり、強く・好ましく・ユニークなものであることを生命線とすること
③自社の事業に対する哲学・思い・こだわり、ミッション・ビジョン・バリューに精通すること。それらを踏まえた戦略とすること
④自社の事業の本質から入ること
⑤自社、自社の競合、自社の顧客やマーケットを徹底的に知る努力をすること
⑥経営者の発言などを徹底的にリサーチ、分析すること
⑦米中メガテック8社をすべて本質的にベンチマークし、それを本質的にベンチマークし、それを本当に活かした大胆な戦略となっているか明記すること
⑧リサーチ・調査を踏まえた分析・評価、それらを踏まえた戦略となっていることに留意すること
⑨「先に打ち手ありき」の戦略となっていないか、「実施した分析から本当にそのまま導き出された戦略であるか」に徹底的にこだわること
⑩競合他社にもそのまま使えるような戦略にならないよう十分に注意すること
⑪自分自身が大胆なビジョンを持つことが不可欠であることを再認識し、それを自分たちの方法で投影したものにすること
⑫「求められていることは何か?」「何のためにやっているのか?」と問い続け、目的や使命を常に意識すること

■大友的編集後記

過去読んだDX関連書籍よりも各社背景含め詳細に記述されているので、どう変わったかだけではなく、一連のストーリーとして把握できる。

製品中心主義・企業中心主義のトランザクションジャーニーから顧客を中心に置いたカスタマージャーニーへの移行。

マーケティングでもカスタマージャーニーは重要な考え方で、聞いたことがある、作ったことがあるという人も多いかもしれない。ただ、本書内では「顧客を中心にサービスを創造し、パーソナライゼーションする」とあるので、普段ファネルからカスタマージャーニーへ~(タッチポイントを明確にするような)という頭があると若干違和感が残るかも。ただ、意味合いや伝えたいことは共通している部分もあるので、DX・事業レベルのテーマであれば腹落ちする表現。(本来はこっちの意味が強くあるべきなのかもしれない)

また、その中で顧客の動機を理解し、顧客のジョブを解決するには、どのような価値提案が必要かという点で本書内でも触れられていたジョブ理論についても以下引用。

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画像引用元:https://bizzine.jp/article/detail/2872

ジョブはニーズが無くても存在するものであり、済ませたいこと。顕在化しているものも潜在的なものもあるが、およそDXは潜在的なジョブだろう。(DXしたいけど、何からしたらいいんだ?→なぜするのか、目的から考えなければいけないよねという流れが王道だが自社のソリューションにつなげがちだよなとセミナーとか聞いてると思います)

DXの本質はトランスフォーメーションであり、特にカスタマーエクスペリエンスを高めていくことにあります。

「デジタル技術でビジネス革新」「顧客への価値提供の仕組みを変え、ビジネス構造を変える」などDXについても色々と言い方があるが、この本質は腹落ちしやすい。顧客に便益があることはマーケティングでもそうだが、自社の業務改善=DXの認識は確かにある。アプリやセンサー、仮想空間しかりカスタマーエクスペリエンスに紐づくデジタル手法はDXと言えるかもしれない。
とわいえ、部分的なものではなく一連のストーリーが重要であると思うので、部分的な改善よりは協業パートナー含め網羅的にサービスを支援していけると、自分がコンサル側であれば「DXのやっている感」は味わえると思う。ただ、パーパス(存在意義)やどんな便益をエンドユーザーにという点はどうしても事業会社側で考えたうえで、DXという手段が支援側には落ちてくるので、目的・戦略然り、まず企業理解力(理解しようとする姿勢)を深く行い、それで何をするべきか、何を考えないといけないのか、どうこの企業を変えるのかなどなど、もうブランディングの領域だよねと最近感じる。(オンライン・オフラインじゃないが垣根が消えてきてる支援領域)

↓こちらは過去のDX関連書籍のまとめ


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