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『俺捨て山』まとめ

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まとめです。
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『俺捨て山』  あとがき  切り売りの限界

九年前、一応は純文学としてこれを書いてました。よくもまあ汚く吐き散らした作品だなぁ、と思…

『俺捨て山』  7/7(終)

7(最終話)  晴れた冬の日、近所の工具店まで行って、店の奥で立ち止まった。モーターの部…

『俺捨て山』  6/7

6  検査などを全て終え、男連中は一階に、女連中は二階にと分かれて病室をあてがわれた。四…

『俺捨て山』  5/7

5  カネがなくなっていく。働かないぶんその減り方は早い。僅かばかりの預金が底をついたと…

『俺捨て山』  4/7

4  カプセルの青い部分ともう片側の白い部分をつまみ、真ん中の合わせ目から開けてみた。サ…

『俺捨て山』  3/7

3  カートリッジを見ていても、それがどんな内容のゲームだったかは思い出せなかった。相当…

『俺捨て山』  2/7

2  ビー玉を眺めることをやめて我に返る。脳をハードとし小物をソフトとして記憶を起動させるわけだが、いまのは質がよくない。思い出せないことが目立つのだ。しかし工場をぶち壊した記憶は、いま実際にそれをやっているかのように沸き返った。  明るい日差しが部屋に入る。腹時計で午前十時頃だ。  障子を開けて縁側に出た。収穫を待つ稲がさざ波めいて見える。新米が楽しみだ。親しくしている地元の人が売ってくれる。  青空をしばらく仰ぐ。鷹が悠然と飛んでいる。大きな翼を動かさず、グライダーと同

『俺捨て山』  1/7

1  かすみが漂う景色を見ていれば、早く目覚めてしまった朝でも退屈することはない。家の縁…