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1日1分歴史小話(無料メルマガ)

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不定期で歴史に関する小話を配信しています。スマホからでもパソコンからでもお気軽にお読み頂けます。過去分も是非ご覧ください。
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2017年2月の記事一覧

#0022【北条政子(日本、12C後半-13C初)】

こんばんは! 1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。 今週末3月3日は桃の節句ですので、女性特集をお送りします。まずは鎌倉幕府を設立した源頼朝の妻、北条政子です。 彼女は伊豆の豪族であった北条時政の娘に生まれます。政子自身の話に入る前に源頼朝について触れておきます。 彼らが生きた時代は、平家と源氏が覇権争いをしていました。 平清盛が1159年平治の乱に勝利し、敗れた源氏の本流は壊滅します。源氏の大将であった源義朝は部下に裏切られて殺され、その息子であった源頼朝

#0021【李白・杜甫(中国、8世紀)】

こんばんは! 1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。 詩人特集最後は、中国唐の時代から李白(りはく、701年~762年)と杜甫(とほ、712年~770年)のお二人に登場してもらいます。 この二人は漢詩の世界で最高の評価をされており、李白が「詩仙」と称され、杜甫は「詩聖」と呼ばれています。 まず、漢詩の形式について簡単に紹介します。 日本でも万葉集などの初期の時代は詩の形式が定まっていませんでしたが、徐々に五・七・五・七・七の和歌や五・七・五の俳句といった形式が

#0020【ホメロス(ギリシャ、BC8世紀頃)】

こんばんは! 1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。 詩人特集の二回目は古代ギリシアからホメロスの登場です。 いきなりで恐縮ですが、このホメロスは実在が疑われています。 ホメロスの実在性や彼の人柄・来歴については専門の学者さんにお願いし、ここでは彼の作品として伝えられている「イリアス」と「オデュッセイア」を取り上げます。 この二つの叙事詩は、紀元前12世紀から紀元前10世紀の間に古代ギリシアとアナトリア半島(現トルコ)にあった都市トロイの間で起きたトロイア戦争

#0019【松尾芭蕉(日本、17世紀後半)】

こんばんは! 1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。 今日は俳聖、松尾芭蕉(1644年10月~1694年11月)を取り上げます。 松尾芭蕉は、それまで和歌(五・七・五・七・七)の一部を切り出して諧謔的(サラリーマン川柳みたいなイメージ)なものが多かった俳句(五・七・五)を芸術として高めた江戸時代の人です。 元々は伊賀(三重県)の人でしたが、江戸に出てきて俳句の先生をしていました。 その後、一念発起して奥州(東北地方)への旅に出て、その先々で有名な俳句を残してい

#0018【スレイマン一世(トルコ、16世紀前半)】

こんばんは! 1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。 イスラム偉人特集の最後はスレイマン一世に登場してもらいます。 スレイマン一世(1494年~1566年)は、オスマン・トルコの最盛期を現出した君主です。彼は26歳で即位すると、以降46年の長きにわたって君臨します。 オスマン・トルコが達成した最大領域を現在の国家名・地名で表すと以下のとおりになります。 トルコ・ギリシャ・ハンガリー・中東・アラビア半島・エジプト~モロッコに至る地中海沿岸の北アフリカ・キプロス島

#0017【サラディン(中東、12世紀後半)】

こんばんは! 1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。 イスラム偉人特集第二回の今日は、サラディン(1138年~1193年)を取り上げます。 サラディンは、アイユーブ朝の君主で現在のシリア・エジプトを中心に勢力を張りました。彼は、西欧のキリスト教国による十字軍活動への抵抗者・解放者として名高い武人です。 彼はとても寛容な人柄であり、敵側である十字軍からも尊敬を集めていた高潔な人物でした。 簡単に十字軍活動について説明します。 発端は、イスラム勢力に圧迫されたビ

#0016【マンスール(中東、8世紀中盤)】

こんばんは! 1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。 今週はイスラム偉人特集です。  月:マンスール(アッバース朝)  水:サラディン(アイユーブ朝)  金:スレイマン一世(オスマン・トルコ) マンスールの説明に入る前に簡単にイスラム教の歴史について説明します。 まずイスラム教は610年に神の言葉を天使から受け取ったムハンマドによって布教が開始され、幾多の迫害を乗り越えて632年のムハンマドの死までの間にアラビア半島全域に勢力を張ることになります。 彼の

#0015【イスラム教 基礎・入門編】

こんばんは! 1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。 今週最後は、イスラム教についてご紹介します。 日本は、イスラム教徒が少ないということもあり、イスラム教についての理解が深まらない土壌にありますが、このメルマガが少しでも理解を進めるための一助になれば幸いです。 イスラム教の特徴を端的に述べると、「合理的」という点にあると思います。もちろん、他の一神教の宗教と比べればということです。神は存在するという前提でお読みください。 水曜日にご紹介したキリスト教の「三位

#0014【キリスト教 基礎・入門編】

こんばんは! 1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。 世界三大宗教、今日はキリスト教です。 キリスト教もクリスマスをはじめ、日本でもお馴染みの宗教になっています。ただ、その教え自体となると、なかなか触れたことのない人も多いと思います。 キリスト教の最大の教義は、 「唯一絶対神=神の子イエス=精霊」の三位一体説です。 キリスト教の中でも色々な説はありますが、この三位一体説が一番ベーシックなものです。 イエス・キリストが神様と同じであると、キリスト教は主張して

#0013【仏教 基礎・入門編】

こんばんは! 1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。 今週は世界三大宗教である仏教・キリスト教・イスラム教を取り上げます。 今週の説明においては、私の自己流の解釈が入ります。もちろん、異説・異論はたくさんありますので、あくまでも「用語」解説や各宗教を考える上でのヒントになれば幸いです。 最初は「仏教」を取り上げます。 日本にはたくさんお寺もありますし、お葬式は仏式でやる家も多く、日本において馴染み深い宗教といえます。 しかし現在日本で信仰されている多くの仏教

#0012【フーシェ(フランス、18C末-19C初)】

こんばんは! 1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。 今週は、歴史上の人物に学ぶ処世術を紹介しています。 フランス革命期(1789年から約30年間)に警務大臣として辣腕を振るったジョゼフ・フーシェ(1759年5月~1820年12月)から学びましょう。 読者から、「誰それ?」という声が聞こえてきそうです。ご容赦ください。 さて、この人は「サン・クルーの風見鶏」と言われる世渡りに長けた人でした。風が吹けばなびく風見鶏のように、その時の強者に味方するということから名

#0011【范蠡(中国、BC5世紀前半)】

こんばんは! 1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。 早いもので今日から2月ですね。今週は、歴史上の人物に学ぶ処世術を紹介しています。今回は古代中国の武将・政治家の范蠡(はんれい)から学びます。 范蠡は、中国南方の越(えつ)という国の人でした。 彼は四字熟語の「呉越同舟」「臥薪嘗胆」のエピソードに関わり深い人です。 当時、中国は春秋時代という時代で、多くの国に分かれて争っていました。特に呉(ご)の国と越の国は国境を接しており、とても仲が悪かったのです。 ここ