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1日1分歴史小話(無料メルマガ)

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2017年8月の記事一覧

#0101【吉田松陰(日本、19C前半)】

1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。 今回は吉田松陰を取り上げます。 松下村塾の主宰者として、幕末から明治維新にかけて活躍した人物を育てたことで有名です。(最初の総理大臣伊藤博文など。) 彼は1830年に長州藩(山口県)に生まれます。 幼少期から成績優秀で名前を馳せて11歳で藩主へ御前講義を行い、19歳で藩校師範(大学教授相当か)になりました。 松陰の専門は日本流軍学や中国古典兵法です。しかしアヘン戦争で中国が西欧列強に敗れたことを知ると、西洋式の兵学を学ぶ

#0100【一人、学問の荒野を行く(頼山陽)】

『りーとんの歴史小話』編集長のりーとんです。 記念すべきNo.100は、幕末に大きな影響を与えた「頼山陽(らいさんよう)」を取り上げます。 頼山陽は、『日本外史』という日本の通史を書いた人物です。 これが幕末に大ベストセラーとなり、日本史ブームを引き起こしました。 頼山陽は、1780年に民間の儒学者だった父のもと大坂で生まれます。 その後、父の仕官に伴い広島藩で育ちました。彼自身も儒学を学び、漢詩の名手として名前を馳せていきます。広島だけでなく、江戸で勉学に励む機会が

#0099【古代エジプト最後の輝き(古代エジプト)】

1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。 ヒクソスに占拠されて約150年が経過したBC1580年頃、古代エジプト人はヒクソスを追放して独立を勝ち取りました。古代エジプト第18王朝のアフメス1世によるものです。 アフメス1世はヒクソスの強みであった戦車隊を真似てエジプト軍を強化し、テーベ市の神であるアモン神のもとに民衆を結集させました。 ヒクソスの追放に成功したものの、アモン神の権威がファラオよりも高くなり、神官がファラオより権威を持つ事態となります。 第18王朝

#0098【ピラミッドとヒクソスの侵入(古代エジプト)】

1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。 ナイル川流域を制圧し、強大な中央集権国家を築きあげたエジプトの王様は「ファラオ」と呼ばれるようになります。 時代・王朝によって権威の強弱はあるものの、神の化身と位置付けられます。 初期のファラオたちは、この力の象徴として自身の墓を巨大なものとしました。 「ピラミッド」です。 今もカイロ近郊のギゼーに残る三大ピラミッドは第4王朝のクフ王、カフラー王、メンカウラー王の墓として造成され、現在もその威容を誇っています。 どのよ

#0097【エジプトはナイルの賜物(古代エジプト)】

1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。 今週は古代エジプトを特集します。 古代エジプト文明はナイル川のデルタ地帯を中心に発展していきます。 No.73‐75でご紹介したメソポタミア文明はティグリス・ユーフラテス川の流域を中心に発展しました。 どちらも川の氾濫で運ばれてきた農業に適した土(沃土:よくど)によって農耕が発達します。 ナイル川はティグリス・ユーフラテス川と違って、上流地域での大雨によって定期的に氾濫が起きていました。この定期的な氾濫の時期が太陽との関

#0096【英3C政策と独3B政策(英独対立、19C末-20C初)】

1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。 No.95では第一次世界大戦前夜の仏独の対立を見ましたが、今回は英独の対立を確認します。 イギリスはアフリカ大陸においては、エジプトのカイロ(Cairo)と南アのケープタウン(Cape Town)を軸に大陸縦貫政策を目指します。 当時すでにインド全域はイギリスの植民地に組み込まれていました。インドの東部にあたるカルカッタ(Calcutta 現コルカタ)もイギリスの重要拠点でした。 インド貿易をさらに推進していくためにカイ

#0095【モロッコ事件(独仏対立、20世紀初)】

1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。 No.94の続きです。英仏の対立は緩和されましたが、新興勢力のドイツと新たな緊張関係が発生しました。 ドイツは長らく国内の統一が進みませんでした。 ドイツ民族の国家としては、プロイセン王国、バイエルン王国、オーストリア帝国さらに各都市国家に分裂した状態でした。 これをプロイセン王国の宰相ビスマルクが統一運動を進めていきます。 ビスマルクは1862年にプロイセンで宰相の地位につくと「鉄血政策」という富国強兵政策を進める一方、

#0094【ファショダ事件(英仏対立、19世紀後半)】

1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。 今週は第一次世界大戦前夜における欧州列強の対立を取り上げていきたいと思います。 まずは英仏対立の「ファショダ事件」を取り上げます。 ファショダは現南スーダンに位置する地名です。 19世紀末から西欧によるアフリカ大陸の探検が行われ、それとともに植民地化も進んでいきました。 中でもイギリスは1815年にアフリカ最南端にケープ植民地を獲得、1875年にはスエズ運河を領有し、1882年にエジプトを事実上の保護国と勢力を拡大して

#0093【平将門と天慶の乱(日本、10世紀中盤)】

1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。 京の中央政界を藤原氏が完全に牛耳るようになると、中級貴族や末端皇族たちは地方に活路を求めるようになります。 平安京を作った桓武天皇の曾孫に高望王という人物がいました。彼は臣籍降下して平高望(たいらのたかもち)となり、関東に赴任して土着します。この高望の孫として、平将門(まさかど)が出てきます。 高望は多くの子どもがおり、彼らは互いに関東での開墾事業に勤しみます。将門の父は早くに亡くなったため、その土地を兄弟(将門からみたら

#0092【菅原道真と昌泰の変(日本、9C末-10C初)】

1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。 887年に起きた阿衡の紛議で注目をあびた菅原道真は、845年に学者一家に生まれます。 幼少期から天才と称されて、18歳で文章生(もんじょうしょう:高等学問を学ぶ選抜生)となり、32歳で文章博士(もんじょうはかせ:大学教授)になりました。 32歳での文章博士就任はとても早いもので、後世において「学問の神様」となる由縁となります。 学者としては順調に出世しますが、菅原氏は貴族としては中級クラスであったため、中央での出世は望め

#0091【宇多天皇と阿衡の紛議(日本、9世紀後半)】

1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。 今週は月初の日本通史シリーズです。 【0078:承和の変と応天門の変】からの続きです。 866年に起きた応天門の変を経て、藤原良房が正式に摂政に就任します。その地位は872年に養子の藤原基経へと継承されました。 884年に基経らは、奇行が多く行状が定まらなかった陽成天皇の皇位を廃します。当時陽成天皇は17歳でした。その後、55歳の光孝天皇が即位します。陽成天皇の曽祖父にあたる仁明天皇の息子です。 光孝天皇は、まさか自分が皇

#0090【マゼラン(スペイン、16世紀前半)】

1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。 今週の大航海時代特集の最後は、マゼランで締め括ります。 マゼランは1480年にポルトガルで誕生します。青年期には1492年コロンブスのアメリカ到達や1499年ヴァスコ・ダ・ガマのアフリカ西岸南下によるインド到達など、大航海時代初期の偉業を目の当たりにしながら成長します。 1505年、25歳のときにインド洋の覇権確立のために派遣されたポルトガル艦隊に乗り込みました。これが初航海となります。 その後、東アフリカを中心に勤務をし

#0089【コロンブス(スペイン、15C末‐16C初)】

1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。 大航海時代特集、第二弾はコロンブスです。 新世界アメリカの発見者として有名なコロンブスは1451年にイタリアのジェノバに生まれたと伝えられています。 小さな頃から航海者になりたいと思って育ち、航海術などの学問を習得していきます。その中でマルコ・ポーロの東方見聞録を読んで、アジアへの憧れが募ります。 1477年頃にポルトガルに移ったコロンブスは航海士、地図製作者として一定の成功を収めます。地球が球体であることを知り、西廻りに