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昭和をつぶやく〜記憶の中のファッション史①

NHK朝ドラカム「カムエブリバディ」が放映中である。前作と比べて、テーマがはっきりわかりやすく(私にとっては、だけど)共感できる部分も多く(私にとっては、だけど)画面から伝わってくる暖かさがなんとも心地よく()、毎日楽しみにしている。

今1965年から1976年の時代をやっている。ちょうど私が子供だった頃の時代だ。なんか良いことも悪いこともごちゃ混ぜにいろんなことがフラッシュバックされて、嬉しいようなこそばゆいような切ないような、なんとも言えない気持ちになる。

そしてやっぱり目が行くのは当時のファッションやインテリアや小物。レトロ感満載である。若者にとっては目新しいものへの楽しさ、私ら年寄りにとっては懐かしさがつのる。

先日、3代目の主人公、ひなたちゃんが着ている吊りスカートが話題になっていた。あの国民的アイドルちびまる子ちゃんのスカートにそっくり、ということで。ちょうど時代が同じ頃だったんだね。

私も吊りスカートを履いた記憶がある。写真なんかで確認すると、2歳くらいから小学校半ばくらいまで履いていたことになる。高学年になると図体もでかくなりおしゃれにも目覚めたせいか、皆あまり履いていなかったような記憶がある。

私たちが履いていた吊りスカートは、テレビのひなたちゃんのとは少し違う。もっとなんかこう、硬い感じというか。肩紐はもっと細くて端っこにボタンホールがあり、ベルトのボタンを掛け替えると長さが調節できる。ウエストのベルトもしっかりしていて、ギャザーよりもプリーツやボックスが多かった。肩紐は背中でバッテンしてる子も多かった。その方がずり落ちないのよね。今でもなんか着心地を思い出せる気がする。

男子たちは100%半ズボン。冬に長ズボンの子もいたけど、基本みんな短い半ズボンだった。カムカムエブリバディではきちんと再現されているけど、あれは作品用に仕立てたんだろうか?それとも、その時代用の衣装としていてストックがあるんだろうか?

父、ジョーのファッションも懐かしいヒッピー風。あんな人いたなあ。でも、私は田舎の山を切り開いた新興住宅地に住んでいたので、あんなファッションの人を直に見ることはあまりなかったのかもしれない。たまに都会に行ったときやテレビや雑誌で見て憧れていた気がする。胸に星のマークのTシャツがめっちゃ流行ったけど、なんでだろ?知ってる人いたら教えてほしい。ラブアンドピースも流行ったね。チューリップハットはみんな被ってたな。

今日は「およげ!たいやきくん」の子門真人風の人も登場。今、あれは何年だったのか調べたら、1975年だった。というと、当時私がぞっこんだった伝説のバンド「キャロル」が解散しちゃった頃である。それに伴って出版された本、「キャロル」をレコードを聴きながらバイブルのように毎日読んでいた頃である。

その年仕方なく(本当にごめんなさい)なんか似たようなバンド「ダウンタウンブギウギバンド(本当にごめんなさい)」のコンサート(”ライブ”なんて言い方はその頃はなかったよ)に行ったんだが、その時カルチャーショックを受けた。

私は小学校の頃からデニムが大好きで(当時は”ジーンズ”という新しい言い方に皆ちょっと酔っていた。しかも小学生で着てる子なんてまだあまりいなかった)、ずっとジョーが履いているようなベルボトムを履いていた(え?ベルボトム知らない?今でいうブーツカットかな)。で、意気揚々とコンサートにも履いて行ったら、世間のちょっとおしゃれというかロックバンドを聴きに行くようなお姉さんたちというかそんな人たちは、あんなバサバサしたのなんて履いちゃいなかった。みんなスリムジーンズだったのだ!もちろん、バリバリのファンの人たちは白のツナギだったけど。

ああ、もうこんなダサいの履いちゃいられねえ!
すぐさま私はおねだりしてスリムジーンズを買ってもらった。今でも覚えている、グリーンのカラージーンズだった。まさか何周も回ってまたあのすそがバサバサしたジーパンを履くことになろうとは夢にも思わなかったあの頃。今はいったい何が一番新しいのかよくわかんないや。

キャロルやダウンタウンブギウギバンドなんて言ってた割に、当時私はVANをよく着てたのだ。母がトラッドが好きだったからその影響。”トラッド”ももう通じなくなっちゃってて寂しいったらない。石津健介氏をとり上げた番組を先日たまたま見たときは見入ってしまった。ファッションって奥が深い。

吊りスカートの思い出からスリムジーンズまで、かなり年月が経ってる気がするけど、たかだか5、6年である。子供の成長は早い。その間には吊りスカートやVANやジーパンだけじゃない、母の手作りの洋服の思い出や家庭科で作った洋服の思い出やなんかいっぱい思い出が詰まってるぞ。その後ももちろんファッションについての思い出は山のよう。

人それぞれの思い出の中にファッション史ってあるんだろう。そこには着ていたものの記憶ってだけじゃなく、それにまつわる自分の気持ちや体験、家族や友人や社会への思い、色々詰まってて、面白いったらありゃしない。これを機会に書いていきたい。


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