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短歌:歯車

 九月のなかごろ、無印良品でウィークリーノートを衝動買いした。なぜ私はこのノートを買ったのか…。考えた後、そういえば短歌を書きたかったのだと思い出した。
 というわけで、九月の下旬より、日記感覚で『一日一短歌』を始めたのである。まずは一ヶ月。もし続いたら、お気に入りの短歌をnoteにも投稿してみよう。
 そして無事に、一ヶ月以上経った今も継続できている。
 今回は個人的に気に入っている三首を投稿します。



目の端に あやしく光る歯車が
席を譲らぬ 私の理由

 基本的に青春の味方でありたいと思っているので、『電車で私の隣の席が空いており、前に高校生ふたり組が立っている』状況では席を譲るようにしている。
 しかし、その日は閃輝暗点(視野にギザギザした光が現れる現象。頭痛の前兆だったりする)の症状が。このあと頭が痛くなるのがわかったいるなか、席を立つことは出来なかった。
 芥川龍之介の『歯車』も閃輝暗点だとか。



朝靄に 乱反射する オレンジの朝日
いつかは脱する景色

 今くらいの時期、家を出ると朝日が綺麗なオレンジ色だったりする。毎朝同じ時間に家を出るからこそ感じられる景色の変化。
 でも、もしも理想の働き方にシフトできたら…。いつか夢が叶ったら、見なくなる景色かもしれない。



空いた車内 かくんとゆれる 青年の
赤シート拾う 明日は金曜

 木曜日に書いたもの。
 ガラガラの電車のなか、近くに座る高校生は参考書を開いたまま眠っている。かくんと揺れて、彼の手から赤シートがするりと抜け、私の前に。まだ眠そうな彼に手渡しつつ、心のなかでひっそりとエールを送った。




 一ヶ月続けたってだけで、短歌についてはまったくの素人です。勉強もしたいけど、まずは楽しもうかなと。今後も不定期で投稿すると思います。



衝動買いしたノート





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