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菜虫化蝶‥なむしちょうとなる

『菜虫化蝶‥なむしちょうとなる』

         3月15日から20日頃


ひらひらひらひらと春を舞う
モンシロチョウ

楽しそうに嬉しそうに
そして気まぐれに‥。

モンシロチョウにゆっくり近づくと
ふわりと逃げてしまい
見つけた!とまた近づいても‥
またふわりひらひら。

そんなモンシロチョウとの追いかけっこは
楽しいひとときだったりします。

そしてあー春だなぁと
感じる瞬間でもあります。


モンシロチョウは
3月から11月頃まで生息しているので
実際は春だけではないのですが
わたしの中では
春になると逢える‥。
そんな存在だったりするのです。


『菜虫化蝶‥なむしちょうとなる』
この時期は厳しい寒さを越えたサナギが蝶に羽化する頃

長い冬を越えたわたしたちにも
ようやく待ち望んだ春の到来です。



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三月といえば‥お別れ
卒業式シーズンですね。


2020年3月‥。わたしの母校の小学校が生徒数の減少で廃校になりました。


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37年前、生徒数の増加によりある小学校から独立し開校した小学校だったのですが

団地の多い町だったせいか当時わたしが通っていた頃も転校していく友達がとても多く何度も悲しいお別れがありました。

卒業式の時には同級生の人数は、入学の時の半分ほどになっていました。


今、そんな風に生徒数の減少や校舎の老朽などにより使用されなくなった学校が全国的に増えているようです。

しかしそれらは、例えば‥地域のコミュニケーションの場であったり、美術館、道の駅、もの作りの体験場所になっていたり宿泊も兼ねた研修の場として使われたりと‥

「小学校」としての役目を終えた後もリノベーションされ新たな交流の場として生まれ変わり地域に根付き生きている。

とても素敵なことですよね。


今回記事を書くにあたり調べていくなかで、そんな魅力的な場所がたくさんありました。

いつか訪れてみたいな。そしてわたしの母校にも新たな光が当たればいいな‥と

微かな希望を抱くほどに。



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母校で過ごした小学生だった頃の記憶は強く
今でも時折ふとした瞬間に断片的に甦って来るのですが
でもなぜか思い出すのはいつも
学校内ではなく放課後の時間。


缶けりした公園や
木登りした空き地

秘密基地を作った小さな倉庫
ローラースケートで滑った
長い長い渡り廊下‥。

手にマメがたくさんできるほど夢中になったうんていや、滑り台から落ちて泣きながら歩いた帰り道‥。

高く高く漕いだブランコ。
友達と真っ暗になるまで遊んだ
あの頃のこと‥。



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突如、ふわりと現れる曖昧な記憶たちは懐かしさとほんの少しのもの悲しさを連れわたしの脳裏をかすめるのです。


それはなんだか心地よく‥
もっと記憶の向こうへ行きたくなるのですが‥また一瞬で現実へと連れ戻されてしまう。


記憶とは不思議なもので補正機能が働き、忘れたくない記憶は美化されていく‥。


でもそれでいいと思うのです。
思い出はやはり美しく
過ぎた日は戻らないからこそ
眩しく輝くのだから。

 


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淡々と繰り返し過ごす毎日は 
いつまでも続きそんな時間が
変わらずいつもそこにあるような‥
無限のような気がしてしまう。

でも決して無限ではなく

どんな人にも限りがあり‥そしていつしか終わりゆくもの。

そして二度と戻ってはこない。


今こうしている間にも
指の間をすり抜け
さらさらさらさら‥零れ落ちていく砂時計。


それならば
同じ時間‥精一杯生きたい。
ただ懸命に生きていたい。

いつもそんな風に思い毎日を過ごしているのです。



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読んでいただきありがとうございます




『菜虫化蝶‥なむしちょうとなる』

菜の花が一面に咲き羽化したモンシロチョウが飛びはじめる頃



           photographer‥あお

              writer‥るん


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