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初めて、無料の「オンライン保険相談」を利用してみました。

 毎年、暮れに声の大きい人が現れて、すごくお辞儀をしてくれて、それで火災保険の更新を続けてきた。それは、義母が生きていた頃からの習慣のようなもので、そのうちに、その人が引退する、ということだったのだけど、その紹介で、抵抗なく更新を続けてきた。

 ただ、新しく契約を結んだ代理店の人とは一度も会ったことがなく、時々、問い合わせのために電話をすると、かみ合わないことが多かった。

 ある時は、私の質問に対して、おそらくは、同じ部屋にいる男性が後方で大きい声で話していることを、電話に出てくれている女性が復唱するように繰り返していた時もあって、なんだか嫌な気持ちにもなった。
 

 だけど、契約を変更する手間を考えたら、何もできないまま時間が過ぎた。

 この前も築年数のことで電話をして、こちらの聞いたことに、「まだわかりません」を繰り返した。相手はプロなので、「大体の目安だけでもわかりませんか?」と言っても、突き放すように、「わかりません」を言うだけで、不信感が高まった。

 だから、今回は、他のところで、相談だけでもしようと思った。

 もしかしたら、同じ条件で、もう少し安い保険料の会社があるのかもしれない、という気持ちに初めてなった。

保険相談

 そんなふうに思った時に、保険の相談をしている窓口を思い出した。

 その名前は、どこかで聞いたと思ったのだけど、検索したらすぐに出てきて、近くの窓口を探した。そうしたら、電車に乗って10分くらいで着く街にあった。地図を見たら駅前の商店街で、それだけを少し覚えていた。

 だけど、また感染が拡大してきたので、やっぱり気持ちが遠くなっていたが、さらに日数が経ったときに、契約更新の時期が迫ってきて、ちょっとした焦りが出てきて、一度見ていた、その保険の相談の窓口を検索する。

 その中に、オンライン相談を発見し、ちょっと気持ちが盛り上がって、だけど、その日はそのままそのページを閉じた。

 さらに数日後、これ以上迷っても仕方がないので、来週にはオンラインを申し込んでみると決めて、またサイトを開く。

 オンラインの予約票を見たら、意外と空いている。○印が並んでいて、当日の午後でも空いていて、だけど、今日は予定があるから、妻とも相談をして、翌日にした。

 私が知っているオンラインのミーティングは「ズーム」しかないのだけど、どうなるのかと思ったら、しばらく経ったら、電話がかかってきた。

 それは、予約の確認と、どんな相談なのか、ということ、さらには、相談の形式がスマホかパソコンと、同時に電話も利用する、ということを知った。そのシステムは初めてだった。 

オンライン相談

 当日は、午後2時30分に予約だったが、午前中から微妙に緊張していた。

 コンピュータの画面を見ていて、時間になった、かかってこないと思っていたら、急に電話が鳴った。

 最初、ちょっと音がエコーしていたのだけど、それを伝えたら修正をしてくれた。

 それから、電話で、オンラインのシステムのことを伝えてくれる。

 この「ベルフェイス」というサービスをこれまで全く知らなかった。これがオンラインの営業システムということも聞いたことがなく、だから、「この名前で検索してください」と言われながらも、その固有名詞がわかるまで何度も聞き直してしまった。

 そのシステムを使うと、画面に番号が表示され、その番号を伝えると、相手の方の姿が画面に映る。自分もそのまま画像が出るか、出さないか、背景をバーチャルにするかを選択するのだけど、迷って、バーチャルにした。

契約内容

 それから、電話で話をしながら、こちらの現在の契約条件を伝えると、画面で数字が出てきて、さらには住宅が古いことで、契約できる会社もかなり限られていることも分かり、そして、金額が出た。

 他社と比較すると、実は、今の契約している会社の方が安いことがわかった。

 ただ話をしていて、1年契約と5年契約は金額が変わってくることも、初めて知ったし、これまで言われるがままに1年契約を更新し続けてきたことを思い出し、そういえば、選択肢を提示されることもなかった。

 そういうことをいろいろと考えると、やっぱり、ここまでの代理店に対しての不信感が再び膨らんだ。

 だから、契約年数の変更などを相談してみて、そこで、ゴタゴタしたりしたら、同じ会社でも、他の代理店で契約を結べるかどうかも、オンライン相談で確認したら、可能なようだった。

 そういう選択肢があることも、これまで知らなかった。

 最後に、この相談で、「この後、手続きなど、何もしなくても大丈夫ですか?」と質問や、先方が、「もし、契約を別の代理店で結ぶときは、また連絡をください」といった話になって、相談は終了した。

 もっと早く終わるのかと思ったけれど、だいたい30分。

 代理店についての不信も聞いてもらって、ありがたかったことも伝えた。

 少しホッとしたのだけど、また、あの代理店に電話をするかと思うと、気持ちが重かった。

代理店

 さらに、相談の翌日は、午前中から、代理店に電話をしないと、と気になっていて、だけど、どうして保険に入っている客として電話をするのに、こんなに気持ちが重いのだろうと思うのだけど、あの妙なリズムの対応が憂うつだったからだ。

 だけど、本当に表立って怒れるほどの失礼さでもなく、でも、いつも話すとモヤモヤする。オンラインで話をして、こんなにスムーズに普通に話せることが分かってしまったので、本当はもう契約も別の代理店にしたいのだけど、その変更自体も面倒臭いし、もしも変えたとしても、もっと慇懃無礼のような気配のところだったら、苦痛が増えるだけだと想像すると、やっぱり嫌になる。

 保険業界に限らず、こうして電話などで話すだけでも、こんなに気持ちに微妙にダメージを受けるなんて、本当に自分自身が情けないようにも思うのだけど、どうして、接客の時に、もう少しでも普通の対応をしてくれないのだろう。保険のプロとして、こちらの質問に的確に答えてくれないのだろう。

 それだけをしてくれるのであれば、それで十分なのに、などと思うと、ちょっと悲しくもなる。

電話

 午後2時過ぎに、電話をする。

 契約書に書いてあるところに名前もあるので、その方の名前を出すと、失礼ですが、と言われる。その言い方に、すでに微妙な攻撃性があって、警戒心が露骨に伝わってきて、だけど、こちらの名前を言ったら、一応は伝わる。

 そこで、契約変更で、5年契約の毎月払いのことを言ったら、その保険ではできません、と言われる。これだけ断言されるのは初めてかもしれない。思わず、本当ですか?と聞いたら、一括払いだけはあります、と言われ、予定と違うので、ちょっと混乱する。

 ここの代理店の人に、そういえば会ったこともない。

 前の人に紹介され、言われるがまま契約を続けてきた。それは、こちらも悪いけど、相手も全面的に正しいとは思えない。

 わかりました。ちょっと考えます。

 そう言って、電話を切った。

 これだけで、ちょっと疲れた。話をしていて、こちらのことを考えてくれている、と感じたこともなかった。それが本当に気のせいなのだろうか。

 電話を切って、妻と少し相談をした。

 もし、その5年契約が不可能、ということが間違った情報だったら、他の代理店に頼もう。本当だったら、更新をしよう、と決めた。

確認

 まず、その保険会社の相談フリーダイヤルに電話をしたら、契約のことは、代理店に直接、お願いします、と機械の声で言われた。

 他の保険会社では、そうでない会社もあるのに、と思う。

 確認のしようがない。と思ったが、昨日、オンラインで相談をした窓口の人が、教えてくれたフリーダイヤルの番号をメモをしていたので、そこに電話をしてみようと思う。

 電話をして、昨日、教えてもらった名前を伝えたら、本人だった。
 
偶然なのか、一度でも相談を利用した人間は、最初に担当してもらった人につながるようなシステムになっているのかは定かではないけれど、でも、ちょっと安心した。

 どうやら、今の保険の契約では1年ごとの月払いしかできないのは本当のようだった。その限定があるから、そういえば、比較した会社よりも安かった。他にも、少しだけ気になることを聞いたら、明確に分かることと、ある程度のあいまいさがあることを分けて、話をしてくれた。

 こういう会話が普通にできれば、今の代理店にも、何の文句もないのに、と思った。

 今回も、そちらの利益につながらず、すみませんでした。でも、教えてもらったので、安心しました。ありがとうございました。

 そんなことを伝え、電話を切った。

現状維持

 その後に、最初にかけた、今の契約をしている代理店に電話をする。名前を告げて、このまま更新をすることを伝え、その上で、更新手続きが必要かどうかを聞いたら、そのままで大丈夫です、と答えてくれた。よろしくお願いします、とも伝えた。

 このやりとりは、相手の微妙な緊張が伝わってきたけれど、ここ何年かでも、初めて、ごく普通のリズムで会話ができた。

 電話を切った。

 結局、何も変わらない。この何日か、ドタバタして、現状維持だということに、余計に疲れる。

 妻にも、何もできずに申し訳ない、といったことを言ったら、「そんなことないよ。これからも生きていくために、いろいろとしてくれたよ」。そんなありがたいことを言ってくれた。

 それだけで、うれしかった。

 ただ、1年契約の繰り返しで、今度、契約などのことで、嫌なことがあったら、その時は違う代理店にしよう。その時は、今回、相談にのってくれた窓口に連絡をしよう。そんなことだけは思った。

 何も変わらなかったけれど、違う選択肢の可能性だけは、わかったから、少しは収穫だったのかもしれない。自分がどれだけ無知だったのかも、わかった。

 知らないままだと、相手の言いなりになるしかないことも、改めて知った。




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