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夜空は僕らの歌が好きらしい‗青春恋愛友情長編小説

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中学時代主人公の通う学園に不良の女の子がやってきた。級長の主人公はその子が教室に溶け込むように働きかける。やがては音楽を通じてその子と仲良くなるも、その子はまた転校、離れ離れにな… もっと読む
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記事一覧

第49話  エピローグ

 音楽祭の一週間後に売り出された週刊誌に、諸星の事がスクープという形で露出した。音楽活動…

燈夜(燈耶)
2週間前
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第48話 五章 七月九日 土曜日

 音楽祭は予定通り進んでいた。学内外から見えた客足も上々といえた。もうじき、俺達の前のバ…

燈夜(燈耶)
2週間前
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第47話  五章 七月八日 金曜日

 リハーサルの持ち時間は既に半ばを割り込んでいた。 「朔耶っち来たよ!?」  予定時間は…

燈夜(燈耶)
2週間前

第46話  五章 七月六日 水曜日

 曲もかなり仕上がってきたと思う。既にかなりの完成度だ。学内一は間違いない。朔耶さえ失敗…

燈夜(燈耶)
2週間前
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第45話  五章 七月四日 月曜日

 悠人が神妙な面持ちで話しかけてきたのは、本番を数日後に控えた教室だった。 「なぁ、充彦…

燈夜(燈耶)
2週間前

第44話 五章 五月十八日 水曜日

 今日も今日で練習だった。絶え間ない練習の日々こそ実力を高める方法だから。 「サクヤ、ド…

燈夜(燈耶)
2週間前
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第43話 五章 五月八日 日曜日

 混み合うバスセンター内。無意味に広く、絶え間なく人の往来があるこの場所でも、俺はアイツらを一目で見つける事が出来た。直ぐに判った。アイツらだ。嫌でも判る。ただでさえ目立つというのに、なにやら大声で言い合っているのだ。でも直ぐに近寄って声を掛けるのは、ちょっと……。 「へぇ、関心関心。なかなか似合ってるじゃないか、サクヤ。いつものボーイッシュなダメージジーンズにタンクトップはどうしたんだよ。まあ良いけど。今日は草色のカワイイ系で纏めてみました、って感じか? それ、今年の春の

第42話 五章 五月六日 金曜日

 その日、朝から織姫は真新しいスマホを手に手当たり次第に激写していた。その傍若無人を地で…

燈夜(燈耶)
2週間前
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第41話 五章 四月二十八日 木曜日

 レンタルスタジオでのいつもの音合わせが一段落したときだった。アイツがスマホを取り出し、…

燈夜(燈耶)
2週間前
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第40話  五章 四月二十日 水曜日

 俺と織姫の兄妹は、学校が終わると真っ直ぐにここに足を運んだ。約束があるのだ。馴染みの楽…

燈夜(燈耶)
2週間前

第39話 五章 四月十六日 土曜日

 思い立って行動した一週間後。俺宛に手紙が届いたんだ。俺もずいぶんな冒険者だと自分でも思…

燈夜(燈耶)
2週間前

第38話 五章 四月八日 金曜日 夜

 その晩、織姫を俺の自室に入れたことが、そもそもの間違いだったのかも知れない。 「お兄ち…

燈夜(燈耶)
2週間前
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第37話  四章 四月八日 金曜日

 雲一つ無い晴天だった。桜の花びらが舞い散る下で、朔耶と織姫が手を取り合って飛び跳ねてい…

燈夜(燈耶)
2週間前

第36話 四章  三月十四日 月曜日

 学年末試験を翌日に控えた教室で、その出来事は起こった。目の前のバカが事もあろうに、俺を巻き込もうとしているのだ。俺は幾度めかの溜息をついた。何度言っても聞く耳を持たないようで、俺の目の前で朔耶が深々と頭を下げている。それは額を教室の床に擦りつけんばかりだった。こ、この女……どうしてくれようか。 「朔耶、学年末試験の前なんだけど?」 「アークグリルでご飯食べよ?」  満面の笑みで俺を食事に誘うバカがいる。俺は冷たく突き放す。 「朔耶、明日はお前の苦手な数学があるんだけど