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思い浮かべるその姿、どういった輪郭をなぞる?

小説を読む時、登場人物の輪郭をどう形づくるだろうか。
思い浮かべる映像は2次元だろうか?3次元だろうか?それとも、それすらもあやふやに入り乱れているのだろうか?

挿絵や、表紙に主要人物の姿が描かれている場合は、必然とその姿形に引っ張られている気がする。アニメ化や映画化など映像化されている作品の場合、導入が映像作品であれば、それもやはり無意識に影響を受けている気がする。

目覚ましをかけていなかったため、本日は遅い目覚めとなった。
寝ている間に切れていたエアコン。扇風機は稼働していたものの、快適な温度とは言えず、夏を体感しながらの目覚めであった。
窓を開け空気の入れ替えをしつつ、外の日差しの強さと重い空気に本日は一歩も外に出ない決意を固めた私。

そこで、読めていなかった本を読むことにした。

『もういちどベートーヴェン』中山七里

中山七里先生の作品を知ったのは、友人の薦めがきっかけだった。確か一番最初に読んだのは『贖罪の奏鳴曲』、御子柴礼司シリーズの第一作目だったように思う。
面白い作品に出会うと、作者読みをしてしまう私は、その後まんまと中山七里先生の作品を一気読みしてしまった。

中山先生の作品は、振り幅が大きい。ミステリー小説なので人が死んだり事件は起きるのだが、それを感じさせない美しさがあるものもあれば、お昼休憩中に読んだことを後悔するようなエゲツない殺人現場の描写もある。
同じ人が書いたと思わせない多角的アプローチの仕方をしてくれるため、飽きがこない。

すっかり、中山先生作品のファンになった私は、それ以来ひたすら新作が出れば読み続けているのだが、ここ1年ほど、読めていない作品が溜まってしまっていた。

『もういちどベートーヴェン』、こちらの作品は岬洋介シリーズといわれるものになる。スピンオフ作品を入れるのであれば6冊目、入れなければ5冊目にあたる。

さて、ここで冒頭の問いかけに戻る。
「小説を読む時、登場人物の輪郭をどう形づくるだろうか。」
これである。

私は、多分2次元でイメージしていることが多いように思う。ファンタジーやSF作品も読むため、どうしても過去に触れたことのある漫画やアニメの影響が色濃く出てしまう。

死体についてもそうだ。実物は見たことはないが、漫画では見たことはある。猟奇的な殺人シーンなど尚更だ。
あと、素直に2次元イメージの方が現実味が少し薄れるので怖くなくて良い。私はビビリな癖にミステリー好きなため、極力現実世界とのボーダーラインを引きたいのだと思う。怖くない方が良い。

でね、この岬洋介さんなのだが、イケメンキャラとして設定されている。

小顔で痩身、だが引き締まった体つき。
碧色がかった鳶色の透き通った目に、整った顔立ちは甘いマスクであるものの、品の良さも兼ね備えており、毅然たるさまな聡明な青年。

いる?こんな素晴らしい人。

しかも司法試験にトップで合格したにも関わらず、音楽の道に進み、国内の名だたるコンクールを総なめにしている新進気鋭のピアニスト。

いる?こんな素晴らしい人。

思わず繰り返してしまった・・・・。
さぞや主人公の顔は能面でぼやけたまま話が進んでいくのだろうと覚悟していたのだが、私の中で無意識のうちに、だがしっかりと彼のイメージが輪郭を描いていたのだ。

そう、その姿というのは、コーエーより発売されている、女性向け恋愛趣味レーションゲーム、いわゆるネオロマ作品『金色のコルダ3』の榊大地である。
(変な先入観を与えないためにもイラストは載せないでおきますね)

岬洋介は、検事の息子でピアニスト。
榊大地は、医者の息子でヴィオラ奏者。
もちろん、両者ともモテる。面倒見も良い。物腰柔らか。

音楽的要素も加わり、私の中では本人も意図せず、この二人が結びついてしまったのだ。だから、今回の作品を読むときも15ページ目の岬洋介の登場とともに、榊大地が登場した。
この作品を読んでいる最中は、榊大地が岬洋介となる。
なんともややこしい・・・。ややこしいが、もはや定着してしまっているので引き離せない。

もう一度言う。
「岬洋介のイメージ、榊大地にしよう!はい、設定。ポチッとな」
なんてこと、私は決してしていない。

となると、小説を読みながら思い浮かべるあのイメージは、どのように形成されていくのだろうか?脳が、過去の経験や体験、見聞きした映像のストックから関連深いものを瞬時に引っ張ってきては組み合わせているのだろうか?

「読む」と言う行為に意識を集中させているはずなのに、水面下で脳は
「あれもってこーい、それじゃなーい、どこしまっておいたっけ?探せー!」
って、働いてくれているのだろうか?働く細胞みたいに。
やだ、それってめっちゃ影の功労者、頑張り屋さんじゃないか!!!
知らないところで頑張ってくれてありがとう、お疲れ様です。お陰で脳内が艶やかに色づいて、読書が楽しくて仕方ありません。

と、本を一冊読み終わると同時に、ふと浮かんでしまった疑問。
私以外の人間は、本を読むときのイメージはどうやって構築しているのだろうか?
人それぞれなのかな?
覗き見えない部分だからこそ、興味深く思ってしまった。

そして、作品に関する感想に触れるのを忘れてしまったが、いい加減長いので今日は終了。はぁ〜、いつも見切り発車だ。反省。

▼読んだ本はこちら

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