最近の記事

虹色に輝くマジカルミライへと!

 2015年、中学一年生だったわたしは不登校で、nanaに歌ってみたを投稿し、こえ部に台詞を投稿し、小説カキコに長編恋愛小説を投稿し、占ツクで夢小説を読み、電撃文庫・MF文庫を買い集め、スクフェスとデレステのHPが回復するまでの時間を寝て過ごしていた。(不登校でなければこなせないスケジュールだな……)SNSのアイコンはごちうさのチノで、bioは「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」。聴いていた音楽はアニソンかアーティストデビューした声優の楽曲か、ボカロの三択だった。

    • 【短編】四諦

       別れてくる!と涙ながらに言い残し、家を出たあやちゃんの現在位置を示すピンは、松戸の駅近くのホテルにある。「おい!」とだけLINEを送って、まあそれも違うか……と思い直して送信を取り消したが、やはりおい!と思う。思って、もう一度「おいおいおいおい!www」と打ち直して送信した。救いようのない馬鹿だ、さっきまであれほど泣いていたはずなのに、救いようのない馬鹿だ。  救いようのない馬鹿をまたしても救えなかったことを、わたしはいつも、新鮮に悲しむことができる。

      • 7月読んだ本

        Threads(公開はしていません)、なにをどう呟く(呟くとか言っていいのだろうか?)べきかわからず、7月の中旬あたりから完全に読書記録アプリとして使わせてもらっている。以下、それを全コピペする。 ◇「アイドル失格」 / 安部若菜 ◯文体がきれい。21歳の現役アイドルが書いたのか……と思うと、かなりすごくて眩しい。 ◯アイドルグループ “テトラ” のセンター・実々花とガチ恋オタク大学生・ケイタの関係を描いた作品。実々花の曖昧な感じ、キャラのなさ、空っぽ感、みたいなものが

        • 「怪物」のこと

           映画「怪物」は、ショタ×ショタのメリバ百合であった、というツイートを、書いては消し、書いては消し、書いて、下書きにしまった。 (以下、「怪物」に関するネタバレを含みます。) ◯関係性オタク・ショタコンからみる湊(麦野湊)と依里(星川依里)のこと ⬇️りかさん(わたしがむかし飛んだバイト先の先輩。クソオタク)とのLINE

        虹色に輝くマジカルミライへと!

          愛と死以外にも歌はあるのに、無敵かもしれない朝

          「愛と死以外にも歌はあるのに〜」 そうだね。 「でも愛と死がいちばんおもろい……」 そうかなあ。 「わたしとはるちゃんで、愛と死をやろう。」 ? ————————————

          愛と死以外にも歌はあるのに、無敵かもしれない朝

          【音声】性癖食わず嫌い王

          【音声】性癖食わず嫌い王

          【音声】性癖食わず嫌い王

          わたしを置いていくなし(2023/3/25)

          カラスがずっとここから動かなかった。骨太なカラスだなあ、と思ったので、わたしもこのカラスが動くまで1時間半ずっとベランダで見ていた。とくに面白いことはなかったけど、一方的に(当たり前だ)人生相談をするなどしていたので、飛び去ってしまったときには涙が出そうになるくらいこのカラスに心を許してしまっていて、己のリリカルな精神とその傷ましさに同情した。あと反省した。カラスと過ごした1時間半で、わたしは履修登録を終わらせるべきでした。 1時間半もわたしの話を聞いてくれてありがとう。

          わたしを置いていくなし(2023/3/25)

          アニメ「平家物語」のメモ

          2022年の冬アニメ「平家物語」について書く。 平家物語は叙事詩であるけれど、アニメ「平家物語」は抒情詩としての側面も描き出されている。ただ事実を述べる軍記物ではなく、ひとりひとりの心情や些細なできごとを掬い取り、平家が滅んでいくその時間のなかにあった、「いま」を鮮やかにに切り取っている。 監督の山田尚子さんがわたしは大好きで、脚本の吉田玲子さんも大好きで、音楽の牛尾健輔さんも大好きなので、とにかくぜんぶ良かった。 全体的なシリアスさはずっと感じつつ、絵の色合いや演出のあ

          アニメ「平家物語」のメモ

          二次元にいてくれてありがとう

          ・日記 ブラッシュアップライフの最終回が楽しみでした。あと1時間くらいあって暇だったので友だちに電話しました。 ふつうに話してたら、友だちが急に皿をドアに投げつけて割りはじめました。片付けるの面倒だろうなと思いました。 つぎに友だちは爪楊枝をぜんぶ床にぶちまけました。まじで片付けるの面倒なのに……と思いました。 流れるように友だちは家の中にあるあらゆる電池を抜きはじめました。 さいごに、フライパンの上で爪楊枝を燃やしていました。 「きょうは廊下で寝ます」と言い残し

          二次元にいてくれてありがとう

          咎人の雛先生の名作を読み解く

          咎人の雛先生が大好き。 咎人の雛先生、初期の名作である。空間を広く使い、独特の言語配置から構成されるこの句のスペクタクルは多くの読者に鮮烈な印象を残し、氏の名を広く轟かせる契機となった。 まず「梅の香」が春の穏やかな風を想起させる。ちいさな梅の花からただよう「梅の香」が春風にのせられて、小鼻をくすぐる。「触れられ」のくすぐったさ、焦ったさが、より「梅の香」を強く意識させ、小鼻を触れられた当人は春の到来を認識する。 ここから視線はおおきく動く。「西階段」「本議場前」「空」

          咎人の雛先生の名作を読み解く

          ホーリーモーニング

          ホーリーモーニング

          最果タヒ展

          高校のころ、かわいいなと思っていたダンス部の女の子は最果タヒのファンだった。最果タヒがきっかけになって、インスタのDMで少しだけ話せて嬉しかった。ぜんぜん仲良くなれなかったけど。

          最果タヒ展

          【音声】不眠すぎる (たすけて)

          【音声】不眠すぎる (たすけて)

          【音声】不眠すぎる (たすけて)

          【短編】 夏祭り

          あの子とお祭りに来た。 学生たちの取り留めのない声の束が、低く渦を巻く。色鮮やかな浴衣が照明の橙に優しく照らされている。この市でいちばん大きな夏祭りに中学のセーラー服で来ているのは、言うまでもなくわたしたちふたりだけだった。 「じゃーん、これが夏祭りだよ。いろんなお店があって、金魚とかスーパーボールとか、でっかい綿あめがあったりする」 長い間海外に住んでいて日本に戻ってきたばかりの彼女の手を引いて、ひととおり露店を見て回った。 彼女は目が足りないとばかりにしきりにきょろ

          【短編】 夏祭り

          宗教とテクノロジー(恵比寿映像祭2023)

          先日、恵比寿映像祭2023という催しに参加しました。 東京都写真美術館で2/19まで開催されているのでぜひ! 第15回目となる今回のテーマは「テクノロジー?」。 いまわたしたちが当たり前に観ている高精細な映像は、果たして未来でどのようなリアリティを発揮するのか。いま映像に活用されている技術は、たとえば100年後には、いったいどのような要素で映像に干渉しているのか。長い時が流れたとき、現代の「テクノロジー」は、思いがけない新たな印象を今後映像に付与していく可能性がある……!

          宗教とテクノロジー(恵比寿映像祭2023)

          【音声】思い出のマーニーあるある

          【音声】思い出のマーニーあるある

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