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【読書】銀河英雄伝説。


出会えてよかったと思える1冊!!

言わずも知れた名作『銀河英雄伝説』。思わずどハマリしてしまうこの作品を語らずにはいられません!

ただのSF作品かと思って読むと、絶対に度肝を抜かれます。実際私はそうでした。タイトルからは想像もできない壮大な人間の群像劇が繰り広げられるんですよね...まさにスペースオペラ

まだこの作品を知らない方に、ぜひその魅力を伝えたい。そう思ってこのコラムを書くことにしました。そして、もうすでにこの作品のとりこになっている方とその面白さを共有できればうれしいです。


『銀河英雄伝説』との出会い。

私がこの作品と出会ったのは、コロナの自粛直前。その少し前に知人からおすすめされて、近いうちに読んでみようと思っていました。そんな時に自粛期間に入り、家から出られない状況に。せっかくなので長編ものを、と、思い出したのがこの作品。本伝10冊+外伝5冊を購入して読み始めました。

文の出足しは...なんか読みづらい。なんだか重いぞ...このまま読み続けられるのか私?というのが最初の印象でした。

な・ん・で・す・が!

気づいたら一気読み。夜更かししてまで読む始末。笑 冒頭でも述べましたが、ただのSF作品だと思ってなめてかかると度肝を抜かれるんですよ...。それくらい面白くて、壮大さに圧倒される作品です。


『銀英伝』の魅力。

話の内容としては完全に空想の世界なんですが、登場人物たちにリアリティさがあるんです。「こういう人、自分の周りにもいる!」みたいな。なんなら、自分はどのキャラに近いかな?みたいなことを考えたりもして。登場キャラクターたちの人間味をじかに感じられるのがこの作品の一番の魅力だと思います。

もう一の魅力としては、宇宙空間で繰り広げられる戦略・戦術!戦いの場所は宇宙という広大な範囲ですが、基本的にはこれまでに地球上で起こった戦いを例に戦略・戦術が練られているんです(主には中国史が参考にされているようです)。それにあいまって人間の心理的攻防戦がおもしろい...面白い!

さらなる魅力としては、
まるですでに過去にあったかのような、かつ、近い未来に起こるんじゃないかと思わせられるような文章で書かれていること、です。
この文章だけみると「え、過去の話なの?未来の話なの?」と思うかもしれません。ストーリーとしては、確実に人間の未来図を描いています。でも文章一文一文は、ひとつの歴史として、もうすでにそういう歴史があったかのような言葉で記述されているんです。なので、小説を読んでいるのに歴史書を読んでいるかのような感覚になります。
登場人物たちの目線で書かれていないわけでもなく、それでいて、歴史を勉強している第3者の目線で話が進んでいきます。日本史でも世界史でもない、まさに「宇宙史」といったところです。
とにかく歴史が好き!という方は絶対にはまること間違いなしです。特に中国史あたりが好きな方はきっとドンピシャですよ。


最初の印象。

ここからは、あくまでも私個人の話なので、お手柔らかに願いたいのですが。笑

『銀河英雄伝説』というタイトルを初めて聞いたとき。
「銀河英雄伝説、って...名前からして中二感あるな...これって小中学生男子か、ピーターパンシンドロームの男が読むやつじゃん...?」と思っていました。SFも戦いものも、「男の子が読むもの」っていう謎の偏見がずっとありまして。本当に全く興味がなくて、人から勧められなければ自分から手に取ることはなかったと思います。
読み終えた今は、銀英伝を読む前の私に言ってあげたい。「なぜもっと早く読み始めなかった!!!」と。

おそらく私と同じように、SFや戦いものに興味のない方はたくさんいらっしゃると思うのですが、騙されたと思って一度この作品を手にしてみてほしいです。いい意味で絶対に期待を裏切ってくれること間違いなしなので...!男性だけでなく、女性でも楽しめる作品だと私は思っています。


銀英伝あるある。推しキャラ合戦!

銀英伝好きどうしで繰り広げられる会話として、あるあるなのが、

「お気に入りのキャラは誰か」

言わずもがな人気なのは、ヤン・ウェンリーやシェーンコップ、ミッターマイヤー、そのあたりだと思います。私もヤンの魅力にはやられっぱなしですね...正直ダントツで好きです。ええ。個人的にはヤンと同じ熱量で推すのがナイトハルト・ミュラーです。いぶし銀感がもうたまりません。
先程も触れたのですが、出てくるキャラが全員個性的なんで、それでいてその辺にいそうなキャラなんですよね。たまに常人を超越したキャラもいますが。笑 なので、どのキャラに対しても愛着がわいてくるんですよね...不思議。

登場するのはほとんどが男性です。数少ない女性キャラで出番が多いのは、アンネローゼ、ヒルダ、フレデリカ、キャゼルヌの奥様、ミッターマイヤーの奥様、カリン、といったところですかね。
これはもう完全に私個人の目線なんですが、この作品に登場する女性陣って、なんだか全員何かしらで不幸を経験してますよね...しかも結構重いんですよね。アンネローゼは少女のうちに自分の意志にそぐわず皇帝に差し出され、ヒルダもフレデリカも夫に先立たれ、ミッターマイヤーの奥様は子供に恵まれず...。なんで?と思うくらいどこかに悲しさが付きまとうんですよね。同じ女性としては幸せになってほしいなぁと思いながら応援する気持ちでした。
でも、そんな中でも彼女たちはそれぞれが逞しく生きていて。本当に逞しくて。心から尊敬できるくらい逞しいんです。ちょっとやそっとじゃくじけない、そんな彼女たちの姿を見て私はとても勇気づけられましたし、見習いたいなと感じました。
きっと女性がこの作品を読んだら、女性ならではの目線で共感したり、何かを感じ取ることもできると思います。女性の方でこの作品を読んだ方がいたら、ぜひ感想をお聞かせ願いたいものです。


最後のごり推し。

そんなこんなで、すっかり『銀河英雄伝説』のとりこになっている私です。
つい最近、アニメ版『銀河英雄伝説~ノイエ・テーゼ~』の続編が決まったみたいなのでそちらも楽しみです!アマゾンプライムでは石黒版アニメの配信もやっているみたいですよ!

長編もので、こんなにはまった作品は、『ハリー・ポッター』シリーズ以来でした。久しぶりにドキドキ、わくわくさせてくれる作品に出会えたことに幸せを感じました。こんな風に大人の好奇心を掻き立ててくれる作品があることが本当に素晴らしいなぁと、読み終えたときにしみじみしました。

発刊から約40年経っても今なおファンを魅了する『銀河英雄伝説』。
この作品に出会えたことに感謝です。そしてこの作品を生み出した田中芳樹先生にも感謝したいです。

それでは~



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