【エッセイ】バツの位置
次の就職先で働きはじめるまでに、りっぱなゴミ溜めとなった部屋を掃除することにした。行く度に買って使い捨てしてしまう夢の国のカチューシャや、読みはじめないので一向に読み終わらない本の山などあらゆるものに手を付けて、最後にクリアファイルから書類を出すと2ヶ月ほど前に添削を受けた履歴書が出てきた。
当時お世話になっていた方に、履歴書の添削をしていただいた。家で返却されたものを見ると、性別欄に書いた「女性」という文字に赤ペンでバツが書かれていた。
どっと、心臓のあたりが一度大きな