刀篤(かたなあつし)

詩と小休詩

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【詩】白紙

生きている意味を 真剣に考えてみたんだ 他の人のことは知らない 好きな人に伝えたいことがある それをどう云う風に伝えるか それを考えていることだ

    • 【詩】RAY

      わたしが到達したRAYを 最初に発見するのが両親で 良かったと思う幸せだった ありがとうごめんね ヽ(´∇`)ノ

      • 【詩】約束

        大洋の野心が何を生んだと 云うのだろうおまえが求める その船旅で捨てたものの中に あの娘との海があったことを 一瞬でも今思い出せるか? 約束の港を覚えているか? 舷梯に沖を見てあの娘は 未来を救ってくれるようにと 今おまえが唯一携えている 刃先に託したのだ光るナイフに あの娘の夢を覚えているか? たった今野心の存続を救った その刃先をくれた人の名前を 約束というものは必ず 守らなければならないものだ あの娘がおまえに示した航路は たった今おまえを救ったのだ その美しい哀しみ

        • 「13柱ノ棺ノ姫」

          こんばんは。 金曜日の夜に毎週、詩をupしております(いつも反応ありがとうございます)が、諸事情により今週は詩はおやすみです。 代わりに「13柱ノ棺ノ姫」について少々長めの文章を投稿します。 (※ジュウサンチュウノヒツギノヒメ) 「13柱ノ棺ノ姫」とはなんぞやという人がほとんどだと思いますが、僕が書こうと思って準備していた、新作長編小説のタイトルです。 僕は元々漫画家志望でしたが心の病気がキッカケで絵が思った様に描けなくなってから、小説家志望に軌道修正しました(漫画で描こ

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        • 『暁に薮を睨む』
          205本
        • 『虹彩は無限』
          5本
        • 幻獣詩篇
          12本
        • 美徳詩篇
          7本
        • 大罪詩篇
          7本

        記事

          【詩】虹彩は無限

          ① 君の眼を一瞬でも 近くに覗き込めたら 其れは世界の願い 其処は深い深い透明の 太陽光のゆらぎより透明の 秘められた有限の水源 無限なものは君の嗜む紅茶 ② 君の虹彩を一頁でも 隣合わせに解読出来たら 其れは宇宙の想い 此処に透き通る深淵の 午前0時の夏の始まりの 閉じ込められた有限の知覚 無限なものは君の知る書物 ③ 君の瞳孔を1mmでも 正確さを以て描写出来たら 其れは時空の期待 彼処に輝く海月の透刻の 反射角が滲んでいる融黒の 研ぎ澄まされた有限の潮汐

          【詩】虹彩は無限

          【小休詩】チェンソーマン

          「一番好き」って言うより 「一等好き」って言うほうが近い チェンソーマンのパワーちゃんが 一人称を儂って言うのを決めたのと たぶん一等同じ理由で僕は君が好き

          【小休詩】チェンソーマン

          【詩】世界線の子ら

          君の兄か弟かとして 僕が存在していたら 生まれたその日から 寄り添っただろう 君の為に最初から 当事者の立場で考え 振る舞うことを 許されただろう まるで君が姉か 妹かのように 例えば僕たちは 親と呼ばれることで 血を結べるだろうか 子らを愛すことで 血脈が成す根幹に 互いを認識できたら 庭の泥んこ遊びも 玩具の取り合いも 殴り合いの喧嘩も 入学式も卒業式も 結婚式もお葬式も 目配せを交わす際の ニュアンスさえも 今とは違っただろう

          【詩】世界線の子ら

          【詩】天回

          大宇宙はエーテルに満ち光は振動し あなたの深層心理に影響を与えている 波に乗った宇宙船が遥か頭上を回頭し 地球から見える景色を限定している デッドリンク大橋越しに日没を臨む マフチス休火山麓の中国料理店では とても可愛いホールスタッフが居て チャイナ服でテーブルからテーブルへ 料理店は休火山麓の夜の光の象徴である 上海蟹には赤ワインか白ワインか 科学理論はしばしばアルコールであり 泥酔した常連客たちは千鳥足で帰宅する 今日も明日もマフチス休火山麓は 日没後が最も活気づく時間帯

          【詩】高慢と肯定

          わたしがこれから述べることは ある種 高慢さの表出なのかも知れない 人が人である所以の業なのかも知れない ところでわたしは夜更かしを肯定したい 肯定された深い夜から新たな詩が生まれ 詩からあなたへの誠実さが生まれること 寝床より深い浴槽からはその深さ故に 天蓋がいつもより崇高に見えるのだ わたしは浴槽から見える星空を肯定する わたしの好きなものをあなたが肯定する そういう赦しの中で微睡んで居たような 夜空への気流を共有することを肯定する ありがとうと互いに言い合えるこ

          【詩】高慢と肯定

          【詩】深夜の地下IDOL

          前提として音楽が 前提としてステージが 前提としてフロアが この上なく気高く この上ない陶酔の この上なく猥雑な 連動する動作と歓声と フロアの畝ねる熱気 ブレスの艶めかしさ 確実に惚れさせる 眼が殺しに来てる 誰もが射抜かれる 秘められた怒りと 有り余る上昇志向 推しの可愛さの独壇場 打ち拉がれた夜々が 鬱々とした日常業務が 爆破解体再構築され あなたが生きていて 深夜地下に躍動することで 全宇宙が生きていける この後はチェキ会もある

          【詩】深夜の地下IDOL

          【詩】春に邂逅す

          「わたしは死にたくない この世界以上に美しい場所は 他に無いだろうわたしはまだ 美しさとともに居たい」 きみが春にそう言ったから ぼくは客観的な人間になった きみにできるだけ沢山の みやげ話をもって行くのだ

          【詩】春に邂逅す

          【小休詩】言語化

          えっ? これを言語化するのが 今夜のタスクなの? え、えーと、えっと…… モチモチの、いや、 もにゅもにゅとした 切なくもあり 美しくもあり 唇の稲妻然として 人差し指で天を衝くような あからさまな若気の至りに (よし、舌が回って来たぞ) 取り返しのつかない 愛を寿いだ夜の 倦怠を尊び学ぶこと多き あなたへのこの想いは 誇りでもあり 恥辱でもあり まあ、タスクなんですけど あなたへのラブレターとして 献上するような大それた考えを 忘れるような置いてかれたような えっと、えっと

          【小休詩】言語化

          【詩】セーヌ川

          私が貴族の養女になり 久しぶりに街に行って 私がおはようと言うと 街の皆は目を逸らした 私が平民だったとき 通りを歩いていると 街の誰もがおはようと 声をかけてきたものが 貴族の娘らが寄宿する 修道院に預けられた朝 私がおはようと言うと 娘らはふんと切り捨てた 修道院の生活に馴染み 朝のミサに向かうとき 私がおはようと言うと 誰もがおはようと言った フランス革命が勃発し 怒号と炎と憎しみと 人々は平民も貴族も 正気では無くなった 誰もがこの野郎と叫んだ 平民も貴族も

          【詩】己(おのれ)

          ドウシテ手前ガ未来永劫 苦シイノカ手前デ解ルダロ 手前ガ捨テタ女タチノ呪イダロ 手前ノ好事家ヲ悶絶サセタ一節ダロ 手前ニ文壇ヲ腑抜ケニサレタ因果ダロ 己ハ己ノ"言葉"ヲ紡ギタカッタダケナノニ 手前ノ"言語"ガアマリニモ美シイバッカリニ

          【詩】己(おのれ)

          【詩】黒い渇き(Instagram)

          研鑽の美 君の指先に在る 宇宙と近しい純粋な指向性 (星間の虚空に親しく溶黒してゆく) 研鑽の美 他の凡ゆる表現を愛撫し 断末の喘ぎには歯牙もかけない (其の前では噂話さえも憚られる) 研鑽の美 知性や勇気の兆しに 翳る未来を累て抗体を備える (不純物は深層にて何れ絞殺される) 研鑽の美 本質的に表層に在り 潜航した兆しは呼吸不全に陥る (知ってか知らずか君は溶けゆく) 研鑽の美 君の美貌は望ましいか 勇気や哀れみの優しさよりもか 以前紹介した「大宇

          【詩】黒い渇き(Instagram)

          【詩】人智を超える詩

          【粘土細工】 アイディアと イメージと まず骨格を作る そして肉付け 盛っては削って 削っては盛って 細部がだんだん 美しくなってゆく まだ目的意識が在る 人の手に依る 運命の呼び子である 【ジグソーパズル】 アイディアと イメージと まず全貌を知る 既に完成している 唯一の解を探して ピースを選択して 細部もあらかじめ 究極に美しく在り 必然性のみを 擦る 人智を超える 陥落の快楽である

          【詩】人智を超える詩