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おじさん、子ども時代のトラウマに苦しむ

まさか、こんな人生が待っているなんて思っていませんでした。

40歳を過ぎてから、子どもの頃に受けた虐待やネグレクトのトラウマ記憶に苦しめられるようになりました。

病名は「複雑性PTSD」(CPTSD: Complex-Post-Traumatic Stress Disorder)といいます。複雑性PTSDは近年になって、WHO(世界保健機関)が作成するICD-11(国際疾病分類)に採用されたことで、広く知られるようになりました。代表的な症状は、子どもの頃に繰り返し受けた逆境体験(虐待など)のトラウマを、成人後に頻繁にフラッシュバックすることです。
あまりにも頻発するので、一般的な社会人としての生活は難しくなり、退職せざるを得ませんでした。

複雑性PTSDを発症する原因となったのが、子どもの頃に受けた虐待とネグレクト、そしてヤングケアラーとしての体験です。子ども期(おおむね18歳まで)の体験のうち、虐待のように心の傷(トラウマ)になってしまうものを「子ども期の逆境体験」、また英語の略称でACE(エース、"Adverse Childhood Experiences" の略)といいます。

つまり私は、ACEs(たくさんのACE)が原因で複雑性PTSDを発症している、というわけです。

子どもの頃のトラウマに大人になってから苦しむなんて…そんなことがあり得るのか?
辛かった子ども時代がやっと過去のように感じられるようになったのに…
最初はこの事実を受け入れられず、完全に気力を失ってしまった時期もありました。

家族の理解と協力を得ながら、少しずつ自分自身の症状と向き合えるようになりました。
複雑性PTSDであることも受け入れられるようになって、症状にも対処できるようになってきました。

本格的に治療を始めて2年が経ち、自分のことを書いたり喋ったりする気力を持てるようになりました。そして「対処すれば回復できる」ことを、同じようにACEsや複雑性PTSDに苦しむ人にお伝えしたいと思って、サイトを立ち上げました。

このnoteのページでは、

・子どもの頃のトラウマは一生を台無しにしてしまう危険があること
・子どもの頃のトラウマを抱えていても、対処すれば自分の人生を取り戻すことができること

をお伝えしたいと考えています。加えて、ACEsや複雑性PTSDと向き合う日々の中で、考えることや思うこと、そして分かったことなどを書いていきたいです。

これ以上、ACEsの犠牲者が増えないように、この問題の深刻さを多くの方にお伝えできればと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

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