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読んだ本、3冊

今日も熱でお休み中です。体調が戻ってから書こうと思ったものの、溜まりにたまると忘れてしまうので書きます。

思考の穴

前にもチラッと書いた本。分厚い本なのに内容がスラスラ入ってくる、と思っている。こうやって書いてみるとよく覚えていない。繰り返し読んだり・見たりするとわかった気になるのを流暢性効果と言うらしい。BTSのダンスを数秒だけ見せて踊れるか?を実験したところ、見せた回数が多いほど踊れる気になった人が増加したそうだ(しかし、踊れない)。

分かったつもりを脱する方法として、実際にやってみることが対策になるようだ。自己啓発本の結論は大体「とにかくやれ!」に落ち着くと思っているが、科学的にも効果があるのだなと知った。


正義とは何か

https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000385898

『PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE』を見て、「正義」って何だろう?と思ったところに出くわした本。

正義を何を正義(4つ)として、何に対して正しいか正しくないのか(4つ)に分類している。正義を論じた哲学者をこの分類に当てはめて書かれている。

何を正義とするかは、帰結主義、義務論、契約主義、徳倫理学の4つに分かれている。

帰結主義は行為の価値は結果によるとされていて、「プロセスよりも結果が大切」に通ずると同じだなって思った。義務論はその逆で、結果にもよらないこと価値があるとするもので、「結果よりもプロセス」と読み変えられる。契約主義は合理的に斥けられないことが正義とする考え方。今の経済的な見方をすれば、「客観性があるものは間違っていない」に通ずる。徳倫理学は行為それ自体や行為の結果ではなく、持続性のある個人の性格や人となりにこそ価値があるとするもので、人の能力によらない判断が良いと思った。「あなたはかけがいのない存在」のように疲れた人が読む本に出てくる多くの考え方が徳倫理学的なのでは?と思ったりもした。

全体として、正義とは、何を信念として、それに従うかどうか?に落ち着くと思った。感覚としては個々人を守るためにルールを作り、それぞれがそれを守る過程に正義が出てくるのだな~と理解した。


さみしい夜にペンを持て

noteでよく目にした本だったので、読んでみた。

私自身、「なんで毎日書いているんだろうか?」とよく自問自答しているが、それに近いところが多々あった。

・思うと言う

「思うと言うには距離がある」と読んで「あー、なるほど」と思った。頭の中で映像として、出来事があるけれども、「どこを切り取ってどう言おうか」と悩む。そもそも切り取る場所や言い方が分からなくなって、「1から10まで全部話しちゃえ」と思っても「いや、冗長すぎる」とまた振り出しに戻る。そんな私は間違いなく、思うと言うには距離がある。

・書くと話す

試験は試験でも面接よりも筆記の方が楽、と思っている。そこに「書くことには消ゴムがある」はクリティカルな表現だった。それは当たり前なんだけれども、面接で言ったことは取り消せない。後で掘り返されたり、疑問を持たれたりする。しかし、ペーパー試験は提出するまではいくらでも答えを変えられる。一度、現実に出してみて違うと思ったら変えられる。これが大きな違いであり、とてもでかいと思っている。気持ちの上では自分が考え得るベストだとしても現実に出してみれば、「あれれ??」と気持ちと真反対なこともある。とりあえず現実に出せる「書く」っていいなと。

・言葉を決めるのが早すぎる

これはあるあるだなって。「どうだった?」と聞かれたら、言われた出来事が走馬灯ように頭をめぐり、全体感として「面白かった」「楽しかった」と出てくる。人間は細部をいちいち覚えてられないので、抽象化して把握する癖があると別の本で読んだことがある。こうやってnoteに何かしらを書く時もこれから書く内容に対して、全体が走馬灯のようにめぐって、まず漠然と「良かった」とか「悪かった」が出てくる。その構成要素を一つ一つ書いて具体化する作業をしている。これがつながって出てくるかで自分が物事を理解しているか?判断しているようにも思う。

・考えたことを書く

これは私のnoteのテーマでもある。この本では自分だけのダンジョンを冒険すると書いていた。私としては、そんなワクワクするものではなく、ひたすらゴールのない穴を掘る感覚で考えている。体を動かしたい衝動を晴らすために目的もなくただただ何かに没頭するために穴を掘る。そんな感覚。自分が満足するか、掘り進められないような固い何かに当たった所で掘り止める。考えたことを書くというのはそんな感覚。

・全体よりも細部

自ら間延びさせている感覚があったが、場合によるとも思った。書きたいことがたくさんある場合は別に間延びでもなんでもなく、ただ書きたいことを書いている。しかし、書くことがない時は文字数稼ぎで間延びさせていると感じながら書いてある。受け手には分からないかもしれないが、書き手にはそう感じる。けれども、考えたことを書くを焦点に置けば、間延びさせているわけではなく、考えていると捉えられるのではないかと思った。

日頃から「日記」「書くこと」について考えていることもあって、深く刺さるところが多かった。あるあるに落ち着く所もあれば、「おー」という所も多い本でした。

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