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リツマツナ

昨日は雨だった
浴衣姿の雑踏が泥だらけになったたこ焼きを踏みつぶして移動する
地面のぬかるみに文句を言うカップル
おめんを買ってもらった子
片手に綿菓子
僕は、、

何も持っていない
一年に一度の僕の家が元気になるとき
そっと
雑踏の中に

あれ?財布がない
え?
落としちゃったの?
いや、このかばんに入れてたんだけど
まあいいわ、私が払っとく
いや悪いよ
はい500円

25000円

おい、俺の財布知らねーか?
俺持ってないよ
いや、俺も持ってない
俺も知らない
えー
じゃあ俺らが奢るから今度ジュースな
えっ、あ、ありがとう

12000円

子どもなのに、餓鬼が何でこんなに持てんだよ
小銭は重いし、音が鳴るから財布ごと河原に捨てとく
見つけるには、自慢の服で泥まみれにならないといけない
自分は家だからどこか分かる

花火が揚がる
みんな上を向く
みんな上を向く

5000円
6000円
13000円
20000円
4000円
・・・・

適当なところで辞めるのがみそである

世の中は広い
でも、お互いに誰も知らない
今日は祭りだ

いつも俺のことを虐げる者たち
眼中に入れられないものの
祭りだ

翌日、昨日と同じ服を着た男が
早朝から
河原の清掃 小銭拾い
をしていた

夜、
一人を除いて寝てしまった頃
(この男は、いつ巡査が見回るかをしっている)
河原では、一つだけ焚火があった
とても臭かった

これが、彼にとって花火である





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