見出し画像

ウチの大きな子供

ウチには大きな子供がいる。

わたしの朝からの日課は彼を起こすこと。どんなに大きい目覚ましにも反応しないその睡眠力と毎日戦っている。

1回戦→「起きた」と一瞬だけ目を開けて再び夢の中へ
2回戦→体を起こして端座位にさせる。やっと起きたと安心して油断しているとそのままベッドに倒れこむ
3回戦→ゆすっていると「うーん(怒)」と煩わしいような態度を見せストライキを始める。

大体3回戦までは毎朝。こんなに苦労して起こしているのに、覚醒した後には「俺スッと起きたもん」と意味不明な発言をしている。

仕事に出かけると「やっと行った」と小学生を見送って安堵している母親のような気分になる。それからはわたしの自由な時間。彼がいない間にできることをしておく。


帰るコールはしないので手探りで時間を逆算し夕食を作る。おいしさよりもご飯は炊きたて、料理はアツアツという持論を徹底される。彼の言葉は絶対なので守らないといけない。少しでも手を抜いてしまうと「これくらい温めて」と指導が入る。毎日料理をしているプライドにかけてそこは阻止しなくてはいけない。わたしはよく料理を作りすぎてしまう、2人分でいいのに知らず知らずのうちに4~5人分食材を切っているときがある。そんな時もすかさず「何人家族や」と、これでもかっていうくらい突っ込んでくるので気を付けないと!!

20:30~21:00に彼は帰室する。家に帰っては今日の出来事をニュースのように詳細にわたしへ報告してくる。わたしも話したいことがあるのに一方的にマシンガントークを繰り広げる。観念して相槌を挟み聞くしかない。食事の用意をしていてもお構いなしだ。話しをききながらおかずを食卓に並べ、みそ汁をお椀に入れている途中で走ってキッチンに来てはみそ汁とご飯を奪うように持っていき先に食べ始める。「だって冷めるもん」とアツアツなのが命ともいわんばかりの勢いで口の中に入れていく。


毎日ブレることなく常に自分軸で動いている。それにいつも振り回されるわたし。普通の子供はいないけど大きな子供のせいで母親の気分を味わえる。横で眠っている彼を愛おしく思うのはきっと母性があふれているからだろうか。わがままをいう姿にしょうがないなぁとまんざらでもないのは必要とされていると感じるからかな?イライラする事も大いにあるけど毎日彼が好きそうな料理を作っているわたしがいる。きっとこれが家族というものなのだろうか。

彼が笑顔なら、わたしもうれしい。

彼が落ち込んでいると、なにかできることはないかと考える。


大きな子供の彼がいるせいで毎日は充実している。わたしが生きていると実感できる。

あわただしい日々だけど、楽しいもんだ。

最後まで記事を読んでくれてありがとうございました!