マガジンのカバー画像

「モバイル」に暮らすということ:移動と家とまちづくり

6
CURBEDによるタイニーハウス:Tiny House(小さな家)に関する特集記事を紹介しつつ、移動とまちづくり、経済・社会的に移動しやすい暮らしのヒントについて考えます。 デト… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

「モバイル」に暮らすということ#6:まとめ

「モバイル」に暮らすということ#6:まとめ

 これまで5つの記事を通してCURBEDによるタイニーハウス:Tiny House(小さな家)に関する特集記事から、アメリカの3つのタイニーハウスコミュニティの例を紹介してきた。
#1 :モバイルであるということ #2 :文化的・制度的な前提について #3 :デトロイトの新しいスターター・ホーム #4 :小さな家はポートランドの家賃高騰危機を救うか? #5 :リノのスプロールへの大型解決策は「小さい」こと

もっとみる

「モバイル」に暮らすということ#5:リノのスプロールへの大型解決策は「小さい」こと

リノのスプロールへの大型解決策は「小さい」こと この例はどちらかというと高級志向なタイニーハウスについてであり、家自体は物理的に動かない上に特に社会的な目的も表立ったものではないのだが、スプロール対策としての視点は面白いと思ったので、紹介したいと思う。

(記事:Reno's big solution to sprawl is small)

小さいけれどしっかりした家 このネバダ州リノのタイニ

もっとみる

「モバイル」に暮らすということ #4:小さな家はポートランドの家賃高騰危機を救うか?

小さな家はポートランドの家賃高騰危機を救うか? (記事:Can tiny homes beat Portland's affordability crisis?)
 「全米で一番住みたいまち」ポートランドのお出ましである。まちづくりに興味のある人々の間ではもうすっかり説明もいらないくらい有名になったまちだ。ポートランドには、割とヒップでDIY的な精神をもった人びとが集まっている、と言われる。あまり

もっとみる

「モバイル」に暮らすということ #3:デトロイトの新しいスターター・ホーム

デトロイトの新しいスターター・ホーム(デトロイト、ミシガン) まずは一番わかりやすいデトロイトの例を紹介したい。(記事:Detroit's new starter home)

 ひとりの女性ーReverend Faith Fowerーが始めた、このタイニーハウスのコミュニティは、年収約100万円に満たない人でも、家を買うことができるようになっている。現在はひとつひとつデザインの異なる25棟の家が

もっとみる

「モバイル」に暮らすということ #2:文化的・制度的な前提

文化的・制度的な前提について 本題に入る前に、簡単に前提事項を整理しておく。前提とかいいよ、という人は、次の記事に進んでもいいけれど、文化的な差もあるので、できれば読んでいてほしい。

Tiny House Movementとは Curbedの特集記事に紹介されているのは、アメリカで数年前から流行りだしたTiny House Movementについてである。2010年前後から本格的に動き出し、そう

もっとみる

「モバイル」に暮らすということ #1:モバイルであるということ

 携帯電話など、一緒に移動しやすい機器などを「モバイル (Mobile)」という。名詞の「モビリティ (Mobility)」は、移動しやすいこと、流動性があることという意味だ。

 移動にも色々種類があるが、ここでは2月に主催したイベント「動くわたし、動かない私 —移動とまちづくり—」のあとに考えたことや、会中では十分議論できなかった社会・経済的な移動について、CURBEDで特集されている「小さな

もっとみる