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よどみ、よりて(あんたさぁ、/ルネッサンス吉田)

今日は、泣くことも笑うこともしなかった。僕が泣いたり笑ったりするのは誰かがいるからで、その誰かがいなければそんなことは起こらない。そんな日の心境は、とても安らかで、ひどくざわつくのだった。

ねえねえ、ろうそく消す時お願いするとかなう。
はいはい。
毎日心安らかに暮らせますように。って、お願いしたんだ。
…………まあ……頑張れ……無理のない範囲で。
うん。私、頑張る。
――ルネッサンス吉田「月はしずかに」『あんたさぁ、』第二話より

僕の人生は、1か100しか無い。1。すなわち、もう死んでしまいたいと思うこと。100。すなわち、生きるのが楽しくてしょうがないと思うこと。僕に与えられているコマンドは、「頑張る」か「頑張れない」しか無い。「頑張らない」は無い。「あなたはいつも100%頑張っているけど、時には80%とか、30%程度に抑えることも必要だよ」そんなことを、何度もいわれてきた。何度もいわれてきたのは、何度いわれても出来ないから。80%だの30%だの、どうすればいいのかわからない。ただでさえ、頭が良くないというのに。僕が機械だったら、80%でも30%でもたとえ1%でも、簡単に出力出来るのに。……ああ。でも、どんなときが80%でどんなときが30%なのかわからないや。つまるところ、僕には1か100しか無い。

僕はいつでも逝きたいし、生きたいと願っている。1か100しか無いということは、1も100もあるということでもある。そのおかげで(もしくは、そのせいで)、死のうと思い立った人にも、生きようと決意した人にも、僕は共感する。だから、僕は否応なしに死にたいと思ったり、生きたいと思ったりすることがある。ネット社会に生きる故である。けれど僕は僕なわけで、その人はその人なわけで。「わかるよ」は、誰もが愛し、憎んでいることば。僕はそんなことばをいいたくないし、いわれたくもない。でも、そんなことばをいいたくて、いわれたいのもまた事実。1か100しか持っていないのは自分だけだと認めたくないが故に。淋しさを抱えているのは自分だけではないと思うことが、淋しくならないために必要なことなのかもしれない。

たまにほんとに死にたくなったりもするけども、それもいいと思う。私、元気だよ。
――ルネッサンス吉田「祈れ呪うな」『あんたさぁ、』第五話より

僕はこれからも、人生とかいう実体の無いものを伴って生きるわけだ。実体が無いなら、正しいとか間違っているとかも無いよね。僕には1と100しか無いけど、頭が良くないからかえっていいのかもしれない。きっと、人生もそういう風に出来ている。僕が、僕なりに生きていけるように出来ている。

あんたさぁ、/ルネッサンス吉田(2018年)

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