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アイスカフェラテと、一息

表参道のPRONTでアイスカフェラテと、カレーパンを食べている。
以前購入した本の付録による割引で、カフェラテ150円、カレーパン180円。相変わらず、お得が大好きだ。
薄暗くオシャレな店内に似合わない速度で、空腹を満たすためカレーパンを頬張る。カフェラテも1/3ほど一気に飲んで、心がやっと落ち着く。
僕の心は、基本的に空腹に弱い。
たぶん、殆どの人がそうである。
「大事な交渉をするのなら、昼ごはん後が上手くいく」と何かで読んだことがある。人は意外と単純で、満腹の時は気分も良い。
そんな単純で複雑な世の中。

上京して約1年。表参道の場所すら分からなかった僕が「渋谷から東京メトロで一駅の場所」と認知しただけで立派な成長だ。
全ての場所への行路が複雑で、Googleマップがなければ、僕は引き篭もっていたかもしれない。今頃、お家でセブンイレブンのコーヒーとツナマヨおにぎりを楽しんでいただろう。
そういえば、会社の人たちがセブイレのコーヒーが一番美味しいと言っていた。
僕からすれば、セブイレもローソンもファミマも、そんなに変わらない。3つ並べて飲んだら流石に判明するとは思うから、いつかやってみたい。

お腹が空いたら美味しいものを食べたくなったり、寝不足だったら眠たくなるような、そんな単純な生活の中で、なぜこんなにも心が忙しいのだろう。
頭の中はいつも何かを考えている。
自分の生活に関わることから、世の中のことまで、それは幅広く関連性もバラバラで、答えが出ないような色々を色々と巡らす。
もし何かを一つ解決したのなら、二つ以上考えることが出てきて、メモする暇もなく次の話題に移る。

何かを考えようとしなくても、この先のことや、昔のこと、誰かのこと、欲しいもの、不安なこと、やりたいこと、お金のこと、会社のこと、政治のこと、仕組みのこと、戦争のこと、国のことなど、絶え間なく不規則に脳内が飛び移る。“なぜ”が尽きることはなくて、それは複雑性そのものだと思う。
とにかく頭の中がうるさい。
そして頭のうるささは、生きづらさに繋がることを知っている。シンプルに生きられる人と比べて、ずっと脳内がぐるぐるするのだから、そりゃ生きづらい。
頭の中は、まるでパソコンで色んな処理をしているとモーターがうるさいから、触ってみるとアツーくなって大変だ!みたいな感じだ。この例えは、合っているのか。
そして、この生きづらさを、もう諦めている。
この生きづらさに折り合いをつけることが、生きやすさに繋がると、今の僕は知っている。この頭のうるささを隣に置いて、一緒に暮らし、今日もあーだこーだ言い合えばいい。
そして、大切にしたいことを当たり前のように忘れて、幸せに浸かればいい。
そんな穏やかで騒がしい中に、ときどき昨日のことのように思い出せればいい。

スマートフォンから目を外すと、店内に人が増えていることに気づく。
アイスカフェラテを飲むことを忘れていた。
少し飲んで、また一息つこう。


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