輪舞曲 ~ロンドン⑮完結~
「君は大金持ちの娘と結婚の話を断ったのか!おまけに、相手はかなりの美人のようじゃないか。」
ピエールが目を見開いて言うと、ユーグは、やれやれといった様子で溜息をついた。
「君の言う通り、確かに彼女は大金持ちの一人娘でかなりの美人だ。それに語学も堪能で、3ヶ国語は話せるはずだ。」
「そんなに美人で頭の良い女性の、どこが気に入らない?」
「小さなころから欲しいものが手に入るのは当たり前で、自分より恵まれない境遇を持つ人に同情するふりをしながら、見下しているところかな。もちろん、小