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息をするように本を読む 1年目

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私にとって本を読むことは特別なことではなく、呼吸するのと同じことです。 今まで読んだ本の感想文を書いてみました。 よかったら読んでみてください。
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記事一覧

息をするように本を読む

 本を読むのが好きだ。  幼いときは、それと意識したことはなかった。当たり前のように本を…

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息をするように本を読む 2

 本を読むことは私にとって特別なことではない。生活の一部であり、呼吸することと同じことだ…

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息をするように本を読む 3

 本を読むことは私には特別のことではない。生活の一部であり、呼吸することと同じことだ。 …

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息をするように本を読む 4 〜時代、歴史小説〜

 子どもの頃、父の隣で毎週NHKの大河ドラマを見ていた。歴史に興味を持ち、歴史小説を読み始…

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息をするように本を読む 5〜児童文学「まぼろしの巨鯨シマ」〜

 ごく幼い頃は、読む本を自分で選んでいたわけではなく、父が会社帰りに買ってきてくれる児童…

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息をするように本を読む 6 〜三島由紀夫「お嬢さん」〜

 今年は三島由紀夫が亡くなってから、50年になるそうだ。  私は小学生になったばかりだった…

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息をするように本を読む 7 〜ミッチェル「風とともに去りぬ」〜

 小学校高学年になった頃、父が1冊の文庫本を買ってきてくれた。表紙には薄い緑色のドレスを着た気の強そうな若い女性が描かれていた。 「風とともに去りぬ」(ミッチェル作)の第1巻だった。  読み始めると、私はたちまち夢中になり、父に頼みこんで残り4巻(全5巻)を買ってもらった。    ご存知の人はたくさんいらっしゃると思うが、いちおう。  アメリカ南北戦争時代の南部の大農場主の娘スカーレットが主人公の物語だ。  舞台背景が舞台背景だけに、いろいろと賛否両論あり、特に今年は論議を

息をするように本を読む 8 〜柳広司「新世界」〜

 柳広司の作品は「ジョーカーゲーム」のほうがよく知られているかもしれない。映画化されたし…

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息をするように本を読む 9 〜ディケンズ「二都物語」〜

 私は中学生のとき、親の仕事の都合でシンガポールに少しの間住んでいた。  学校の英語の授…

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息をするように本を読む 10 〜原田マハ「サロメ」〜

 この文庫本を書店で手に取ったのは、その表紙絵が目に留まったからだ。  19世紀末の画家オ…

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息をするように本を読む 11    太宰治「駈込み訴へ」

 太宰治の代表作品といえば「晩年」や「人間失格」や「斜陽」だろうか。  私が最初に読んだ…

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息をするように本を読む 12 〜和田竜「村上海賊の娘」

 海賊というと、古い地図を手に宝探しとか、肩にオウムを乗せて眼帯をした船長とか、帆柱には…

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息をするように本を読む 13   〜マーク・トゥエイン〜  「トム・ソーヤの冒険」

 この小説はずっと以前に、あの有名な清涼飲料メーカー提供のテレビアニメになったのでご存知…

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息をするように本を読む 14 〜恩田陸「蜜蜂と遠雷」〜

 中学の頃、英語の授業中に先生からpresentとgiftの違いについて尋ねられた。  うーん、プレゼントはどちらかというと普段遣いで、ギフトはちょっと改まった感じ、とか。  先生は、まあ、それも答えのひとつだけれども、と言いながら説明してくれた。  プレゼントは人から人へ与えられる友愛の印の贈り物。  ギフトには神から人に与えられる恩寵、才能という意味がある。  この話を聞いたとき、なんて素敵で、そしてなんて残酷なのだろうと思った。  才能は天与のもの。  人の力や