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自社サイトをnoteに変えようとしたら、猛反発を食らった

起業する際には、どなたも自社のWEBサイトを立ち上げると思うのですが、その時に困ってしまう経営者も結構いるんじゃないでしょうか?

勢いで起業をして、1ページだけのサイトを簡易的に作ってしまい、後から恥ずかしいと思ってしまったり。なるべく見られないようにしてる…なんて状況が、実は結構あるような気がしています。

そこまでいかなくても、最近ではビジョン・ミッションなどが、フォーマットに乗っ取って形だけでも簡単に整える事が出来るので、勢い余ってあまりにも壮大なビジョンを掲げてしまったりなど。悩みが多いですよね。

私達、株式会社SUGOIではコーポレート・ブランディングも手がけているので、企業のビジョンやミッションなどもファシリテーションをしながら一緒に考える機会が多いです。
そのため、このあたりの表現方法は、凄くシビアに捉えています。
いくら良い言葉であっても、言って出来てなかった場合は、その企業にとってはプラスどころか、真逆の効果になってしまう。

背伸びして良い言葉を発信するのは、アイデンティティの表現方法ではない。
これはかつての広告のやり方ではあったかもしれませんが、今多くの企業が必要としている、ブランディングで取るべき手法では無いのです。
むしろブランディングとは、スラッとしたモデル歩きよりも、四股を踏んでいるイメージが浮かぶ。
決してカッコ良いわけではなく、むしろカッコ悪い方が真実に近いし、その方が足腰から力が入りますよね。


とまぁ、ここまで少し偉そうな事を言いましたが、我が身を振り返ってみますと、株式会社SUGOIの掲げているビジョンと言うのは「愛とアイデアの溢れる世の中を作る」こと。
これは、どこの会社とも被らないビジョンだと自負はしているんですが、その分、このビジョンを達成するためにやらなくてはならないアレコレが多く、正直、結構手こずっているのが実際のところです。

自社サイトについても、結構悩んでいました。

SNSでの発信はほとんどの会社で一般的となりつつある一方で、あまり上手く出来ていない事が、実は驚くほど多い。
きっと御多分に漏れず、SUGOIでも惰性でサイトを作ってしまえば、必ずそうなる。

社員がリレー形式で投稿を回すという方法はよく見られますが、続ける事が難しかったり、毎回の投稿の質に差が出てしまったりしますよね。
オペレーションが難しいのか? 投稿のネタが見つけ辛いのか?
どっちなんだろう、と考えていくと、根本的にはSNSをやっていく上で必然性を持っていない、ということが見えてきてしまう。

SUGOIでは、どうしてもその状況を避ける必要がありました。
では自分たちがSNSで何を発信していくのか、その必然性について、徹底的に考えたのです。

「愛とアイデアの溢れる世の中を作る」という理念を現実レベルに落とすのは、泥臭い試行錯誤の繰り返し。
それならば、この試行錯誤を隠して綺麗な成果だけ見せるよりも、せっかくならそのプロセスを包み隠さず見てもらおう、という結論に至りました。

自社サイトと言えば、会社の顔になる訳で、その顔が綺麗な顔してるより、表情豊かな方が私達には合っている。
試行錯誤を包み隠さず見てもらうというのは、つまり、いろんな表情を見てもらうということです。
楽しそうな顔だけではなくて、時には上手く行ってない歪んだ表情なども。そうすると、SNSをやる必然性が出てくるし、中身にも苦労しないはずだろうと。

ここまで決まれば、どのサービスを使うか、という次の段階に進むことができました。
普通の自社サイトでは、試行錯誤のプロセスを見せられない。
facebookやInstagramなどのSNSを駆使していこうか?なんていうのも一度は考えました。でも今ひとつ、ピンとこない。

試行錯誤を見せるには、どのSNSが最適なんだ?と検討していたら、noteが一番自分たちのやりたい事にフィットしたのです。


さて、noteの良い点は2点あります。

1点目は、フリーの利用者のページにも広告が載らないというポリシーが、企業としてしっかりあるということ

既存のブログサービスなどは、広告とのセットが当たり前でした。
運営的に仕方ないのですが、読みものとして受け取る読者としては、その他の余計な情報が入ってくるのは、本当に嫌なものだと感じてしまいます。
そこの問題をクリアにしているnoteのポリシーに惚れ込みました。

そしてもう1点目は、ランキングがないことです。

ランキングがあると、どうしても意識してしまう、そして上位を目指そうと思ってしまうものですよね。
御多分に洩れず、私達もそうなってしまうもしれない。人の目を意識して作り笑顔をしてしまうかもしれません。

それでnoteが最適という結論に行き着いたのです。
ただし、経営者である私の中だけで。


早速、このアイデアを社内で共有したら、なんと猛反発を喰らいました。

彼らの意見はもっともではありました。
クリエイティブの会社として有り得ない、かっこ悪い。
クリエイティブの会社というのは、かっこいい写真や映像の事例がサイトのトップに大きく載っていて、これでもかとアピールしてるものが多いので、他に負けぬよう、当然自社もそうするべきだと。

確かに、以前は私達もそうしていた。彼らの反発も当然な面があります。

それでも私は譲れなかった。
かっこいいサイトを作ってしまうと、採用の時にそのサイトに釣られて、志望動機の薄い人が大勢来るという事実もあります。これは10年、経営をしてきてわかったことです。
採用担当としても、この手の面接を時間掛けてやるというのは、時間がかかる上に成果が低いだろうなと思います。

どうしてもnoteで発信する必然性を理解してもらうため、そこで社員に、これまで書いてきたような思考の経緯を丁寧にシェアしてみた、というわけなのです。
結果、皆が納得してくれて、無事noteへの移行が進んでいきました。

すると驚いたことに、すぐに採用面でも変化が出てきました。
記事をしっかり「読みました」という人と、「見ました」という人では、SUGOIに入社したいという動機の必然性がまるで違うのです。
採用活動も効率化されていきました。


というわけで、株式会社SUGOIは自社サイトを捨てて、noteに切り替えてから早1年が経過しています。
これからもっと発信していくことが増えていくのですが、現時点でも中々の充実度です。公認は貰ってないですが、noteで一番充実してる会社アカウントだと勝手に自負しています。

中身に関しての詳細も話したいのですが、これはまたの機会に投稿します。
読んでいただき、ありがとうございました!

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