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WAGYUが繋ぐ異文化の味覚

前回は、チューダさんリクエストにより、私がどうしても食べられなかった食べものについて紹介させていただきました。
(謎の"ビーフジャーキー"のお話はこちら↓)

今回は、海外のビジネスパートナーが来日したときに、どうしても食べてもらえなかったものについて、お話します。

私の場合、海外からのゲストは、フランス、イギリス、スペイン、アメリカ、そしてアフリカの人たちが中心でした。

まず、好評だった食べものをご紹介します。


ツーンの誘惑、わさび

日本の食は、安全で衛生的でおいしいと、好評です。

欧米の人はナマ魚やタコを食べない、と言われることもありますが、私のビジネスパートナー(欧米系)の場合、全員お寿司が大好物

ナマであることも気にせず、ネタの好き嫌いもほとんどなく、パクパク召し上がっていました。

ただ、不思議なことに、お刺身となると、積極的に箸が進むわけではありません。

ご飯(寿司飯)があるかないかだけの違いに感じますが、お寿司は大好き、お刺身は、食べてはもらえますが、テンション低め

理由を聞いてみましたが、彼らから見ると「全然違う食べもの」らしいです。

想像ですが、
「いま、本場のスシを食べてる!イェ〜イ!」
という臨場感も、かなり影響しているのではないかと思います。


わさびも大好評です。中でも、特にわさび好きな人は、日本人の私が
「それ、付けすぎじゃない?」
と心配になるほど、わさびを付けて食べていました。

「このツーンがたまんないんだよ~☆」

とのこと。
涙目になりながら、☆お寿司とわさびとのマリアージュ☆を楽しんでいます。


これは恐らく、タイの人から見た日本人のパクチー好き」に近いものがあるかも知れません。

タイ人の元同僚、プンによると、

パクチーは、葉ではなく刺激の弱い茎を食べる

とのこと。

同じくタイ人のワットも、

「日本でパクチーブームがやってきて、あちこちのカフェやレストランやでパクチー料理が出てきたけど、葉っぱが多すぎて、とても食べられないよ..。

と、嘆いていました。


王族が愛する日本のスイーツ

縁あって、ナイジェリアリベリアガーナコートジボワールなど、西アフリカの政府関係者や王族、プロサッカー選手の人たちに帯同する機会が何度かあったのですが、何故か、共通するお気に入りがヨックモックのシガールプリン

ヨックモックのシガールは、あっという間にひと箱を完食してしまうくらいのお気に入り。

そのため、私は彼らが来日するたびに、何箱も大人買いして、手土産として、滞在期間中に少しずつお渡ししました。
少しずつ渡さないと、すぐに平らげてしまうからです。

シガールは、彼らにとっては、

やめられない止まらない

かっぱえびせんのような位置付けなのです!


一方、プリンは、保存のきくものではないので、大量に購入しておくことができませんでした。

彼らがプリンロスを起こさず、滞りなく日本とアフリカの外交という大切な職務を全うしてもらうために、私はコンビニやスーパーを見つけるたびに「パシリ」のごとく(汗)、プリンの購入に走っていました。


全員一致のNG料理

欧米のビジネスパートナーが来日したときに、揃いも揃って、どうしても食べてもらえなかった意外な食べ物。

それは、


すき焼き

でした。

あくまで、私の経験なので、一概にフランス、イギリス、アメリカの人たちは、すき焼きを食べないわけではないとは思います。


ある日、フランス、イギリスのビジネスパートナーが1週間来日しました。
滞在期間の最終ディナーとして、私たち日本側が気持ちお金も十分な気合を入れてお連れしたのは、格式高いすき焼きの名店です。

畳の部屋に案内され、ビジネスパートナーたちは、和室の隅々のインテリアを鑑賞し、噂のすき焼きを食べる機会が目の前に迫っていることに、ワクワクしている様子です。

お肉が運ばれてくる前に、グルメな上司が

「ここは、、モーツァルトを聞かせ、食欲がないときにはビールを飲ませ、ストレスがたまらないよう、マッサージを受けて育った、特別なWAGYU(和牛)のお肉なんです。」

お肉のプレゼンテーションを行いました。

これから私たちが食するお肉が、いかに特別なものなのか、プレゼンテーションにも力が入ります。

ビールを飲んでマッサージを受けているWAGYUの動画もお見せし、全員のテンションがマックスに上がります。

そこに、お肉と野菜などが運ばれてきました。

おお~っ☆」

みんなで歓声を挙げました。
見るからに柔らかそうでジューシーで、口の中でとろけそうなお肉の登場です!

そして、すき焼き鍋に火が入り、私たちの目の前で、女中さんが鮮やかに調理していきます。
その鮮やかな手さばきに、感動し、ますます、すき焼きへの期待が高まるばかりです。

いよいよ実食!


と、その時、ドミニク(フランス人)が食卓に置かれた卵を指差し、

「このは、いつお鍋に投入するの?」

と聞いてきました。

私は、

「あっ、これはお鍋に投入するのではなく、こっちの器に卵を割って、それを溶いて、すき焼きにつけて食べるんですよ。」

と答えました。

が、彼の若干固まった表情を見て、私は(あっ、やらかしたかも・・。)と思いました。

彼らは、生卵を食べないのです。

とっさにそのことを思い出した私は、

「でも、大丈夫!生卵が苦手なら、そのままに召し上がってください!」

と答え、一時のピンチを切り抜けたと思い、安心していました。
うなずいて、生卵にはつけずに、すき焼きを口に運ぶドミニク。

・・・。

反応がありません。

同じく、生卵につけずに、すき焼きを口に運んだジャン・ルイ(フランス人)も、アビブ(チュニジア系フランス人)も、イアン(イギリス人)も、全員

・・・。

みんな、箸が止まったまま・・・。
この後も箸を進めたいのだけど、どうしてもできない事情がある様子です。

私が

「ひょっとして、味付けお気に召しませんでした?」

と聞いたところ、ドミニクが

「この味は初めて食べるので、舌がびっくりしているみたいで・・。」

と、申し訳なさそうに教えてくれました。


そうなんです。

彼らは「甘辛い味付け」と「生卵につけて食べる」のがダブルでNGだったようです。

たまたま、そのお店は、しゃぶしゃぶも提供していたため、急遽しゃぶしゃぶも追加オーダーしたところ、しゃぶしゃぶはとても気に入っていただけました。


そして、日本チームはすき焼き海外チームはしゃぶしゃぶと、WAGYU2つの料理の架け橋となり、全員でWAGYUを存分に楽しむことができたのでした。


外国人の友人や知り合いがいる、そこのあなた、その人が食べられなかった日本の食べものは、何ですか?

コメント欄で教えていただけたら嬉しいです。


そうそう、食べものの話をしていたら、ふと、つまようじのエピソードを思い出しました!


次回は、バルセロナでつまようじに振り回された思い出をお話します。



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