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アルセーヌ・ルパンと教会の謎『ジュール・ヴェルヌの暗号 -レンヌ=ル=シャトーの謎と秘密結社-』④

みなさん、こんにちは!

今回は、前回の記事の続き&アルセーヌ・ルパンと教会の謎について、『ジュール・ヴェルヌの暗号 -レンヌ=ル=シャトーの謎と秘密結社-』(以下、『ジュール・ヴェルヌの暗号』)をご紹介しながら、みていきたいと思います。

前回は、「聖杯伝説とルパン」について、ご紹介しました↓

聖杯伝説とアルセーヌ・ルパン『ジュール・ヴェルヌの暗号 -レンヌ=ル=シャトーの謎と秘密結社-』③-|西本亜希子|note

記事の最後に、参考文献としてあげた『隠された聖地-レンヌ・ル・シャトー‐マグダラのマリアの生地を巡る謎を解く』には、レンヌ・ル・シャトーがマグダラのマリアの生地だと書かれていて、彼女はキリストの妻であり、キリストが磔にかけられた後、子を連れてこの地に戻ってきたという。

このあたりの話は、映画『ダ・ヴィンチ・コード』でも描かれていたので、ご存知の方も多いと思います。

前回の記事の最後にも書きましたが、『ダ・ヴィンチ・コード』が世に出るまでは、私は、聖杯と言えば、映画『インディー・ジョーンズ 最後の聖戦』に登場するような、”杯(コップ)”という認識しかなかったのですが、『ダ・ヴィンチ・コード』や、このブログでご紹介している『ジュール・ヴェルヌの暗号』では、聖杯とは、すなわち、”キリストの血を引く子孫”を示しているんですね。

面白いことに、『隠された聖地-レンヌ・ル・シャトー‐マグダラのマリアの生地を巡る謎を解く』でも、『ジュール・ヴェルヌの暗号』と同じ内容が書かれていて、それは、メロヴィング王朝のゴダベルト2世が、キリストの血を引く娘と結婚したということ。

なんと、このゴダベルト2世が建てたという教会が、パリ郊外にあるらしい!

その名も、サン・ロマン教会(Église Saint-Romain)

パリ郊外のサン・クルーの南にあるセーヴル市にあり、教会を写真付きで詳しく見ることが出来るHPを見つけた(しかし全てフランス語!)ので、リンクを貼っておきます。
église Saint-Romain à Sèvres (patrimoine-histoire.fr)

フランス語ですが、1行目に675年にゴダベルト2世が建てたとあります。

写真で見ると、教会が比較的新しく見えるんですが、やはり建て直されているようです。

パリ郊外、サン・クルーの南セーヴル市にある

因みに、教会は、アルセーヌ・ルパンの小説にも度々登場していて、私も拙著でルパン作品に登場したパリの教会をご紹介しています。

サン・シュルピュス教会と言い、フランスにはミステリアスな教会がたくさん!

私は、パリの教会巡りも夢なので、フランスに行くことが出来たら、思う存分いろんな教会を渡り歩きたいと思っています。

そして、教会と言えば、『カリオストロ伯爵夫人』に登場する「七本枝の燭台」。

『カリオストロ伯爵夫人』のあらすじについては、記事②をご覧ください↓

燭台とは、教会の儀式でよくみかける蝋燭台のことで、7本枝ということは、1つの台座に7本の蝋燭立てが付いているものになります。

因みに、『レ・ミゼラブル』でも、ジャン・バルジャンが燭台を盗もうとしますが、逆に神父に燭台を与えられ、彼が改心するきっかけとなる重要な道具として登場します。

『カリオストロ伯爵夫人』では、ルパンが、カリオストロ伯爵夫人のために、教会の柱の中から、この7本枝の燭台のうちの1本を見つけるんです。

ルパンは、燭台が隠されていた柱が、他の柱とは違って年代が新しい(すなわち一度取り壊されている)ことに気づき、柱を一撃すると、中が空洞でそこに燭台の1本が隠されていた、という筋書きになっています。

『ジュール・ヴェルヌの暗号』の著者曰く、この筋書きは、アルセーヌ・ルパンの作者ルブラン氏が、レンヌ・ル・シャトーの謎を知っていたことを示しているという。

なぜなら、一躍有名&莫大な財産を気づいたソニエール神父も、レンヌ・ル・シャトーの教会の柱から、暗号が書かれた羊皮紙を発見しているからで、その柱も空洞だったから。

すなわち、著者によると、ルパンが”七本枝の燭台”を見つけ出すくだりが、レンヌ・ル・シャトーの謎を思い起こさせるらしい。

また記事が長くなりそうなので、次の記事では、『カリオストロ伯爵夫人』の謎の続きと、もし可能であれば、レイラインのミステリーもみていきたいと思います。








アルセーヌ・ルパンの長編小説の1つ『カリオストロ伯爵夫人』には、”七本枝の燭台”が登場するのですが、燭台とは「教会の儀式でよく見かける蝋燭立て」です。それが7本枝ということは、1つの台座に7本の蝋燭立てが付いているもの、ということになります。



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