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今日の召し上がれ

〜黒胡麻と黒胡椒の
黒パンと
フツーノトマトと柚子の
ブリュスケッタ〜

先日、黒胡麻と雑穀米の黒パンをご紹介させていただきました。

今回はそのバリエーションとして黒胡椒のバチっと効いた黒パンに普通のトマトを乗せただけのシンプルなブリュスケッタをご紹介します。

胡麻
先日もご案内いたしましたが、ゴマにはビタミンとミネラルが豊富に含まれています。
さらに、抗酸化成分として有名なポリフェノールとセサミンを含んでいます。脳を傷付ける活性酸素を抑えるこの2つの成分により、アルツハイマーの予防や動脈硬化の予防、アンチエイジングにも効果があると言われています。

トマト
トマトにも有名な成分が含まれていますね。そうです。デコピ…リコピンです。
リコピンも活性酸素を抑え、アンチエイジング効果が期待できる他、血液サラサラ効果や代謝の向上、そこから脂肪の燃焼効率を上げ、ダイエットにも効果があると言われています。
さらにコラーゲンの生成を促す効果もあり、美肌効果も期待できそうです。
トマトの栄養や効能はどこに行っても話題になる程高く、そして有名なので、あえてここでの紹介は控えめにさせていただきますね。

「トマト」の名前の由来はナワトル語(メキシコやアメリカ南部に住む先住民、いわゆるインディアンと呼ばれる人たちの言葉のひとつ)で、「膨らむ果実」を意味するtomatl(トマトル)だと言う説があります。
また、トマトルはもともとほおずきを指していたと言われています。
トマトは南米、アンデス原産とされており、チェリートマトの様な小さな実をつける物が自生していたそうです。
それが今のメキシコや北米地域に伝わった際に、実の形が良く似たほおずきを指すトマトルという名前が使われたのかも知れませんね。

トマトの学名にあるlycopersicum(リコペルシク)はギリシャ語で狼を表す「lycos」と、桃を表す「persicos」を合わせた物です。
ではなぜ、「狼の桃」なんて名前が付けられたのでしょうか。
実はベラドンナと言う、トマトに似た毒草があります。
そのベラドンナが狼男を召喚する為に用いられると言う伝説が元になっていると言う説や、昔ヨーロッパではトマトがベラドンナに似ている事からトマトにも猛毒があると信じられていて、「そんなものを食べられるのは狼だけだ」なんて言われていたとの説があります。
リコピンと言う名前はこの学名から来ているんですね。

「トマトが赤くなると医者が青くなる」なんてことわざがあるくらい美容や健康に大きな効果があると言われているトマトのリコピン。
にも関わらず実はその名前は毒草から来ているだなんて、歴史と言葉の繋がりって面白いですよね。

西欧では、トマトは赤く丸いリンゴに例えられる事が多く、イギリスやフランスでは「愛のリンゴ」、ドイツでは「天使のリンゴ」なんて呼ばれたりもするそうです。
トマトにも数多くの品種がありますが、イタリア料理に欠かせないポモドーロと言う品種があります。
このポモドーロ、イタリア語で「黄金のリンゴ」という意味なんだそうです。
やはりリンゴなんですね。

リンゴの様に毎年同じ木になる実を果物、毎年生え変わる草につける実を野菜と分類します。
なので、スイカやメロン、イチゴなんかは本来、野菜に分類されています。
お役所仕事の中では「果実的野菜」と言う分類に入るそうです。なんだか中国語みたいですね。
もちろんトマトは野菜です。
フルーツトマトと呼ばれるトマトもありますが、野菜です。

昔アメリカでは、野菜には税金がかかっていましたが、なぜか果物には税金がかかっていなかったそうです。
にも関わらず野菜と果物の分類がはっきりしていなかったので、ある八百屋さんが「トマトは果物だから税金は払わない」と駄々をこねて裁判沙汰になり、結局「トマトはデザートとして食後に食べたりしないから果物とは言えない」と言う判決が下され、税金を払う事になったそうです。
こう考えると確かに「果実的野菜」と言う分類は必要なのかもしれませんね。

いつの時代にも、法の抜け穴を縫ってお金をがめる人もいれば、
訳のわからない法律を作って税金を搾り取ろうとする人もいるんだなー…と苦笑いするしかありませんでした。

さて、本日の「トマビアの泉」。
皆様お楽しみいただけましたでしょうか。

お料理や食材に関する雑学やうんちくなども、食卓を彩る大切なエッセンスになる物です。
お店が潰れない限り、お店をクビにならない限り、ささやかではありますが皆様に「食べる楽しみ」や「食卓を囲む喜び」をお届けできたらいいな、と思っています。

いつも応援してくださる方々、本当にありがとうございます。
どうぞ、これからもよろしくお願いいたします。

#料理 #レシピ #ハーブ #スパイス #美容 #健康 #胡麻 #パン #トマト #柚子 #ブリュスケッタ

詳しいレシピ

トマト…1ヶ
柚子胡椒…適量
ハチミツ…適量
レモン…適量
塩…適量
EXバージンオリーブオイル…適量
パン…適量

トマトを1cmくらいの大きさの角切りにします。皮も種もそのままで大丈夫です。むしろ、1番美味しい所だと思っています。
お好みのパンに合わせて、柚子胡椒、ハチミツ、レモン、お塩、オリーブオイルで味を整えてください。

なんだか適当な感じのレシピになってしまいましたが、実は今回はパンを主役にしたかったんです。

「ねえねえ、美味しいパンを見つけたの! ブリュスケッタにしてみたら美味しいんじゃないかなーって思ってやってみたんだけど、どう?ねえねえ、どう?」
「やーん♡やばーい!このパンまじでやばーい♪」

をコンセプトにしているんですね。

なので、何よりも大切なポイントはお好きなパンを用意する事です。
そして、そのパンが甘めのパンならハチミツを少なめにして、柚子胡椒とレモンの爽やかさを引き出してあげましょう。
そうする事で、口の中で噛んでいる間にパンの甘みがじわーっと出てきます。
「あー、本当だ!このパン、甘くて美味しいね♪」
を目指しましょう。

もし、選んだパンがフランスパンの様に塩気が効いていて、甘みの少ない物であれば、ハチミツをちょっと多めに入れ、レモンは控えめにしてみてください。
甘〜いフルーツトマトの様なイメージです。
噛んでいる間にパンの塩気が出てくるはずです。その後にほんのりと小麦粉の香りと甘みが感じられるバランスが取れたら完璧です。
明日からうちのお店の料理長になってください。

ちなみに今回の黒パンは、パン自体に甘みと胡椒のスパイス感、胡麻の風味が効いているので、トマトは本当に普通の物で、その他の調味料はほとんど加えていません。
ほんの少しの柚子果汁とオリーブオイルだけです。
トマトに酸味が少なかったので、柚子果汁を加えて味を引き締め、パンの甘みと香りを引き立てる様にイメージしてみました。

これはどこまで行っても正解はありません。
大好きなパンが「美味しいな」と思えるラインを探してみてください。

小さなパーティーであれば、みんなで好きなパンを持ち寄って、刻んだトマト、レモンスライス、お塩、胡椒、ハチミツ、マスタード、チーズなどを別々の器に入れておき、手巻き寿司の様にみんながそれぞれの好みで味を作れるスタイルも面白いかもしれませんね。

パンを楽しく美味しく食べる為の、1スタイルの紹介だと思っていただければ幸いです。

明日、ちょっとだけ違う目線でパン屋さんに行ってみてください。
もしかしたら素敵な出逢いがあるかもしれませんね。

ないと思うけど。

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