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今月の1冊~2022.09

2022年、9月。
9月というのは、父の誕生日(忘れがち、、)そして夏休みを経て子供の学校がはじまる月。またまだ暑いですが、少しだけ秋の気配とともに、ほっとする月なんじゃないかなと思うこの頃です。

読む本は数あれ、ぐっとくる1冊にはそんなに簡単に出会えない。
そんな中でも毎月1冊もしあれば2冊、自分のなかでこれは・・と思ったものの感想を書いていこうと思います。
本の要約ではないと思うので気になる方は是非ご自身で読んでください!

今月は、
ディック・ブルーナ
永遠のデザインとことば 

おそらくウサギのなかで一番有名であろうミッフィーちゃんの生みの親、ブルーナさんのことばの本。ずっとデザイナーとしてきっちりと仕事をされていた彼の、日常のエピソードがつづられています。自転車でオフィスにむかって、そして仕事をして。そんな毎日のなかでの喜びや様々な感情がそこにはありました。

あたりまえのことをあたりまえにやる。彼のデザインに向き合う姿勢は、そんな言葉が一番しっくりくる気がしますが、これが一番難しいし、これをできるということは本当に素晴らしい。デザイナーとして新しいものを作り続けるという使命を、本当にきっちりとそして真摯に向き合うからこそ、シンプルでわかりやすく、そして可愛いらしいミッフィーちゃんが生まれてきたのだなと思うと納得です。ミッフィーちゃんのたくさんの冒険は、誰でもが日常で経験することに、少しだけドキドキするようなそんな感情を足して、鮮やかに描き出されています。誰もがもっているものを、新しく魅せるそのデザインは、かけがえのない希望をみんなに与えてくれていて、いつ手にとってもほっこりとそして安心があります。

デザイナーとして日々私もすごしていますが、こんなにもきっちり仕上げることに対して、もう尊敬以外のなにもないです。新しければ目立つし、それを欲されるときもある。違いをみせないといけないんじゃないかと逡巡することもあるのが私の日常です。でもそれを乗り越えて、いまここにあるものを鮮やかに再構築し、彩り豊かなミッフィーちゃんをみると、ちゃんと向き合おうと身が引き締まります。良さを十分に引き出す。そして見落としてしまい気づかないような喜びにリーチする。そんなことができるデザイナーに1歩でも近づきたいと思ったのでした。まだまだ修行は続きそうです。

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