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光の中


「光の中に何が見えるんだい?」

男が聞いた。

「たぶん、今は何も見えないよ。だって、眩しいんだもん。眩しくてつい目を瞑ってしまう。でも、キラキラとしているから、また光の中を見たいの。」

そう言って、彼女は視力を失ってしまった。

「でも、どうして君は笑顔なんだい?」

彼女が視力を失った後、男が聞いた。

「前は見えなかったものが、たくさん見えるようになったの。目で見えるものには限りがあったみたい。」

そう言って、彼女はまた微笑んだ。

「それで、光の中は見えたのかい?」

男がまた聞いた。

「えぇ、それはそれは・・・でも、この世にあるすべての言葉を使っても表せないの。どうして伝えればいいのかしら・・・」



「あぁ、こういうことか」


蠍凛子

「表現・創造すること」は人間に与えられた一番の癒しだと思っています。「詩」は、私の広い世界の中のほんの一部分です。人生には限りがある。是非あなたの形で表現してみてください。新しい世界に出会えます。