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無理にやる気を出そうとしない本

なかなか治らないなあと思っていた風邪も、ようやく実感できるぐらいの回復をみせている。
しかし心の風邪のほうは、一進一退といったところだ。

一朝一夕とはいかない、一進一退。
三歩進んで二歩下がるならトータルでみて一歩前進だが、一進一退となるとプラスマイナスゼロだからちょっとつらい。
…一進二退でないだけましだと自分を慰めている。

不安感やなにもかもを疑いたくなる気持ちに押しつぶされそうになる時間帯もあるのだが、本に集中しているときは忘れられる。
思えば高校時代、彼に振られたときも貪るように本を読んでいた。わたしにとって本は薬代わりなのかもしれない。

∽∽∽

ところで、だ。
「やる気の出し方」を説く本はたくさんみられるが「やる気が出ないなら出ないでゆっくりいこうぜ」と寄り添ってくれる本の少ないこと。
その事実だけでも世間一般的には「やる気が出ない=悪」と捉えられているように感じる。

しかしわたしは見つけた。
やる気が出ないときにうってつけの本を。
2冊紹介しよう。

①『時をかけるゆとり』朝井リョウ

『桐島、部活やめるってよ』で一躍有名となった朝井リョウ氏が、自身の(おもに)大学生時代を振り返ったエッセイである。

若さゆえの無鉄砲さ、無意味なことを無意味だと疑わず真剣に取り組む衝動性、そこに著者が抱えるおなかの弱さと中二病がくわわり、吹き出し必至の衝撃的なエピソードが満載だ。

ひとつひとつのエピソードはそれだけでもおもしろいというのに、まるで漫才のような文章展開とセンスの光る表現力のおかげで、なにも考えず頭を空にしたまま一気に読みすすめられる爽快感。

最高にくだらなく、下手したらネタ番組の数倍笑える。
同氏のエッセイは今回はじめて読んだが、ちょっとこれはクセになるかも。
オードリー若林正恭さんやハライチ岩井さんのエッセイが好きなら、はまる可能性が高い。

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②『怠けてるのではなく、充電中です。 昨日も今日も無気力なあなたのための心の充電法』ダンシングスネイル

無気力症、うつ病、不安障害を患った著者の絵日記を編集した本書。

「ちょっとでも運動したほうがいい、日光を浴びたほうがいい、わかっているけどそれさえ億劫でできない」とか、「忙しいときはやりたいことがたくさんあるのに、いざ時間ができると虚無」とか。

あるよねーーーー!!!!

こうしなさいとか、こうしたらダメだと有益なアドバイスをするわけでもなく、ただただ筆者の感じたことをつづっているだけ。
だから押しつけられる感もなく、否定される感もない。

「ああー、自分だけじゃないんだなあー」、「そうだよねー、そうだよねー」と、めちゃくちゃ気の合う友だちと長電話している感じ。
絵日記というだけあってイラストが多いから読むのに負担もかからない。

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まだまだ、もっともっと本が読みたい。
本はわたしを救ってくれると信じてる。



今日も読んでくれてありがとうございます。
あなたが最近読んだオススメの本は、なんですか?

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