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読書まとめ『いい階段の写真集』→立ち止まって、踏める芸術

『いい階段の写真集』bldg. mania cafe

https://pie.co.jp/book/i/4411/


一言で言うと

立ち止まって、踏める芸術



概要

完全に趣味の本です。なんか急に、すてきな螺旋階段の写真が見たいなーと思って、図書館で借りてみました。

螺旋階段もいくつか掲載されていますが、○○産業会館とか、もっと渋めの階段が中心です。階段は、作りっぱなしではなく、日々使われて塗装が剥げるなどの経年変化がおこるもの。そういった変化から歴史を感じることもでき、階段の「味」として楽しめるのがよいですね。

よくよく考えたら、踏める芸術作品ってなかなか珍しいですよね。外から眺めて、実際に踏みしめて手すりに触って、昇降して変わる景色を眺める。色々な楽しみ方ができるところが階段のよさだと思いました。

著者のBMCが大阪を拠点にしているので、掲載されている階段は大阪のものが多いです。東京の階段はそれなりの数が掲載されているものの、あとは鳥取や岡山などピンポイントで数件でした。昭和から栄えた地方都市なら、探せばおもしろい階段は見つかりそうです。

本稿では、関東在住の私が「会いに行ける階段」として、印象に残った東京都内の階段を3つ紹介します。



① 東京文化会館:赤と青の螺旋階段

ホールに向かう来場者の興奮をかきたてるような、真っ赤な螺旋階段。赤の螺旋階段はチケットなしで入れるゾーンにありますが、出演者のみが入れるスペースには青い螺旋階段もあるそう。貴重な青が見られるのは写真集の特権です。

東京文化会館は、上野駅公園口を出てすぐ。1階にはたしか音楽グッズのショップもあったと思うので、上野動物園に行った帰りなどにでも訪問したいと思います。階段に限らず、建物全体がアートですね。



② 新橋駅前ビル一号館:変則三角形階段

不規則なビルの形に合わせた、変則的な形の階段です。写真の右上の方にある、三角形(というか台形)の階段ですね。

https://www.arakan.life/entry/2018/11/12/171611

新橋に4年半勤務していて、このビルの外観は視界に入ってはいたんですが、ビル内には1回しか入ったことがありませんでした。案内所の大理石のカウンターなど、他にも歴史を感じさせるつくりが残っているそうです。

なお、駅前の再開発によって、このビル自体が取り壊されることが決まっているとのこと。作業が遅れており、まだ取り壊しは始まっていないようですが、新橋勤務のうちに行っておけばよかったなーと後悔しています。



③ 目黒区総合庁舎:曲線美の階段

なめらかな曲線が印象的な、庁舎の顔ともいうべき階段です。実用的でありながら芸術的というのは、階段ならではの特徴だと感じました。階段以外にも、各所に曲線を配したデザインが印象的です。

もともとは生命保険会社の本社として建てられ、のちに区の庁舎に転用されたようです。今だったら、箱ものにお金をかけるな!とか言われそうですけどね。

設計者の村野藤吾は著名な建築家だそうですが、階段の意匠が白眉で、人呼んで「階段の魔術師」。関西大学千里山キャンパスなど、本書でも多くの村野作品が掲載されています。東京都内では日生劇場や日本橋高島屋の増築部なども設計しているようです。



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いつも図書館で本を借りているので、たまには本屋で新刊を買ってインプット・アウトプットします。