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「そんな色ってあるの?」とか寒い質問でもしてみるかww【読後感想】村上龍『限りなく透明に近いブルー』

記憶では90点だった。でも、再読して、80点にした。75点でもいいと思った。ひとつの時代なんだろうな、そう思ったね。

1976年
 ヤバイ本
 純文学
 80点
 4.0h

記録をみれば、3年ぶり3回目の読書だった。冒頭でも書いたが、記憶ではもっと高評価だった(残念ながら3年前の読書記録には、点数やコメントは残していない汗)。

しかしだ、さすがに80点がマックスだ。75点でもいい。なんなら70点でもいいかもしれない。

時代が、この小説を売ったのだと思う。ところどころ分からないところもあったし(まあ、分からないこともないんだけど……)、気持ち悪くなったりもした。とにかく過激だった。そのイメージは残っていたが、それにしてもだった。

Q おもしろいの?
A そうでもない。

Q じゃあ、つまらないの?
A 分からない。分かることは、「読んでよかった」という感想だ。今、読んでも仕方ないってことはあるような、いや、今だからこそいいのか、だけどこういう作品の代替作品はある。ちゃんと今の時代にあった良質な作品がある。ただ、『限りなく~』は、確実に、あの時代の、あるひとつの風景なのかもしれない。もちろん、マジョリティじゃない。マイノリティだ。でも、たぶんあった。こんなやべえ奴らがいた。仕方がなかったんだ。そういう時代だったんだ。なんだろう、語り過ぎたが、たぶん、そんな感じ。

引用して書いてもよかったし、パンチあるところを抜粋してもよかったが、感想はもう、上に書いた通りだ。それに、あまりに有名な作品だ。そんなことするのは、オシャレじゃない気がした。

……どうやら僕は、オシャレじゃない。せっかく付箋を貼ったんだ。付箋の名誉のためと理由をつけて、付箋の中から選別し、本書より抜粋する(って、本音を言えば、語るに野暮だってこともあるし、なんといっても刺激的過ぎるんだ。要は、適さない気もしているんだ汗 が、結局作品の力に頼ることにしたわけだ)。

 女がヨシヤマを突き放してこちらに走って来る。床の汚物を避けて顎を突き出しはだけた胸を押さえながら。僕は足をかけた。転んだ女を立たせて唇を吸おうとする。女は歯を食いしばり首を振って体を離そうとする。

本書抜粋

この、「僕は足をかけた。」ここよ! なんでかけるん! そして、唇を吸おうとする。「する」って書いてある。僕は、僕を見ているようなんだよね。また本編のあとには解説がある。そこで、こんなことが書いてあった。こんなだよ ↓(僕が付箋を貼った箇所のことに言及していると、なんか気分いいよね!)

 描き出された映像にはどこか奇妙な静けさが感じられるのだ。なぜか。主人公の眼と主人公の行為が密着していないからである。唇を吸おうとする僕と、それを見ている僕はまったくの無関係なのだ。

本書解説より抜粋

解説の冒頭に、本書受賞の背景が書いてある。要約する。

 『限りなく~』は刺激的だった。麻薬や乱交パーティーや暴行や常軌を逸したロック・コンサートの情景が新鮮な感覚で描きこまれていた。ジャーナリズムはそこに文学以外のもの、すなわち、現代の無軌道な青春の典型を見出した。つまるところ、作品そのものより、作品に描かれた青春が話題になったのだ。

この感じ、石原慎太郎の『太陽の季節』と同じじゃね。とか思ったり、まあ時代? 歴史は繰り返すんだね。では、『限りなく~』の次は『蛇にピアス』か? とか考えた。答えはない。これで〆る。

余談・予告。この『限りなく~』で、今年50冊めになった。予定より2週間遅れている。年間100冊を課しているので、あと50冊だ。こういうさっと読めるのもいいが、ごりごりの長編も読みたいものだ。『カラ兄』の3週目でもいいが、まだ読んでいない『白痴』か『未成年』でも読みたいな。が、明日は『風の歌を聴け』だ。記録を見れば、次で9回目らしい。村上繋がりで読むぞww とか書いたが、ほんとうは違う理由がある。それは明日書く。1年ぶりに読む。楽しみだ。

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