見出し画像

レバードFCF、アンレバードFCF、資本構成

今回はレバードFCFおよびアンレバードFCFの理解と、それらを用いたバリュエーションの違いはどこから来るのかという点を書いていく。
Levered FCFとUnlevered FCFを理解する際には、それぞれのキャッシュフローがBSのどのステークホルダーに帰属しているかを理解する必要がある。

以前上記については下記記事において説明しているので、時間がある方は参考にしてみて欲しい。


レバードフリーキャッシュフロー

LFCFはLeveredと書いてある通り、会社の資本構成を反映したキャッシュフローになる。有利子負債の返済(Mandatory payment)をおよび付随する利息支払をキャッシュフローの計算に反映することで株主に帰属するキャッシュフローを直接計算できるという特徴がある。従い、LFCFを株主資本コスト (Cost of Equity:CoE)により現在価値に割り引き直接的に株式価値(Equity value)が計算できる
なお、上記の特徴によりLevered FCFをFCF to Equity (FCFE)ともいう。

アンレバードフリーキャッシュフロー

UFCFは一般的な事業会社におけるDCF法によるバリュエーションで使用されるキャッシュフローの種類であり、ご存じの方も多いと思う。
Unleveredと書いてある通り、借入金等の有利子負債を考慮せず、資本構成に影響されないキャッシュフローを計算することができる。
当該キャッシュフローに基づき計算される価値はdebt free, cash free baseでEnterprise value(EV)となる。 

ここから先は

2,758字 / 12画像 / 1ファイル
この記事のみ ¥ 980