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オープンイノベーションの挫折~最悪の『出島』方式~

 日経電子版の記事【企業のオープンイノベーション なぜ空回り?】を一読し、何か違和感を感じて、2回ほど読み返してみました――浮かび上がってきたのは、そもそも『出島方式』でうまく行く訳がないのではないか、というものです――。



 オープンイノベーション(OI)を実施するのに、社を真っ二つに分断して、『OI担当組織』という『出島』と『既存組織』という『本土』を設けてしまえば、『既存組織』が『OI担当組織』に対して冷淡であったり、反発しても何ら不思議はありません。社内が『オープン』でない『クローズ』な状態になっているのに、社外とのOIなどうまく行くはずがないのは自明の理、と言うべきでしょう。

 鎖国が国是であった江戸時代の『出島』の例を見るまでもなく、『出島方式』=『(情報)封鎖方式』になりかねない恐れがありそうです。



 コト消費の時代に、ユーザーに刺さる体験価値を提供できるイノベーティブなプロダクト(モノ・サービス)を生み出すのに、ダイバーシティなエコシステムは不可欠で、その危機感からOIを模索するのは分かりますが、それは、経営者から従業員に至る全組織が一丸となって取り組まねばならないもので、「あなたはOI担当、あなたは今までのまま」などと言っている場合ではないはずです。

 経営者自らが率先して全身全霊で取り組み、社内の全組織・全従業員が自ら変わろうとしなくては、社の全ポテンシャル(全く新しい人事評価・技術リソースの見える化、など)を注ぎ込んだ実効性のあるOIなど望みようがなく、OIは絵に描いた餅に終わるに違いありません。



 OIは、試験的におっかなびっくり社の一部で始めようとしても、なかなかうまく行くものではなく、強いリーダーシップの下、評価方法から抜本的に変えて、全社一丸となって取り組むべきものだと考えられます。

 事業の成功する要素に『やる気』と『やり方』があるとすれば、根本となる『やる気』、『OIマインド』は、まさに出発点となるものです――

▶『OIマインド』とは……

①『共有』・・・OIへの取り組みを全社・全員で共有。

②『危機感』・・・OIでユーザーに刺さるニーズを商品化しなくてはならない
       という危機感。

③『主体性』・・・自分自身を変える。

④『社会的使命感』・・・自社のミッションに高い理想を追求する。

⑤『パッションとドリーム』・・・ミッションの目的への強い共感。



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