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事業承継の本当の敵~立ちはだかる流儀~

 日経電子版の記事【奮闘する「ムコ殿起業家」 衝突覚悟で老舗を大変革】は、改めて事業承継の難しさを考えさせてくれます。



 そもそも、歴史の長い同族会社など、中小企業の存続が危ぶまれる昨今、盛んに後継者難、後継ぎ不在が叫ばれますが、本当にそれが根本原因なのでしょうか?

 ――何故、後を継ごうと名乗り出る者がいないのか?

 ――何故、後継者がいないような状態になってしまったのか?



 この問いに対する答えが、この記事にはあるように思います――

● これまでの流儀を否定された義父とは、たびたび衝突した。

● 先代社長らの賛同を得られず、ひっそりとした船出だった。

● 義父には「やり方を変える必要はない」と一蹴される。
                     (以上、記事より)



 企業における保守主義は、企業には変えない方がいい部分もあるとは言え、変化の激しい時代、①顧客の『コト消費』に対応しなくてはならない時代、②『IT化』など技術の進歩がもたらす新しい手法を積極的に導入して業務の効率化を図らなければならない時代、③若い世代の『働き方』を考慮しなくてはならない時代には、立ちはだかる大きな壁となって、企業の変化対応、企業の進化を妨げます。

 企業に根を張った保守主義、『流儀』が、企業の進化を止め、働く者の成長を止めてしまっている可能性があるとすれば、後継者難は、保守主義のもたらす悪影響の一つに過ぎないとも考えられます。その意味で、事業承継の本当の敵は、会社に根を張った『流儀』なのかも知れません。

 顧客に寄り添っていない『流儀』は、会社の方針、業務の進め方としては不適切であり、お客様の変化、社会の変化に対応して、自らの経営の変革を全うする為には、記事にもあるように自ら変わる勇気、覚悟が求められているのだと思いました。



#COMEMO #NIKKEI

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