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センサーの塊になるスマホ~観察と監視のボーダーライン~

 日経電子版の記事【「犬並み」においセンサー開発へ スマホで口臭判定】は、とうとうスマホに「においセンサー」が搭載され、口臭の判定などを行うというリポートです。

  


 そもそも、IoTでデータを収集し(そのビッグデータをAIで)解析することで様々な課題に応え、ユーザーのニーズを満たしていく第4次産業革命の時代は、そのサービスの出発点となるデータの収集のためのセンシングのテクノロジーによって支えられている、とも言えます。

 ことに、私達一人ひとりの身の回り、心身や周囲の環境などについては、私達が肌身離さず携帯しているデジタル機器、スマホに多彩なセンサーを搭載する事が、最もデータの収集に適していることは間違いありません。記事にもあるように、「画像・映像」や「音」と比べてデジタル化の遅れていた「におい」のデータまでも収集できるようになれば、スマホを通して収集できる情報の量と質が飛躍的に増大し、それに比例して出来るコトが増えていくと期待されます。

 そう遠くない将来、近未来の社会では、スマホが私達の健康を管理し、未病対策の強力なツールとなって健康増進が図られ、医療費の増大が抑制されたり、私達一人ひとりが気象予報の観測点となって予報の精度が著しく向上するなど、その活用の領域は無限と言っても過言ではないかも知れません。



 そして、その際重要な事は、言うまでもなく、IoTのテクノロジーの持つ宿命、データ収集の目的が個人にとって有益な『観察』なのか、企業や国家による恣意的な『監視』なのか、という点に尽きるのではないでしょうか。ここでもまた、個人情報のあり方が問われていることは間違いありません。

 つい最近も、日経電子版に【アップル、Siriの会話分析中止 個人情報に配慮】という記事が載っていましたが、センシングのテクノロジーの進歩などによって様々な情報が集められるようになった時、データを収集する側は、自分達の集めているデータのプライバシーに関してセンシティブな対応をする、「本当にこの情報を使っていいのか、もし自分だったら」という感性が求められているのではないでしょうか。




#COMEMO #NIKKEI

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