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【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】「カボチャ」まるごと元気の源!

千葉市内、千葉駅すぐ、女性と子ども専門鍼灸院『鍼灸 あやかざり』です。いつも【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】の記事をお読みいただき、ありがとうございます。

10月31日はハロウィン。
すっかりおなじみとなったイベントで、日本の年中行事の一つにも加わっていますね。
そのハロウィンに欠かせないのが、かぼちゃで作られたジャックオーランタン。
かぼちゃは日本の冬至でもおなじみですが、ハロウィンとの共通点はあるのでしょうか?

そこで、今回はかぼちゃの東洋医学的な効能を含めて、そのヒミツとかぼちゃの魅力をご紹介していきます。

では、どうぞ最後までお楽しみください!


1.「カボチャ」の由来

「カボチャ」はウリ科の植物で、メキシコや中央アメリカには野生種が存在していますが、一般的に流通しているのは栽培種です。
日本では、日本カボチャ、西洋カボチャ、ペポカボチャの3種類が栽培されています。

●日本カボチャ

黒皮カボチャ

中南米の熱帯地域の原産で、16世紀にポルトガル人がカンボジアの産物として日本に伝えたことから「カボチャ瓜」と呼ばれ、のちに「カボチャ」と呼ばれるようになったといわれています。
表面がでこぼこしているのが特徴で、加熱するとねっとりとした粘り気が出て、甘みは少なくしっとりとした食感になります。
主な品種には黒皮カボチャや菊座カボチャ、小菊カボチャなどがあります。
近年注目を浴びているバターナッツカボチャも日本カボチャの仲間です。
バターナッツカボチャはひょうたん型でベージュ色の皮を持つとてもユニークなカボチャで、中実は鮮やかなオレンジ色をしています。

●西洋カボチャ

えびすカボチャ (黒皮栗カボチャ)

中央アメリカから南アメリカに位置する高原地帯の原産で、19世紀日本には19世紀中頃にアメリカから伝わった言われています。
皮はつるっとしているものが多く、甘みが強くホクホクとした食感が栗に似ていることから「栗カボチャ」と呼ぶこともあります。
日本カボチャに比べて栄養素を多く含んでいることも特徴です。
主な品種には黒皮栗カボチャ、坊ちゃんカボチャ、雪化粧カボチャなどがあります。
クセが少なく皮ごと生で食べられるコリンキーも西洋カボチャの仲間です。

●ペポカボチャ

アメリカ原産で、主に園芸用に栽培されており「おもちゃカボチャ」とも呼ばれます。
主に観賞用でハロウィンの飾りに使用されるので一度は目にしたことがあると思います。大きいものから小さいものまで、色や形は様々です。
食用の品種で有名なものはキュウリのような見た目のズッキーニです。淡白な味わいで炒め料理や煮込み料理に使われます。
金糸瓜もカボチャのなかまです。輪切りにして茹でると果肉がほぐれてそうめん状になる「そうめんカボチャ」や「糸カボチャ」などとも呼ばれます。

カボチャは地方によって呼び名がかわることがあります。
●南瓜(ナンキン):日本に運ばれる際に中国の南京に寄港していたことに由来します。秋の甘味を『芋栗南京(いもくりなんきん)』と呼びますが、このナンキンもカボチャのことです。
●ボウブラ:ポルトガル語で、ウリ科の植物を表す「abobora」が由来です。熊本県では『春日ぼうぶら』という伝統的なカボチャが生産されています。
●唐茄子(トウナス):形がナスに似ているため、中国から渡来したナスという意味でトウナスと呼ばれます。

2.栄養学としての効果

西洋カボチャは日本カボチャに比べて栄養価が高く、特にβ-カロテンは日本かぼちゃの5倍以上多く含んでいます。カボチャの主成分は炭水化物で、カリウムやカロテン、ビタミンEも多く含まれています。

【カリウム】
塩分をからだの外に排出して、血圧を下げる働きがあります。
また、塩分といっしょに余分な水分を排出することでむくみの予防にもつながります。

【β-カロテン】
緑黄色野菜に含まれる橙色の色素成分で、抗酸化作用があり、からだの中の活性酸素を減らします。
免疫力が高まり、活性酸素による老化や癌、動脈硬化などさまざまな悪影響からからだを守ることができます。
また、β-カロテンはからだの中でビタミンAに変化します。
ビタミンAは目や皮膚の粘膜を健康に保つ働きがあるので、からだの抵抗力が強まります。この時期、花粉症で悩む方には大切な栄養素です。

【ビタミンE】
強い抗酸化作用を持つ脂溶性ビタミンで、血管や肌の老化を遅らせる作用があります。体内の脂質の酸化を防ぎ、動脈硬化や血栓の予防、血圧の低下、LDLコレステロールの減少などの働きもあります。加齢によって発症しやすい疾患の予防に役立つことから、“若返りのビタミン”とも呼ばれます。

カボチャを食べるときには、かたい皮や種を捨ててしまいますが、皮や種にも栄養が詰まっています。
例えば、皮にはβ-カロテンが実の2倍以上も含まれています。また、種にはミネラルやたんぱく質、良質な脂質が多く含まれています。

皮は煮物や炒め物などでしっかりと火を通せば柔らかくなりますし、種は煎ったりオーブンで加熱すればカリカリ食感で美味しく食べられますよ。
ぜひ、挑戦してみてください。

3.東洋医学的な効能

中国名「南瓜」は二ホンカボチャと同じ系統で、蜜本南瓜、黄狼南瓜、大磨盤南瓜などの中国種です。
東洋医学的には、「南瓜」は以下のような属性と効能をもちます。

【性質と味】 
甘、平(甘・酸、温)
【関連する臓腑経絡】 
肺・脾・胃経(脾・胃)

①健脾開胃(けんぴかいい)

カボチャは脾胃を温める効能を持つため、胃腸の働きを高めて食欲を増進させます。

②補中益気(ほちゅうえっき)

体を温めながら胃腸に力を付けて体力を向上します。

③潤肺(じゅんぱい)
弱った肺の機能を高めて、肺を潤します。
喘息や気管支炎の症状を和らげます。

古い文献には、カボチャは甘味で温性とされていますが、食べ過ぎると余分な水分が溜まってしまい、気や血の循環が悪くなりやすいです。
「気血両虚」で胃腸の弱い方や、「陽虚」や「食積痰湿」で水太りの方、もともと血行が悪い「気血うっ滞」の方は控えめにした方がよいでしょう。

4.ハローウィンとカボチャ

ハロウィンは毎年10月31日に行われるお祭りで、カボチャをくりぬいて作ったランタンを飾ったり、仮装した子供たちが近くの家々を訪れてお菓子をもらう行事としてす定着し、今では日本でも楽しまれています。

ハロウィンの発祥はアイルランドで、古代ケルト民族の人々が秋の収穫を祝い、悪霊などを追い出す宗教的な祭礼が起源です。
ハロウィンの日、玄関に火をともしたジャック・オ・ランタンを飾っておくと悪霊が家の中に入ってこられなくなるという言い伝えがあります。またに、ランタンの火は祖先の霊を迎える目印の役割もあるともされています。なんだかお盆の迎え火に似ていますね。

そんなジャック・オ・ランタンですが、昔はカブだったそうです。

ケルト人の末裔であるアイルランドやスコットランドの人々がアメリカに移住した際、当時のアメリカではカブが入手しづらかったために、代わりにカボチャを使ってランタンを作ったと言われています。
その後、「ジャック・オ・ランタン=カボチャ」として広く定着しました。現在でもスコットランドなどでは、カブでジャック・オ・ランタンを作るところがあるそうですよ。

5.冬至とカボチャ

カボチャと言えば日本では冬至にカボチャを食べる風習があります。
この風習ができたのは、江戸時代からだと言われています。
冬至を境に陽が長くなっていきますが、寒さは一年でいちばん厳しい時期であるため、栄養価の高いものを食べて風邪を予防すると考えられていました。そこで、夏野菜ではあるものの長期保存が効くカボチャが、冬の栄養源となりました。
また、冬至に「ん」の文字が含まれる食べ物を食べると、運気が良くなると言われており、南瓜(なんきん)もそれに当てはまることから現代まで風習として伝わっています。

では、東洋医学から見た冬至とは?

東洋医学には『陰極まれば陽に転ずる』という言葉にもあるように、陰のピークである冬至を超すと、自然界では徐々に陽気が高まっていきます。
ただ、寒さが一番厳しい時期でもあり、空気も乾燥してかぜを引きやすくなります。
中医学では、かぜは「風邪」や「寒邪」といった邪気が身体に入り込むことが原因と考えます。
このような邪気に対しては、からだの気を巡らせることが大切です。

カボチャは本来は夏野菜ですが、温性で体を温める食材です。
体を温めて胃腸の消化吸収を促すことで、元気をつけることができます。

6.千葉とカボチャ

千葉県のカボチャの収穫量は近年減ってきていますが、2021年の時点で全国第10位となっています。
千葉県産かぼちゃの旬は6月中旬から6月下旬が旬で、おすすめは千葉ブランドの「九重栗(くじゅうくり)かぼちゃ」。栗のように甘くてホクホクのカボチャです。
白子町のふるさと納税の返礼品にもなっていますので、気になった方はぜひ調べてみてください。

ただ、カボチャと言えばお菓子でしょ、という方もいますね。

千葉駅の改札内にあるパン屋マロンドさんには、この時期にハロウィン蒸しパンが登場します。ふんわりとした蒸しパンには 可愛らしいゴーストの顔が描かれています。口に入れるとしっとりとしていて、ほのかにカボチャの風味が。そしてとてもなめらかであっという間に溶けていきますよ。

7.まとめ

ここまでカボチャのヒミツやすごさをご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
『「カボチャ」はまるごと!元気のヒミツ』はお楽しみいただけましたでしょうか?

このように、身の回りにあるいろいろなものを東洋医学的にみていくと、鍼灸のほかにも、身近なところに自然治癒力を高めるヒントがたくさんあることに気づかされますね。

食養生、毎日の食事こそがわたしたちの身体をつくるもととなっています。最後までお読みいただきありがとうございました。

それでは、鍼灸でからだも心も元気になりましょう!

鍼灸 あやかざり
千葉駅5分 完全予約制 女性と子ども専門の鍼灸治療院
千葉県 千葉市中央区新町1−6 ラポール千葉新町202
TEL:070-8525-6132

https://ayakazari.com/

画像の出典:https://www.photo-ac.com/

参考文献:『中医臨床のための中薬学』、『東方栄養新書』、『オールガイド食品成分表』ほか
参考資料:農林水産省ホームページ『うちの郷土料理』

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