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銀河英雄伝説と組織論

銀河英雄伝説と組織論

リブート版アニメの次期公開が控えているとはいえ、それを待ちきれずにAmazonプライムで配信されている昔のアニメをひたすら見続けて90話を過ぎたあたりにいます。銀河英雄伝説。なぜこれほどの名作を見ずに生きてきたのか。例によって僕も一番好きなキャラはヤン・ウェンリーです。

用兵という現代世界では耳慣れない言葉が飛び交うアニメですが、これを「人材活用」と読み替えると急にイマドキな感じがしてくるのは不

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「好きなことで、生きていく」は「好き放題しても生きていける」へ。レペゼン地球炎上に寄せて

「好きなことで、生きていく」は「好き放題しても生きていける」へ。レペゼン地球炎上に寄せて

個人的にはレペゼン地球というグループのことは知らなかったし、ジャスミンという人がDJ社長という人からのセクハラを受けて辞めるというツイートだけを目にして「酷いことがあったもんだ」と表面的な同情心を抱えつつ、遠い世の中で起きた悲しいことの一つとして冷たく処理した、というのが実態に近い。

その後、実はそれは嘘で新人を売り出すためのパフォーマンスだった、ということを動画で知ったとき、僕の感情が動いたの

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「自分が納得できる投票」に至るまでのコストの重さ

選挙のたびに思うのですが、選挙で自分が納得できる投票を行うために必要なコストって社会人が負うには大きすぎるのではないでしょうか…。

将来のために選挙が重要なのは重々承知なのですが、それぞれの政策の良し悪しを先入観無くして見極めるのはなかなかに大変な作業で、たとえば脱原発ひとつ取っても、あるいは経済政策の方向性なんかでも、学者達でさえ意見が反目しあってる中で選び取るのは至難の業。

かといって

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映画の感想を書くときに。

ここ最近、フィルマークスで映画の感想を書くことにハマってしまい、感想を書くために映画を観る、などという倒錯した動機も半ば冗談、半ば本気で自覚しながら映画館に足を運んでいる。

長文で映画の感想を書いているときに自分が何を考えているのか、というのも感想を複数本書くに従って見えてきたので、備忘がてら書き残してみる。

まずもって重要なのはもちろん「観て面白かったかどうか」なのだけれど、面白いと感じる映

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言い切り方/イキり方/生き方

言い切り方/イキり方/生き方

 アルファツイッタラーと俗称される人々は、仕事がデキるとされる人々としばしば共通する性質を持っているなぁと、かねてより感じている。そのうちの一つは「言い切り力が高い」という点。

 僕はどちらかといえば言い切り力は低い方で、仕事では言い切らないといけないシーンも多いので訓練により身につけたものの、プライベートではあまり言い切らない。仕事がデキる同僚にプライベートの悩みを話すとたびたび随分と割り切っ

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退廃の塔

退廃の塔

 僕らがあれだけ盲目的に信じて頼った権威なるものをバイパスした形で消費が行われ始めているという事実はあまり顧みられることなく着々と進行している。かつて栄華を誇った塔の上の人々は焦りを感じているだろうか。

 当然ながら理論的な裏付けがあってこその権威も本来の成り立ちとしてあるにせよ、権威は権威を信じる人々が再生産している部分も多分にあったことは否めないだろうし、そのような仮想の権威は目下のところ、

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意地と煙草と。

意地と煙草と。

 ホウ酸だんごさんの煙草に関する記事を読んで思い出す。

 大学時代に吸っていた煙草は「DEATH LIGHTS」というもので「喫煙は、あなたにとって心筋梗塞の危険性を高めます」というお決まりの注意書きがこれほど似合う煙草があるだろうかというくらいに髑髏マークがキマっていた。

 普通のコンビニになんて売っているわけもなく、札幌市大通のドン・キホーテにわざわざ行っては一定数を購入し、寒空の下で独り

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いいねと言い値

 noteで課金したり、BASEでハンドメイド品を購入したりすることに徐々に抵抗がなくなりつつある昨今、物の値段という概念についてときどきよしなしごとを考える。

 あのお店で並んでいる商品に支払う100円と、インターネットのか細いつながりでたどり着いた見知らぬ誰かに支払う100円を僕は同じ金額、同じ価値のものとしてみなしているのだろうか、それとも少し違う感覚のもとに支払っているのだろうか。

 

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アップデートされる道徳

もし僕に学校教育をコスト度外視で好きにいじりまわせる権限が与えられたなら、「議論の仕方」「感情のコントロールの仕方」「道徳(アップデート版)」といった授業を小学校か中学校で展開したい。
模範となる人格を持った人間、高潔な人物、というのはそういえば現代では全然見かけない。過去は見かけたのかというと定かではないけれど。

飲み込む道徳から、噛み砕く道徳へ僕の時代の道徳の授業というものは、大抵教訓を含ん

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タスクに落とし込むということ

こちらの記事を読みました。

今の時代、「ふわっとした仕事を具体的なタスクに落とし込むスキル」だけで十分食えると思う
https://blog.tinect.jp/?p=52516

僕は機会に恵まれて、オーダーメイド型のサービス提供と定型化されたソリューションサービスの提供の両方を仕事として経験しているけれど、「サービスのクォリティ担保が方法論に内在している」というのは英知というか、素晴らしいこ

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SNS時代の倫理及び思想の毒性。

まとめサイトなんかを眺めていると、ついつい家族問題系のまとめをクリックしてしまう。そこで語られるのは古今東西よくある話で、やれ不倫だ、やれ姑とバトルだ、といったエピソードが並んでいる。

うーん。
毒だ。

いや、もし自分がそのような状態に陥ったらどう対処すべきかとか、そういう観点では有用なのだろう。しかしどちらかというと、そのようなエピソードに多分に含まれる偏見や決めつけに毒されるリスクの方が高

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