飯野いいの

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飯野いいの

売買キカン/飯野いいの/兼山錦二 teamdedododo https://www.youtube.com/user/TeamDeDoDoDo/videos アイディアと魂とセンスを信条とし、驚きに満ちたコンテンツを投稿。 型破りかもしれませんが。

最近の記事

『パパのバカ』 B side

B面 「パパのパパ」○ 蟻塚家・トイレ(1ヵ月後、夜)     便器に座り、パジャマ姿でコミックを読む恵。     薄く開いたドアの隙間から親の声が聞こえてくる。  育雄の声 「じゃあ、切るね。……おやすみ」     と、受話器を下ろす音。 ○ 同・リビングルーム     テーブルで肩を並べるパパとママ。  蟻塚伸子 「……よかったんじゃないの」  蟻塚育雄 「親だけ、夏休みに海外へ行っていい思いするなんて皮肉言わ        れちゃったよ、こっちはNP

    • 『パパのバカ』 A side

      A面 「パパのまま」            登場人物        団地住まいの一家 蟻塚 恵  (12) 小六                    徹  (10) 小四                   育雄  (38)                    伸子 (35)      洋菓子店「アローイ」 相原あゆみ (44

      • 《天地百郎》 承前

        『とぐろを巻いて』 冒頭での悶々     高台の公園に佇み、天地百郎は考えを巡らせた。      ふとしたことで思わぬ行動に出るのはついているのだろうか、つ     かれているのだろうか。積み上げてきたものが妙な意味を帯び、つ     まらないことが重大な契機となりうるのだ。      つきはつねに定まらず、場合によっては変人扱いされかねない。     名演技と取りすましてみても、いずれそうでもないらしいことに気     づく。どう振る舞おうとずれやぶれを避けて通れないとわか

        • 『デデデのデ』 bonus

          ○ 宇宙空間     めぐる地球。美しい星。     その周囲をまわる衛星の数々。     飛び交うデブリや流星体。 ○ 衛星     その一つに付着する塵。     ぴくりと動く未確認物質。     飛び交う電波や信号。 ○ 特典映像     各挿話のbehind-the-scenes(BTS/舞台裏映像)。     様々なデブリに乗って現れる。     Ⅰ 「故Q」:それは衛星の破片か?     Ⅱ 「テニヲハ」:それは星のカケラか?     Ⅲ

        『パパのバカ』 B side

          『デデデのデ』 Ⅴ

          Ⅴ 「ヤルノナゼ」○ 顔の大写し     ぬっと現れる、ブストネルスキー書記の顔。     ちょっとお疲れの様子。  合の手 「きゃ、ブストネルスキー書記!」     という若い女の声。     バルコニーから群衆に演説する写真、数カット。 ○ 執務室     書き割りっぽい空間をスポットライトが照らすだけ。     椅子に座り、テーブル上の料理を眺めるブストネルスキー書記。     そこには山盛りのオムレツ。     姿勢を正し、正餐気取りでおもむろに

          『デデデのデ』 Ⅴ

          『デデデのデ』 Ⅳ

          Ⅳ 「ザンダカ主義」○ 公園     辺りに桜が咲き誇る花見の季節。     多くのグループがそれぞれの流儀で楽しむ。     外国人の姿も珍しくない。 ○ 同・芝生の外れ     中東系の髭男4人組がゴザに座って談笑中。     (年配のヤバイ、のっぽのシヌ、ちびのヘンナ、でぶのクルシー)     酌み交わすのはミルク色の飲み物、母国産の蒸留酒アラック。     ひよこ豆の缶詰、ケバブもどきの焼き鳥などがつまみ。     酔って目が据わりはじめ、ときおり

          『デデデのデ』 Ⅳ

          『デデデのデ』 Ⅲ

          Ⅲ 「ドク・タンゴ」○ 控え室     勢いよく振りまわされる拳。     軽快な腰つき。     サンドバッグを叩く重厚な蹴り。     にやりと笑う、ドク・タンゴ選手。     カメラに顔を寄せる、レポーターの荘ジャン。     興奮した面持ちだが、声は抑え目。  荘    「イエーッ!(と顔面ポーズを決め)、ついにこのときがやっ        てきました。レポーターの荘ジャンです。格闘技王の決まる        決戦を控え、私はいま緊張感みなぎる特権的な

          『デデデのデ』 Ⅲ

          『デデデのデ』 Ⅱ

          Ⅱ 「テニヲハ」○ 麻布の外国人バー     VIP席で少々酔い気味に席を立つ日本人男性。     なかば強引に金髪女性の腕を引っ張る。     隣に座る漆黒の女性が制するも、逆に押し倒される。     飛んでくる黒服。     その場をとりなし、男は揚々と金髪を連れ出す。     険しい眼差しでそれを見つめる漆黒の女性。 ○ 品川のシェアハウス     膝を抱えてソファに座る漆黒の女性。     すでに寝間着姿。     足もとのスマホに目をやり、諦

          『デデデのデ』 Ⅱ

          『デデデのデ』 Ⅰ

          Ⅰ 「故Q」○ 天井     ところどころに染み。     蜘蛛の糸が垂れ、わずかに揺れている。     家具もない粗末な部屋。     深いため息のあと、太郎のモノローグが始まる。  太郎の声 「……よく事実は一つって言うだろ。そんなの当たり前だって        思うだろ。俺だってそうさ。だけど、……違うんだよ。切羽        詰まった状況に身を置いたらわかる。所詮、記憶でしかない        んだ。……どこから話せばいいんだろうか。ありのまま言っ   

          『デデデのデ』 Ⅰ

          『デデデのデ』 intro

          ○ プレート理論     稚拙なアニメ     プレートテクトニクス運動の解説。     マントルの対流     密かに蠢く未確認生命体“Nuke/Nuke” ○ コンテンツ     各挿話のタイトルが画面を動く。     隆起したり陥没したりしながら。     Ⅰ 「故Q」:ドキュメンタリー的な     Ⅱ 「テニヲハ」:フィルムノワール式で     Ⅲ 「ド ク・タンゴ」:スラップスティック調に     Ⅳ 「ザンダカ主義」:クライムアクション流が

          『デデデのデ』 intro

          『め印』ⅲ

          ⅲ「あそこ」○ タイトル?     黒バック中央に進入禁止の標識     中のマークがもぞもぞ動きはじめ、     「あそこ」という標題に変わる           ・ ○ 寝室     ベッドですやすやと寝ている女。 ○ 薄明に浮かぶ標識     おぼろげに映る標識らしき影。        見上げていくとそれは進入禁止のマーク。     唐突に揺れる画面。 ○ 寝室     かっと目を見開き、何かを反芻するように中空を見つめ、     思い

          『め印』ⅱ

          ⅱ「まさか」○ 雑貨屋・表     さびれた商店街の真ん中にある“九十九ストア”。     店先で新装セールの呼び物にマジックショー。     手品師・牧シゲオが懸命にネタを披露。     が、客はまばらで技のレベルも低い。     店主の掛け声が空しく響くだけ。 ○ 同・居間     奥の居間で、店の隠居と牧シゲオの息子がテレビを見ている。     画面には壮大なイリュージョンショー。  隠居   「(茶をすすって)これ、ほんまにおまえの母ちゃんか」

          『め印』ⅰ

          ⅰ「ふいに」○ 女子高・廊下     小脇にバインダーを挟み、ゆっくり歩いてくる男性教師。     廊下を歩く者はだれもいない。     目をちらっとつり上げ、2年B組のドアを開ける。 ○ 同・教室     室内のざわめきが止む。     おもむろに教壇へつく教師。     ふと黒板を見ると“ABCね”とのチョーク書き。     黙ってそれを消す教師。     生徒に対し口を開こうとし、にやついた視線を受ける。     振り返ると、黒板にチョークで“A

          『学校で起こった奇妙な出来事』 ⑫

          ⑫ 「落ちこぼれ」○ バーガーショップ・店内     窓から見渡されるバスターミナル。     そこへ向かって歩く金森の姿。     案内板を確かめ、人込みのなかへ消えていく。     窓越しに見かけた彼を目で追いかける河野純一。     口をすぼめ、所在なさげに紙コップの氷をかきまぜる。 ○ 予備校・表      日曜教室を脱け出し、繁華街へ向かう河野。 ○ ゲームセンター     点数の上がらないマシンを蹴飛ばす河野。 ○ バーガーショップ・店

          『学校で起こった奇妙な出来事』 ⑫

          『学校で起こった奇妙な出来事』 ⑪

          ⑪ 「新学期の視線」○ 団地(早朝)     二学期の初日。     団地の玄関ホールを飛びだしてくる金森。     危うく新聞配達の青年とぶつかりそうになる。     すれ違って数メートル走り、彼がカーディガンを羽織っていること     に気づく。     足を緩める金森。  金森淳  「(つぶやくように)夏が終わるというのか」     あらためて周囲に目をやる。     季節の移り変わりが実感できるかどうか確かめようとする。 ○ 団地周辺の風景  

          『学校で起こった奇妙な出来事』 ⑪

          『学校で起こった奇妙な出来事』 ⑩

          ⑩ 「そして夏休みがやってきた」○ 海岸に近い駅  佐伯哲男 「さあ、着いたぞ」     夏休み初日の早朝。     3年D組の撮影隊が機材や私物を持って駅舎を出てくる。     真っ青な空に笑顔がこぼれ、口々に感想を述べ合う。  佐伯哲男 「お~い、みんなそろったか」  金森淳  「海はいいなあ」  長瀬叡子 「やっぱりきてよかったわね」  ビーダマイヤー「テツボー、やけに仕切ってるじゃないか」  スタンダリアン「その気にさせとけばいいよ」  トーテキ

          『学校で起こった奇妙な出来事』 ⑩