【学校】先生の話を信じてはいけない。
私は中学校で社会科の教員をしています。
授業などで、ここぞという時に、いつも生徒に対して真剣に言っていることがあります。それは「私の話を信じてはいけない」ということです。
年に数回ですが、これをめちゃくちゃ本気で真剣に生徒たちに語ります。生徒たちは、ふざけずに、いつも真剣に聞いてくれます。
1.生徒に伝える話
2.目的
こんな感じで、生徒たちに話をしています。
私は、生徒が大人になった時、上から言われたことを疑問を持たずに、そのまま信じるような人になって欲しくありません。役職が上の人や権力権威のある人の話を、そのままうのみにする人になってはいけないと考えています。
にも拘わらず、小中学校の学校教育は、意図せず、無意識的に、「言うことを聞く、素直な良い子」を積極的に育てていると思います。もちろん学校を運営する上では、素直で良い子が多いに越したことはありませんし、良い点も多くあります。しかし、これからの日本社会にとって、本当にそれでいいのか?学校教育として本当に良いのか?と心の中で疑問を持っています。
世の中では、盛んに「正解のない時代」「VUCA(予測困難)の時代」だと言われています。世の中や社会全体がそのようになっている時に、学校教育が量産している人間が、それに対応できる力を持っているのか、教員自身がもっと自覚的に考えていく必要があると思います。
だからこそ、私は上記のような考えを、真剣にきちんと生徒に説明をします。きれいごとや建前だけでなく、本音を言います。一人の大人の本気の意見を聞いて、何も考えない生徒はいません。私の話を真剣に聞いて、それぞれが何かしら考えています。それでいいのです。
私のこのような話は、生徒たちからは、一定の納得感があるようで、好評のようです。
また、ぶっちゃけ教育現場で、「先生の話を信じるな」なんて本気で言う教員はほとんどいないと思うので、私の話は生徒たちにとっては、新鮮で、人間として対等に見てくれているという印象を持つようです。
「私を信じるな」と言うことによって、私は教員として、逆に生徒から信頼を得ている気がします。
3.最後に
最近の生徒や子供たちを見ていると、本当に素直で、良い子が多いです。先生の言うことを良く聞き、疑うことを知らず、優しい子たちばかりです。感覚的に、昔よりもそのような生徒が増えているような気がします。
しかし、本当にそれで良いのか、自問自答しています。
私にできることは、せめて、物事を疑う力、疑問を持つ力、自分で考える力を、生徒が少しでも持てるようにすることだと考えています。そのため、今回はまず生徒にとって権威である教員を「疑ってみる」ことを、一つの方法として紹介しました。(もちろんこれは、学校や教員を信頼しない、のとは全く別のお話です。)
生徒が上記の力をつけることこで、これからの日本社会を良くしていけると、私は考えています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?