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名称未設定『詩のようなものたち』

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わたしが、わたしの言葉を書くリハビリをしています。
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記事一覧

毛布 /詩

毛布 /詩

毛布  2022/11/24 22:51

具合が悪いから寝込んでいる私の横に

君がぬるっとやってくる。

お昼寝なんて呑気なものじゃないのに、

君がそんな調子でいるから

知らず知らずのうちにのどかな昼下がりになってしまうじゃないか。

ここは地獄。ぽかぽかとした地獄。

あさのカーテンからさす赤い色に見える波長が

私たちの首をゆっくりしめているような風にも見えるけど、

これはもしや、赤

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仰々しく、 /詩

仰々しく、 /詩

詩 仰々しく、 2023/01/07 1:16

「スクリーンショットにして保存するのと、
 ダウンロードして保存するのと 何が違うんだろうね」

『固有のその重さを使い回すかどうかじゃない?』

「うん、まあ、そんなとこだろうね」

『わかっているならなんで聞いたの』

「いや、みんながそう認識しているなら残酷だなあって」

『残酷、なのかな、』

「残酷、というか、自分の目で見たそれだけを

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もうろう /詩

もうろう /詩

もうろう 2022/11/25 23:06

君と何度だって初めて出会いたかった。

パラパラ漫画の最初のいちまいめからさんまいめまで。

そんなのだけがずっと続いてみてほしかった。

君を見上げる首の角度に慣れる前に

何度だって忘れたかった。

脳の後ろの方にこびりつく

甘酸っぱいいちごを燻したような

もう甘いとも苦いとも分からない記憶の残り香だけ

それだけを纏って毎日鏡の前で、煙を巻い

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つぶやきたち、瞬き

つぶやきたち、瞬き

生ぬるい温度の飲みものが苦手だ。口に含んだ途端、自分の体温とおんなじくらいで混乱する。
自分が生きているのか死んでいるのかわからなくなる。だから、生ぬるい幸せも苦手だ。ひどくつらかったり、何も起こらなかったりする方が生きていると実感できる。

愛を纏うあなたは、私の心の中にいる方が美しい
恋を纏うあなたは、私の目の前に現れてこそ美しい

本当のこと
私は誰かのふりをすることを生きることだと勘違いし

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猿楽町でもう会わない

猿楽町でもう会わない

私とあなたがもう猿楽町で会わないために

夢は1人で叶えるものじゃなくて
自分の夢には色んな人の何かが絡まっていること
他人を無碍にしたら全部全部返ってくる
あなた以外があなたの世界にちゃんといますか?

きみのことが大好きなのも
あの人のことを忘れられないのも本当なの
こうやって生きていくために必要なのは器用さで、
器用さがないならさっさとその生き方は諦めた方がいい
中途半端なずるさじゃ、自分も

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メリークリスマス、Mr.ローレンス

メリークリスマス、Mr.ローレンス

適切な距離感でいること。
それはマナーであり、安心感に通ずる。
だけど、その距離を破る勇気がある者だけが愛されることができるのだと思う。そのためのキスだった。

私のために生きて欲しいと思う人がいて、
私のために死んで欲しいと思う人がいて、
でもそのどちらも、愛しい人であるとき。愛とエゴは切っても切り離せないものなのだと私を劈く。

パラレルワールドがあったとして。
きっと全ての並行世界は、私とあ

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自責で塗った

自責で塗った

自分のことを責めるのと同じくらい
自分のことを褒めたことはあるだろうか。

毎日の仕事から普通の会話から、反省点だらけになる。
自分はこういうところがダメだ、これができてない、
もっとこうすればよかったのに。

一日の中を振り返っていくと
自分の行動の概要が黒い線で描かれていき、
「今日のわたし」という絵が一通り出来上がる。

そして、そこに「反省」という色とりどりの色鉛筆で塗り絵をしていくことに

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